デフィブロチド (original) (raw)

デフィブロチド(Defibrotide)は、豚の腸管粘膜から精製される一本鎖オリゴヌクレオチド混合物である。骨髄移植を受けた患者の肝臓の静脈閉塞性疾患(VOD)の治療に使用される。米国と欧州連合では異なる規制を受けている。肝臓の血管内皮細胞を保護し血液凝固を防ぐ作用があるが、その仕組みは解明されていない。 主な副作用は、異常な血圧低下、下痢、嘔気、嘔吐、鼻血等がある。重篤な潜在的副作用として、出血およびアレルギー反応が確認されている。出血性合併症がある場合や、血液凝固剤など血栓形成機能を低下させる薬の服用中は使用出来ない。脳、目、肺、消化管、尿路、鼻に生命を脅かす出血を起こす強いリスクがある為、一般的にこの薬の使用は制限されている。また、患者によっては過敏症反応を示す事がある。 2013年10月に欧州連合で、2016年3月に米国で、2019年6月に日本で、2020年7月に豪州で医療用医薬品として承認された。生命を脅かす希な肝臓疾患である重症肝VODの治療薬として初めてFDAに承認された治療薬である。 点滴により投与される。