焼却炉 (original) (raw)

焼却炉(しょうきゃくろ)は、廃棄物を処理する方法の一つとしての焼却の効率化と、処理とともに排出された有害物質の無害化を行う施設である。ごみを焼却することによって、体積を減らせるだけでなく、殺菌や害虫駆除をすることもできる。焼却処理された残渣などは、最終処分場に埋め立て処分されたり、セメントなどの原料として使用されたりする。 可燃廃棄物に単純に着火しても、完全燃焼させるには条件が不足することが多く炭化するだけに留まってしまうと処理に困難が生じる。燃焼温度、酸素供給を確保し、さらに焼却残渣を回収しやすくする施設が焼却炉であり、その規模や目的によって様々な形態が存在する。食品廃棄物のサーマルリサイクルや医療廃棄物の無害化にも利用される。 廃掃法に廃棄物の排出者自己責任が定められており、企業や自治体は自分達の廃棄物を自社処理することが望ましい。かつては都市部の学校や工場、家庭にも小型の焼却炉が存在していたが、廃棄物の多様化と周囲の宅地化によって次第に減少し、環境汚染対策として規制がかかった2020年代では見かけなくなった。

thumbnail