トラソルテオトル (original) (raw)
トラソルテオトル(Tlazolteotl)は、アステカ神話の地母神。穢れの神格化であるとともに、浄化・癒しの神でもある。 「トラソルテオトル」とはナワトル語で「穢れ(tlazōlli)の神(teōtl)」を意味する。穢れ(肉体的な病気と精神的な罪の両方)を癒し、とくに性行為の犯罪や過剰による病気を司る。 ディエゴ・ドゥランによると、トラソルテオトルの像の前で罪を懺悔し、放血行為を行う。図像上は通常草のほうきを手にしており、浄化の神であることを表している。絵文書では口の周囲が黒く、頭飾りに木綿の紡錘をつけていることで容易に識別される(しかしこれはテテオ・インナン(トシ)の特徴でもある)。 トラソルテオトルは、もともとワステカ人がイシュクイナメ(Ixcuiname、木綿の婦人)と呼んでいた4つの位相をもつ女神に由来するようである。 トラソルテオトルにはさまざまな性格があるが、大地と月の女神であり、豊穣と出産の女神でもあった。8年ごとのアタマルクアリストリ (atamalqualiztli) の祭では、若いトウモロコシの神であるシンテオトルとともにトラソルテオトルが祈りの対象とされた。 トラソルテオトルはまた出産時に死んだ女性の神格化であるシワテテオと関連する。シワテテオとイシュクイナメはどちらも4つの方角と関係し、西に配当された5つのトレセーナのはじまりにおいて十字路に出現する。