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河川法
日本の法律
(昭和三十九年七月十日法律第百六十七号)
第一章 総則
(目的)
第一条
この法律は、河川について、洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もつて公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することを目的とする。
(河川管理の原則等)
第二条
河川は、公共用物であつて、その保全、利用その他の管理は、前条の目的が達成されるように適正に行なわれなければならない。
2 河川の流水は、私権の目的となることができない。
(河川及び河川管理施設)第三条
この法律において「河川」とは、一級河川及び二級河川をいい、これらの河川に係る河川管理施設を含むものとする。
2 この法律において「河川管理施設」とは、ダム、堰、水門、堤防、護岸、床止め、樹林帯(堤防又はダム貯水池に沿つて設置された国土交通省令で定める帯状の樹林で堤防又はダム貯水池の治水上又は利水上の機能を維持し、又は増進する効用を有するものをいう。)その他河川の流水によつて生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設をいう。ただし、河川管理者以外の者が設置した施設については、当該施設を河川管理施設とすることについて河川管理者が権原に基づき当該施設を管理する者の同意を得たものに限る。
(一級河川)第四条
この法律において「一級河川」とは、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川(公共の水流及び水面をいう。以下同じ。)で国土交通大臣が指定したものをいう。
2 国土交通大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、社会資本整備審議会及び関係都道府県知事の意見をきかなければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の規定により河川を指定しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、社会資本整備審議会及び関係都道府県知事の意見をきかなければならない。
4 前二項の規定により関係都道府県知事が意見を述べようとするときは、当該都道府県の議会の議決を経なければならない。
5 国土交通大臣は、第一項の規定により河川を指定するときは、国土交通省令で定めるところにより、水系ごとに、その名称及び区間を公示しなければならない。
6 一級河川の指定の変更又は廃止の手続は、第一項の規定による河川の指定の手続に準じて行なわれなければならない。
(二級河川)第五条
この法律において「二級河川」とは、前条第一項の政令で指定された水系以外の水系で公共の利害に重要な関係があるものに係る河川で都道府県知事が指定したものをいう。
2 都府県知事は、前項の規定により河川を指定しようとする場合において、当該河川が他の都府県との境界に係るものであるときは、当該他の都府県知事に協議しなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定により河川を指定するときは、国土交通省令で定めるところにより、水系ごとに、その名称及び区間を公示しなければならない。
4 都道府県知事は、第一項の規定により河川を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見をきかなければならない。
5 前項の規定により関係市町村長が意見を述べようとするときは、当該市町村の議会の議決を経なければならない。
6 二級河川の指定の変更又は廃止の手続は、第一項の規定による指定の手続に準じて行なわれなければならない。
7 二級河川について、前条第一項の一級河川の指定があつたときは、当該二級河川についての第一項の指定は、その効力を失う。
(河川区域)第六条
この法律において「河川区域」とは、次の各号に掲げる区域をいう。
一 河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く。)の区域
二 河川管理施設の敷地である土地の区域
三 堤外の土地(政令で定めるこれに類する土地及び政令で定める遊水地を含む。第三項において同じ。)の区域のうち、第一号に掲げる区域と一体として管理を行う必要があるものとして河川管理者が指定した区域
2 河川管理者は、その管理する河川管理施設である堤防のうち、その敷地である土地の区域内の大部分の土地が通常の利用に供されても計画高水流量を超える流量の洪水の作用に対して耐えることができる規格構造を有する堤防(以下「高規格堤防」という。)については、その敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域を高規格堤防特別区域として指定するものとする。
3 河川管理者は、第一項第二号の区域のうち、その管理する樹林帯(堤外の土地にあるものを除く。)の敷地である土地の区域(以下単に「樹林帯区域」という。)については、その区域を指定しなければならない。
4 河川管理者は、第一項第三号の区域、高規格堤防特別区域又は樹林帯区域を指定するときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。これを変更し、又は廃止するときも、同様とする。
5 河川管理者は、港湾法 (昭和二十五年法律第二百十八号)に規定する港湾区域又は漁港漁場整備法 (昭和二十五年法律第百三十七号)に規定する漁港の区域につき第一項第三号 の区域の指定又はその変更をしようとするときは、港湾管理者又は漁港管理者に協議しなければならない。
6 河川管理者は、森林法 (昭和二十六年法律第二百四十九号)第二十五条 若しくは第二十五条の二 の規定に基づき保安林として指定された森林、同法第三十条 若しくは第三十条の二 の規定に基づき保安林予定森林として告示された森林、同法第四十一条 の規定に基づき保安施設地区として指定された土地又は同法第四十四条 において準用する同法第三十条 の規定に基づき保安施設地区に予定された地区として告示された土地につき樹林帯区域の指定又はその変更をしようとするときは、農林水産大臣(都道府県知事が同法第二十五条の二 の規定に基づき指定した保安林又は同法第三十条の二 の規定に基づき告示した保安林予定森林については、当該都道府県知事)に協議しなければならない。
(河川管理者)第七条
この法律において「河川管理者」とは、第九条第一項又は第十条第一項若しくは第二項の規定により河川を管理する者をいう。
(河川工事)
第八条
この法律において「河川工事」とは、河川の流水によつて生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減するために河川について行なう工事をいう。
以下、略
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