関東軍 (original) (raw)
関東軍(かんとうぐん、旧字体: 關東軍)は、大日本帝国陸軍の総軍の一つ(1942年(昭和17年)10月1日以前は軍の一つ)。 大日本帝国が中華民国から租借していた、遼東半島先端に位置する関東州の守備、および南満州鉄道附属地警備を目的とした関東都督府の守備隊が前身。司令部は当初旅順に置かれた。満州事変を引き起こして満州国を建国し、日満議定書(1932年9月15日)後は満州国の首都である新京(現中華人民共和国吉林省長春市)に移転した。 現地の佐官級参謀陣が自らの判断で、政府の不拡大方針を無視して柳条湖事件や張作霖爆殺事件などの謀略事件を強行し、その後の支那事変や太平洋戦争に至る日本の政治外交過程を大きく揺るがす要因となった。なお、満洲事変は参謀本部や陸軍省といった当時の陸軍中央の国防政策からも逸脱していた上、陸軍大元帥で統帥権を持つ天皇の許可なしに軍事行動をする事は明確な軍規違反であったが、首謀者達は処罰されるどころか出世した。以降、関東軍は規模を拡大させ、1941年(昭和16年)の最大規模時には総員74万人を数えるほどになり、1945年(昭和20年)8月9日のソ連侵攻で壊滅するまで、満州国の実質的な統治を行った。