現代原子価結合法 (original) (raw)
現代原子価結合理論(げんだいげんしかけつごうりろん、英: Modern valence bond theory)は、原子価結合理論(VB法)の応用であり、ハートリー=フォック法や他の分子軌道に基づく手法のためのプログラムと精度と計算コストの点において競争力のあるコンピュータプログラムを使用する。分子軌道理論(MO法)やその後の密度汎関数理論(DFT法)はプログラムするのがより簡単であったためデジタルコンピュータの出現から量子化学を席巻した。そのため、初期の原子価結合法の人気は低下した。原子価結合法のプログラミングが改善されたのは1990年代後半以降のことである。 その最も単純な形式では、重ね合っている原子軌道は原子に基づく基底関数の線形結合として展開される軌道によって置き換えられる(原子軌道による線形結合; LCAO)。この展開は最低エネルギーを与えるよう最適化される。この手順はイオン性構造を含めることなくよいエネルギーを与える。 例えば、水素分子H2では、古典的原子価結合理論は2つの水素原子上の2つの1s原子軌道(aおよびb)を使い、共有結合性構造を構築する。 ΦC = (a(1)b(2) + b(1)a(2)) (α(1)β(2) - β(1)α(2)) イオン性構造は ΦI = (a(1)a(2) + b(1)b(2)) (α(1)β(2) - β(1)α(2)) と表わされる。