香山末子 (original) (raw)
香山 末子(かやま すえこ、1922年〈大正11年〉1月27日 - 1996年〈平成8年〉5月4日)は、在日韓国人の詩人。大韓民国慶尚南道信陽郡晋城面温水里出身。本名は金 末壬(キム マルチャ)。 1941年(昭和16年)に日本にわたり、愛知県豊橋市在住となり、2児をもうけた。1944年(昭和19年)にハンセン病を発病し、翌1945年(昭和20年)12月8日、国立療養所の国立療養所栗生楽泉園(群馬県草津町)に入園した。 楽泉園入園中に失明。50歳代の頃、医師の勧めで詩作を始め、栗生楽泉園内の詩人団体である栗生詩話会に入会した。ここで同会の指導を担当していた詩人の村松武司と出逢い、村松に師事して詩を書き続けた。3冊目の詩集『青いめがね』は、祖国への帰郷のつもりで貯めていたわずかな貯金をはたいての出版であった。 香川の詩は、病気に侵された体にわずかに残った触覚で感じる日常や、祖国や家族を想って綴られたものであり、それらは詩人の大岡信により「豊かな情感、独自のスタイルを持つ驚くべき作品」、村松武司の跡を継いで詩話会を指導した詩人の森田進により「稀に見る痛切な美しさに満ちて光っている」と高く評価されている。