ハドソン湾遠征 (original) (raw)
ハドソン湾遠征 (ハドソンわんえんせい、英: Hudson Bay expedition)は、アメリカ独立戦争最終盤の1782年に、ラ・ペルーズ伯爵の率いるフランス海軍戦隊がハドソン湾岸にあったハドソン湾会社の毛皮交易基地や砦を襲撃した一連の行動である。カプ・フランセ(ハイチ)を出港したこの遠征はフランスとイギリスの間の世界規模に広がった海軍戦争の一部となった。 ラ・ペルーズ伯爵は、フランスの海軍大臣カストリーズ侯爵からの秘密の命令で行動し、1782年5月にカプ・フランセを出港し、8月初旬にプリンス・オブ・ウェールズ砦の前に到着した。この砦とヨーク・ファクトリーのどちらも戦うことなく降伏したが、ヨーク・ファクトリーに保管されていた毛皮の幾らかは、フランス戦隊から巧みに逃れたハドソン湾会社の商船によって運び去られた。 イギリス人捕虜の多くはスループ船に乗せられ、イングランドに送り返された。ラ・ペルーズ伯爵戦隊は機密を守るために最小の冬の備えで航海して来ていたので、乗組員の多くがその苦難の故に壊血病などの病気を患った。ハドソン湾会社の財政はこの襲撃で悪化し、それが会社と取引をしていたインディアンの人口を減らす要因にもなった。