布教保護権 (original) (raw)

布教保護権(ふきょうほごけん、西:Patronato Real、ラテン語:ius patronatus)は、ローマ教皇が世俗の権力者に与えた権利と義務。領地に教会関係の施設を建てた領主に、その教会の所有権と、それを維持する義務を課した。ここでいう「教会」は、狭義には教会堂を始めとするキリスト教の施設を指すが、広義にはキリスト教圏全域を指す。そのため、キリスト教圏そのものを「教会」と呼ぶことも可能で、「キリスト教界」と表記することもある。 教会の保護者たる世俗権力者の権利は、 1. * 司教区の設置をきめ、その司教区を統轄する司教を、教皇に対し指名推選することが出来る。 2. * その司教区内の司教座聖堂参事会員・小教区主任司祭その他の聖職禄受領者を、司教に対して指名推選することが出来る。 保護者に課せられた義務は、 1. * 司教区とそこで働く教会聖職者を、経済的に支えること。 2. * カトリック信仰の宣布に尽力すること。 であった。