Muse cell (original) (raw)
ミューズ細胞(ミューズさいぼう、英: Muse cell; Multi-lineage differentiating Stress Enduring cell)は生体に内在する非腫瘍性の多能性幹細胞であり、臍帯を含めたほぼすべての組織の結合組織、骨髄、末梢血に存在している。ヒト線維芽細胞やヒト骨髄間葉系細胞、脂肪由来幹細胞などの市販の間葉系細胞からも単離することができ、自発的に、またはサイトカインの誘導により1細胞から体を構成する要素である外胚葉系、中胚葉系、内胚葉系の細胞に分化することができる。さらに、この3胚葉性の分化能は自己複製可能である。多能性幹細胞の関連遺伝子の発現を認めるが、腫瘍性に関連する遺伝子は体細胞レベルと同等で低く、テロメラーゼ活性も低く抑えられているため、無限増殖を行わない。従ってミューズ細胞は生体に移植されても腫瘍形成の危険が極めて低い。ミューズ細胞は2010年に東北大学の出澤真理教授のグループによってはじめて発見・報告された。2018年1月には三菱ケミカルホールディングスグループ傘下の株式会社生命科学インスティテュートが急性心筋梗塞、脳梗塞、表皮水疱症、脊髄損傷、筋委縮性側索硬化症、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症に伴う 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした探索的臨床試験を開始している。また新生児低酸素性虚血性脳症に対する医師主導治験が開始されている。 脳梗塞患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験の 臨床試験結果が報告された。