ハチ (ヒョウ) (original) (raw)
ハチ(1941年(昭和16年)2月頃 - 1943年(昭和18年)8月18日)は、恩賜上野動物園で飼育されていたオスのヒョウである。 日中戦争(支那事変)の最中の1941年(昭和16年)2月28日、中華民国湖北省の山中で日本軍の小隊に保護され、「ハチ」と命名された。小隊長の成岡 正久(なるおか まさひさ)と小隊の兵士たちはハチを可愛がって育て、ハチも兵士たちを慕うようになった。 戦局が切迫するにつれて小隊にハチを同行させることが困難になってきたため、成岡は伝手を頼って恩賜上野動物園にハチを引き取ってもらった。しかし、その後ハチは戦時猛獣処分の対象となって薬殺され、第二次世界大戦終戦後に成岡と再会したときには剥製になっていた。 成岡は故郷の高知にハチを連れ帰り、晩年になってから高知市子ども科学図書館に寄贈した。ハチの生涯とエピソードについては成岡自身の著書『豹と兵隊』を始め、宮操子、浜畑賢吉、門田隆将などが本の題材として取り上げている。