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三江線

三江線は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線地方交通線)だった。路線愛称は「江の川鉄道*1
三次駅−江津駅間 108.1km。全線非電化単線。
全通は1975年と比較的新しい路線だが、閑散路線の多い中国地方のJR西日本でもトップクラスの過疎路線で、2014年度の輸送密度は50人/km・日*2でJR6社を通じて最下位である。
JR西日本は、2018年4月1日に第一種鉄道事業を廃止した。

廃止への流れ

JR西日本が1988年4月に日本国有鉄道から事業を引き継いだが、民営化後も道路整備やマイカーシフトなどの影響により利用状況が人口減を上回る状況であった。この間、JR西日本は三江線を維持・存続するために、駅体制の見直しやワンマン運転化などの経営努力とあわせ、団体列車の設定などによる増収策を行ってきた。近年では三江線活性化協議会において2011年度から5カ年計画のもと、地域と一体となり利用促進の取り組みを広汎かつ継続的に展開してきた。
このような取り組みにもかかわらず、2014年度の輸送密度は1日あたり50人と会社発足時の約9分の1にまで落ち込んでいた。また、2006年、2013年と2度にわたり大規模災害による長期間運休を余儀なくされ、激甚化する災害リスクの高まりも看過できない状況であった。

以上の経緯により、JR西日本2015年10月、「持続可能な公共交通の実現に向けた検討」を沿線市町へ申し入れを行った。その後、三江線改良利用促進期成同盟会との協議および住民説明会などを経て、2016年2月に持続可能な地域公共交通のあり方について幅広く検討する目的で「検討会議」が設置された。JR西日本も検討会議の一員として、沿線自治体の皆様と丁寧に議論を重ねてきた。そして2016年6月、10回にわたる検討会議の議論に関する報告書が完成し、7月期成同盟会にて報告・承認された。
JR西日本は地元の皆様と議論して作成された報告書を踏まえ、三江線について以下の考え方を改めて確認した。

  1. 三江線はエリア内の短区間の流動が大宗を占め、かつ僅少な輸送密度を踏まえると「拠点間を大量に輸送する」という鉄道の特性を発揮できていないこと。
  2. 通院、買物などの市町内で完結する少量かつ多様な移動が、この地域の実態であり、輸送モードとして鉄道が地域のニーズに合致していないこと。
  3. 三江線活性化協議会において、5カ年の取り組みにもかかわらず、利用者の減少に歯止めがかかっていないこと。
  4. 三江線において過去10年において2006年と2013年の2度にわたり大規模な自然災害が発生した。さらには強雨発生回数の増加傾向をはじめとする自然災害リスクの高まりは当線区においても無関係でなく、バスにて代替可能な鉄道に対し、被災と復旧の繰り返しは社会経済的に合理的でないこと。

こうした4つの理由を踏まえ、三江線の第一種鉄道事業を廃止するとの判断に至った。

歴史

1930年4月 三江線として石見江津駅(現・江津駅)−川戸駅間開業
1931年5月 川戸駅−石見川越駅間開業
1934年11月 石見川越駅−石見川本駅間開業
1935年12月 石見川本駅−石見梁瀬駅間開業
1937年10月 石見梁瀬駅−浜原駅間開業
1955年3月 三江南線として三次駅−式敷駅間開業、従来の三江線は三江北線に改称
1963年6月 三江南線 式敷駅−口羽駅間開業
1975年8月 浜原駅−口羽駅間開業により三江線全通、三江北線・三江南線を統合
2016年9月1日、JR西日本が、沿線6市町長らでつくる「三江線改良利用促進期成同盟会」に対し、2016年9月中に国土交通省中国運輸局に廃止届を提出する旨を伝えた。
2016年9月30日、JR西日本は、鉄道事業廃止届出書を中国運輸局を通じて国土交通大臣に提出、廃止予定日を2018年4月1日とした。
2018年3月31日、JR西日本による運行が終了。
2018年4月1日、JR西日本による第一種鉄道事業を廃止。

無人駅の多い路線

1990年代に急激に無人化が進み、両端の三次駅、江津駅を除き、石見川本駅以外の駅はすべて無人駅。

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