伊万里市 (original) (raw)

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いまりし ウィキデータを編集伊万里市
大川内山の橋にある鍋島焼のモニュメント地図市庁舎の位置
伊万里市旗 伊万里市章 伊万里市旗 伊万里市章
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 佐賀県
市町村コード 41205-8
法人番号 1000020412058 ウィキデータを編集
面積 255.24km2
総人口 50,245[編集]推計人口、2024年12月1日)
人口密度 197人/km2
隣接自治体 唐津市武雄市西松浦郡有田町長崎県佐世保市松浦市
市の木 マキ
市の花 ツツジ
伊万里市役所
市長 [編集]深浦弘信
所在地 848-8501佐賀県伊万里市立花町1355番地1[注釈 1]北緯33度15分53秒 東経129度52分51秒 / 北緯33.26475度 東経129.88081度 / 33.26475; 129.88081座標: 北緯33度15分53秒 東経129度52分51秒 / 北緯33.26475度 東経129.88081度 / 33.26475; 129.88081
外部リンク 公式ウェブサイト
伊万里市位置図 ■ ― 市 / ■ ― 町・村
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伊万里市街地遠景

伊万里市(いまりし)は、佐賀県の西部にある。東松浦半島と北松浦半島の結合部に位置する[1]鍋島藩の藩窯で焼かれた「鍋島」の系譜を引く伊万里焼で知られる[2]

伊万里市中心部周辺の空中写真。
1977年10月5日撮影の2枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

佐賀市の西約50kmの場所に位置しており伊万里川有田川が流れ込む伊万里湾を東・南・西の三方から囲む形で東松浦半島南西部と北松浦半島南東部を市域とする。市域西部の北松浦半島地域では長崎県と接し、東部は低い丘陵地である。

江戸時代には肥前国で焼かれた磁器伊万里港から日本国内だけでなくヨーロッパまで輸出されたことから、これらを総称して「古伊万里」という[2]。一方、磁器の産地としては1675年に佐賀鍋島藩は藩窯を有田から大川内山に移し、技法が流出しないよう厳重な管理下に置かれた[2]。藩窯で焼かれた高品位な磁器は「鍋島」と呼ばれて献上品に用いられ、「鍋島」の系譜は伊万里焼に引き継がれており、大川内山には多くの窯元がある[2]。大川内山は「大川内鍋島窯跡」として国史跡に指定されており(2003年9月16日指定)[3]1996年日本の音風景100選(伊万里の焼物の音)、2002年かおり風景100選(伊万里焼土と炎のかおり)など多くの選定を受けている[2]

中心市街地は市域南部の伊万里川河口付近にある。

伊万里(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 19.8 (67.6) 22.4 (72.3) 25.5 (77.9) 29.9 (85.8) 32.1 (89.8) 36.0 (96.8) 36.8 (98.2) 37.8 (100) 36.7 (98.1) 32.6 (90.7) 28.3 (82.9) 24.0 (75.2) 37.8 (100)
平均最高気温 °C (°F) 9.8 (49.6) 11.2 (52.2) 14.6 (58.3) 19.7 (67.5) 24.1 (75.4) 26.7 (80.1) 30.5 (86.9) 31.8 (89.2) 28.0 (82.4) 23.3 (73.9) 17.7 (63.9) 12.2 (54) 20.8 (69.4)
日平均気温 °C (°F) 5.4 (41.7) 6.4 (43.5) 9.5 (49.1) 14.2 (57.6) 18.6 (65.5) 22.2 (72) 26.4 (79.5) 27.2 (81) 23.3 (73.9) 17.9 (64.2) 12.4 (54.3) 7.3 (45.1) 15.9 (60.6)
平均最低気温 °C (°F) 1.2 (34.2) 1.7 (35.1) 4.5 (40.1) 8.9 (48) 13.6 (56.5) 18.6 (65.5) 23.3 (73.9) 23.7 (74.7) 19.6 (67.3) 13.3 (55.9) 7.6 (45.7) 2.9 (37.2) 11.6 (52.9)
最低気温記録 °C (°F) −5.4 (22.3) −5.3 (22.5) −3.6 (25.5) −1.0 (30.2) 4.0 (39.2) 8.7 (47.7) 15.6 (60.1) 16.7 (62.1) 8.6 (47.5) 2.1 (35.8) −1.6 (29.1) −4.5 (23.9) −5.4 (22.3)
降水量 mm (inch) 78.6 (3.094) 93.8 (3.693) 148.6 (5.85) 188.2 (7.409) 197.2 (7.764) 355.6 (14) 367.9 (14.484) 272.0 (10.709) 224.1 (8.823) 105.0 (4.134) 107.4 (4.228) 83.6 (3.291) 2,221.8 (87.472)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 9.4 9.0 10.9 10.0 9.4 13.4 13.1 11.0 10.0 7.2 9.1 9.2 121.7
平均月間日照時間 98.6 118.9 157.9 182.7 193.2 122.0 159.0 188.5 155.3 178.7 135.4 108.6 1,798.8
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[4]
地域 面積/km2 世帯[* 1] 人口[* 1] 町・字
中心部 047.43 10,368 025,955 伊万里町(甲・乙)・大坪町(甲〜丙)・立花町・新天町・蓮池町・大川内町(甲〜丙)・脇田町・瀬戸町・木須町・松島町
黒川町 026.48 01,134 003,089 塩屋・福田・大黒川・小黒川・畑川内・長尾・真手野・花房・清水・立目・牟田・横野・椿原・黒塩
波多津 032.50 00785 002,548 辻・畑津・内野・煤屋・馬蛤潟・木場・田代・板木・津留・主屋・中山・井野尾・筒井
南波多町 029.24 00800 002,802 重橋・谷口・古里・水留・大曲・高瀬・井手野・大川原・古川・笠椎・小麦原・府招・原屋敷
大川町 029.84 00912 002,683 大川野・川西・駒鳴・立川・山口・東田代・川原
松浦町 021.30 00881 002,562 桃川・中野原・山形・提川
二里町 016.41 02,587 006,431 八谷搦・大里(甲・乙)・中里(甲・乙)
東山代町 029.44 02,333 005,996 長浜・日尾・天神・脇野・大久保・里・東大久保・浦川内・滝川内・川内野
山代町 022.02 02,356 005,581 楠久・楠久津・峰・城・福川内・久原・立岩・西分・西大久保・東分
255.02 22,156 057,647
  1. ^ a b 2012年6月15日統計伊万里

