大ザブ川 (original) (raw)

大ザブ川(だいザブがわ、Great Zab)はトルコとイラクを流れる川である。全長およそ400キロメートルの長さを持つ。源流はトルコにあるヴァン湖付近であり、イラクのモースル市の南でティグリス川に合流する。少なくとも6つのダムが大ザブ川およびその支流で計画されているが、実際に建造されているのはだけであり、これも湾岸戦争の後に建設が停止した。 大ザブ川の流域面積はおよそ40,300平方キロメートルに及び、数多くの支流と合流する。大ザブ川とその支流の水は主として降雨と雪解け水によって供給されており、その結果として年間におけるの変動は大きい。 ザグロス山脈には少なくとも後期旧石器時代から人類が居住しており、シャニダール洞窟の遺跡によってネアンデルタール人が大ザブ川流域に住んでいたことがわかっている。この地域についての歴史的記録は前3千年紀から利用できる。新アッシリア時代、大ザブ川からアッシリアの首都ニムルドの周辺に灌漑用水が供給されていた。ウマイヤ朝の終焉を告げたは大ザブ川の支流そばで戦われ、また、この川の河谷はモンゴル帝国がイラクを征服した際には難民の避難所として機能した。19世紀から20世紀にかけて、大ザブ川流域では現地のクルド人部族が自治権を目指して頻繁に蜂起した。

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