Molecular modeling on GPUs (original) (raw)

GPUを用いた分子モデリング(GPUをもちいたぶんしモデリング、molecular modeling on GPU)は、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を用いて分子シミュレーションを行う技術である。 2007年、NVIDIA社は、グラフィックスを表示するだけでなく、科学的な計算にも使用できるビデオカードを発表した。これらのカードは、多数の演算ユニットが並列に動作している(2016年現在、Tesla P100では最大3,584個)。この発表よりずっと前は、ビデオカードの計算能力は純粋にグラフィックス計算の高速化に使われていた。新しくなったのは、NVIDIAがCUDAと呼ばれる高レベルのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)で並列プログラムの開発を可能にしたことである。この技術により、C/C++言語でプログラムを書けるようになって、プログラミングが大幅に簡素化された。最近では、OpenCLによりクロスプラットフォームでのGPU高速化が可能になった。 量子化学計算や分子力学シミュレーション(古典力学による分子モデリング)は、この技術の有益な応用例である。ビデオカードは計算を何十倍にも高速化できるため、このようなカードを搭載したPCは、一般的なプロセッサを搭載したワークステーションのクラスタに匹敵する能力を持っている。

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