小樽運河工芸館 (original) (raw)

小樽運河工芸館(おたるうんがこうげいかん)は、北海道小樽市にかつて存在したガラス工房。運営元は株式会社・小樽工芸舎。小樽市にガラス工芸の文化が定着した時期である1988年(昭和63年)に、小樽運河を一望できる小樽市色内町2丁目に開館した。 建物は地下1階・地上2階の煉瓦造りであり、1階は自社製品や北海道内のガラス職人によるガラス製品の展示と販売コーナー、2階にはレストランがあった。ガラス工房自体は地下にあり、当時珍しかったガラス職人の実演を間近で見られる工房として人気を集めた。サンドブラスト、吹きガラス、ステンドグラス製作など、ガラス製作体験メニューも多数用意されており、入館者がガラス製作を楽しむこともできた。 開館3年目を迎えた1990年(平成2年)には小樽有数の観光施設と呼ばれ、千円程度の結婚式の引き出物から最高10万円のスポーツ大会用トロフィーまで、手作りのオリジナル製品で人気を博した。最盛期には個人旅行客や修学旅行生など、来客数は年間2万人に昇り、ガラスの町・小樽を代表する観光施設として人気を集め、中山美穂主演映画『Love Letter』など、映画の撮影にも用いられた。小樽市内の文化の担い手と呼ばれるガラス職人には、この館での修行を経て独立した者も多い。1990年代には小樽のガラス文化の先駆けといわれる北一硝子などとともに、小樽観光の人気を担っていた。

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