拘束形態素 (original) (raw)

拘束形態素(こうそくけいたいそ)は、形態論において、語を構成する形態素のうち、単独で語を構成せず他の形態素と複合してはじめて意味を生ずるもの。Bound morpheme 又は bound form の訳であり束縛形態素ともいう。反対に単独で語を構成する形態素を自由形態素又は非拘束形態素という。 アラビア語のような例外もあるが、接頭辞、接尾辞、といった接辞が拘束形態素の典型である。接辞は他の語との関係で語形変化するものもあり、また、品詞等を変えたり、否定などの意味を付加して派生語を生じさせたりする。 語根となるものの多くは自由形態素であり、非機能的な意味を有する(例:"shipment"のship-)、一方で、その他は束縛形態素となる。なお、chairmanのような語は、複数の自由形態素(chair と man)より構成されており、このような語は、複合語という。 言語学者は、形態素に言及する際、生産性の高低ということを評価する。例えば、tenantのten-は、ラテン語のtenere(持つ、保つ)に由来し、tenableという語にも見られる語の部分ではあるが、現代英語においてten-は、もはや、造語力を持ちえず、この意味では形態素とはみなされない。