マッチカット (original) (raw)

マッチカット(Match cut)とは、本来は時間も場所も異なる連続していない2つの場面を、共通の動作や被写体の類似性で繋ぐ編集技法である。 具体的な例を挙げると、 * アルフレッド・ヒッチコック監督の『北北西に進路を取れ』:ラシュモア山で崖から落ちそうなったエヴァ・マリー・セイントをケーリー・グラントが引き上げるが、引き上げられた次の場面は場所が列車の中に変わっている。引き上げるという同じ動きによるマッチカット。 * スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』:猿人が道具に使えると知った骨を得意げに空に投げると、次のシーンで骨は宇宙空間で浮遊する人工衛星に変わっている。類似した2つの被写体の形状(とスピンする動き)によるマッチカット。また、このシークエンスは骨から人工衛星への科学技術の進歩をも意味している。 マッチカットは「Continuity Editing(コンティニュイティ編集、継続的編集)(英語版)」の原理に基づいている。たとえば、「引き上げる」という動作は時間や場所を問わず偏在するので、本来不連続的な異なる2つの時空間も、「引き上げる」という動作の連続性を根拠に、クロスカッティング技術で繋ぐことができるわけである。 連続性のないジャンプカットとは対照的である。