トウジンビエ (original) (raw)
トウジンビエ(唐人稗、学名Pennisetum glaucum)は、イネ科に属する植物で、広く栽培される雑穀の一つ。 トウモロコシに似た単子葉草本で、成熟すると高さ1 - 3m ほど、幅 5cm ほどの葉は長さ 1m にもなる一年生草本。茎にあたる稈(かん)は太いが高さがあるため倒伏しやすい。夏から秋にかけて先端にガマに似た直径数 cm、長さ 30 - 40cm の白い円筒形の穂を出す。穎果(えいか)は米粒よりやや小さく青みをおびる。穂は丸みを帯びたものや細長いもの、白い栽培種や黒い自然種などがある。の別称がある。 インドとアフリカで先史時代から栽培されており、アフリカ・スーダン地方で発生し、その後インドへ伝播したと一般に考えられている。最も古い考古学的記録は紀元前2000年のインドに見られるため、アフリカにおける栽培化はそれ以前であったはずである。起源は熱帯アフリカに遡及することができ、品種の多様性の中心は西アフリカのサヘル地帯である。栽培はその後東アフリカ、南部アフリカ、そして南アジアへと広がった。 高温多湿の日本では栽培例がない。 主に実を粉にしてパンやクスクスなどに加工したり、粥にして食用に供するほか、酒の原料にする。また、植物体や実を家畜や鳥の飼料に用いる。 近縁種に日本でも路傍などに見られるチカラシバ、家畜飼料として利用されるナピアグラスなどがある。