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ふるさとに 見し世の友を 恋ひわびて さへづることを 誰《たれ》か分くらん by 明石の上🪻〜住み慣れた明石を離れ、大堰の山荘で 心もとない日々過ごす明石の上

ふるさとに 見し世の友を 恋ひわびて さへづることを 誰《たれ》か分くらん by 明石の上 ふるさとの明石で 昔親しんだ人を恋い慕って弾く琴の音を 誰が分かってくれるでしょうか。 〜住み慣れた明石を離れ、 大堰の山荘で 心もとない日々過ごす明石の上 【源氏物語591 第18帖 松風15】 身を変へて 一人帰れる 山里に 聞きしに似たる 松風ぞ吹く 女《むすめ》が言った。 ふるさとに 見し世の友を 恋ひわびて さへづることを 誰《たれ》か分くらん こんなふうにはかながって 暮らしていた数日ののちに、 以前にもまして逢いがたい苦しさを切に感じる源氏は、 人目もはばからずに大井へ出かけることにした。…