アルプホルン (original) (raw)
アルプホルン(Alphorn)またはアルペンホルン(Alpenhorn)は、金管楽器の一種で、木製円錐管にカップ状のマウスピースを付けて演奏する。スイスなどの山地の住民によって用いられる。 管は天然の木(多くはトウヒ。場合によってはマツ)をくり抜いて作る(現在ではカーボンファイバー製の物も多くなっている)。円錐管になっており、管の大部分は真直ぐだが、よく知られた例では先端が曲がってラッパ状に開口している。以前は楽器の形状に合うように曲がった木を用いたが、現在では分割して製作する。堅い木を用いてマウスピースを作り、これをとりつけると完成である。 アルプホルンは開管楽器の1つである。バルブ機構もスライド機構も音孔もないので、自然倍音列しか出せない。長さに比べ細い管を用いるので、倍音を出すのは容易である。シュヴィーツ州のリギ山で作られたアルプホルン(現在ヴィクトリア&アルバート美術館にある)は約2.4 m(8 feet)で真直ぐな管を持っている。 スイスのアルプホルンの形状には地域差がある。よくみるスタイル — ベル(ラッパ状開口部)の直前で曲がる — はベルナー・オーバーラントのものである。ミヒャエル・プレトリウス は holzerni trummet の名でアルプホルンに言及している(Syntagma Musicum. Wittenberg, 1615-1619)。