外典福音書 (original) (raw)

外典福音書(がいてんふくいんしょ)とは、福音書の名称が付けられた書物のうち、キリスト教会で正典として承認されていないものである。 これらの外典福音書の記述の一部はキリスト教徒によって異端的な思想であるとみなされることになった。 外典福音書の中でもっとも古いものは『トマスによる福音書』と『ペトロによる福音書』である。『』や『』など「幼時福音書」と呼ばれる一群の書物は2世紀になって成立したものだが、無原罪懐胎を含むマリアの生涯やイエスの幼年時代におきた多くの奇跡について語っている。これらは正典としては受け入れられなかったがキリスト教徒の間に伝承として伝わっていった。 ほかにも古代から根強く編まれてきたものに「合併福音書(調和福音書)」がある。これは四福音をまとめてその差異をならし一冊にしたものである。断片だけであるが、現存する最古の合併福音書は175年ごろ、が編んだ「ディアテッサロン」というものである。ディアテッサロンはシリア地方で2世紀にわたって流通し、よく用いられたがやがて廃れた。