ジルコニウムの同位体 (original) (raw)
ジルコニウム(Zr)の同位体のうち天然に存在するものには、4種類の安定同位体と、2.0×1019年の半減期で二重ベータ崩壊する放射性同位体96Zrがある。理論的には2.4×1020年の半減期で通常のベータ崩壊もすると考えられているが、未だ観測されていない。2番目に安定な93Zrの半減期は153万年である。その他に18種類の放射性同位体があり、95Zr(半減期64.02日)、88Zr(半減期63.4日)、89Zr(半減期78.41時間)を除き、ほとんどの半減期が1日以下である。最も安定な92Zrよりも軽い同位体は電子捕獲、92Zrよりも重い同位体はベータ崩壊する。 ジルコニウムは対称融合で形成される最も重い元素であり、45Sc、46Caからそれぞれ90Zr、92Zrが生成される。これよりも重い元素は全て、非対称融合か超新星爆発によって生成する。 天然のジルコニウムの標準原子量は91.224(2) uである。 中性子過剰核である110Zrは、新たな魔法数が出現し、原子は安定な球状もしくは正四面体だと考えられていたが、理化学研究所がRIビームファクトリーで合成して調べた結果、魔法数は持っておらず、不安定な楕円体であることが判明した。