ヒストンメチルトランスフェラーゼ (original) (raw)

ヒストンメチルトランスフェラーゼまたはヒストンメチル基転移酵素(英: histone methyltransferase、略称: HMT)は、ヒストンタンパク質のリジンとアルギニン残基に対して1つ、2つまたは3つのメチル基の転移を触媒するヒストン修飾酵素(ヒストン-リジン N-メチルトランスフェラーゼ、ヒストン-アルギニン N-メチルトランスフェラーゼ)である。メチル基の付加は、主にヒストンH3とH4の特定のリジンまたはアルギニン残基に対して行われる。HMTにはリジン特異的HMTとアルギニン特異的HMTの2つの主要な種類が存在し、リジン特異的HMTはさらにSET(Su(var)3-9, Enhancer of Zeste, Trithorax)ドメイン型と非SETドメイン型に分類される。どのタイプのHMTも、S-アデノシルメチオニン(SAM)を補因子そしてメチル基供与体として利用する。真核生物のゲノムDNAはヒストンと結合してクロマチンを形成している。クロマチンの凝縮度はヒストンのメチル化や他の翻訳後修飾に強く依存している。ヒストンのメチル化はクロマチンの主要なエピジェネティック修飾であり、遺伝子発現、ゲノム安定性、幹細胞の成熟、細胞系統の発生、遺伝的インプリンティング、DNAメチル化、そして有糸分裂が決定される。