順序体 (original) (raw)

数学における順序体(じゅんじょたい、英: ordered field)とは、全順序をもつ体で、その順序が体の演算と両立するもののことである。 順序体は標数 0 でなければならず、任意の自然数 0, 1, 1 + 1, 1 + 1 + 1, … は全て相異なる。従って順序体は無限個の元を含まねばならず、有限体には順序を定義することができない。 順序体の任意の部分体は、元の体の順序に関してそれ自身順序体を成す。任意の順序体は有理数体に同型な部分順序体を含む。任意の順序体は実数体に同型である。順序体において平方元は非負でなければならない。従って複素数体には(虚数単位 i の平方が −1 だから)順序を定義することはできない。任意の順序体は実体である。 歴史的にはヒルベルト、ヘルダー、ハーンらを含む数学者たちによって徐々にが進められ、1926年に順序体および(形式的)実体に関するによって結実する。