ステラン (original) (raw)
ステラン(Sterane)またはシクロペンタノペルヒドロフェナントレン(cyclopentanoperhydrophenanthrene)は四環式飽和炭化水素の一つ。四環式のアンドロスタン骨格のC-17位に側鎖がついたステラン骨格を有する。ステラン骨格を有する化合物はステラン類(Steranes)と総称される。自然界ではステロイド(例えばステロールなど)の続成作用およびカタジェネシスによって生じる。ステロイドの生合成はほぼ真核生物に限定されるため、ステロイドを起源とする地層中のステラン類は、過去の地球の歴史において真核生物の存在を示すバイオマーカーとして使用される。ただし、一部のバクテリアもステロイドを合成することが知られており、ステロイド合成の究極的な起源はバクテリアである可能性が示唆されている。 動物が生合成するコレステロールから続成作用により生成するコレスタンはステランの代表例である。 ステラン類は、続成作用の間にメチル基の転位によって一部がジアステラン類となる。砕屑源岩からの原油は、ジアステラン類を豊富に含む傾向にある。