伊万里市市制施行前の伊万里町にあたる10町は伊万里市○○町という住所表記を用いており、それ以外の地区は、合併前からの大字を引き継ぎ伊万里市××町○○という住所表記を用いている。 なお、旧伊万里町にあたる9町(蓮池町以外)は、市制施行と同時に大字から町に変更している。

なお、蓮池町は、湿地の埋め立てにより1957年に新たに発足した町である。

伊万里市と全国の年齢別人口分布(2005年) 伊万里市の年齢・男女別人口分布(2005年)
■紫色 ― 伊万里市■緑色 ― 日本全国 ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性
伊万里市(に相当する地域)の人口の推移 1970年(昭和45年) 61,561人 1975年(昭和50年) 60,913人 1980年(昭和55年) 61,243人 1985年(昭和60年) 62,044人 1990年(平成2年) 60,882人 1995年(平成7年) 60,348人 2000年(平成12年) 59,143人 2005年(平成17年) 58,190人 2010年(平成22年) 57,161人 2015年(平成27年) 55,238人 2020年(令和2年) 52,629人
総務省統計局 国勢調査より

江戸時代は有田波佐見三川内といった周辺地区の陶磁器の積出港として栄えた。肥前の磁器は、積出港の名から「伊万里焼」(今利焼)と称され、**"Imari"**の名は輸出先のヨーロッパにも知られた。積出港だけでなく、現在の市域にある大川内山にあった鍋島藩窯では将軍・朝廷などへの献上用として最高品質の磁器鍋島焼)が生産されていた。明治時代から昭和30年代までは石炭の積出港としての役割を持っていた。

特記なき場合「統計伊万里(平成30年)」による[9]

氏名 就任 退任 備考
1 橋口四郎 1954年(昭和29年)4月
2 山口正次 1962年(昭和37年)4月
3 竹内通教 1970年(昭和45年)4月
4 川本明 1994年(平成6年)4月
5 塚部芳和 2002年(平成14年)4月27日 2018年(平成30年)4月26日[10]
6 深浦弘信 2018年(平成30年)4月27日[11] 現職

伊万里市から選出される佐賀県議会議員の定数は2議席である。

出先機関

出先機関

なし万里くん・万梨之助くん・梨里ちゃん

2000年(平成12年)から伊万里市・伊万里梨PRのマスコットキャラクター。

いまりんモーモちゃん

2009年(平成21年)10月1日から伊万里市・伊万里牛のPRのマスコットキャラクター。

伊万里港に近い地の利を活かし、工業団地の整備が進められている。また陶磁器生産も大川内山のみならず市内あちこちで行われている。農業は万能葱(小葱)・蜜柑(とくに南波多、大川地方)・葡萄巨峰ワイン原料にも利用されている)が盛ん。牛肉は“伊万里牛”ブランドとして福岡を中心に全国的にも知られている。

かつては市中心市街地の東町の伊万里玉屋、伊万里駅前のダイエー伊万里店といった商業施設があったがいずれも閉店し、現在は市内に大型商業施設はなく、伊万里駅北西の国道204号線・県道321号線沿いに郊外型店舗が集積している地域がある。

伊万里信用金庫本店

ケーブルテレビ経由で福岡県の放送局が視聴できる。伊万里市は放送局が3局しか視聴できないので、ケーブルテレビの加入率が90%と非常に高い。ラジオ第二放送は隣接県の局を受信している。

テレビ

※下記はケーブルテレビへの加入が前提である。

ケーブルテレビ

ラジオ

統計はすべて2010年10月1日の第19回国勢調査のもの。

伊万里高等学校

東陵中、山代中の各校区でそれぞれ、小学校2校と中学校1校を統合して義務教育学校とする計画案がある。少子化や公共施設維持費の縮減を背景にしたもの[13]

市立

私立

自動車教習所

伊万里駅

最寄り空港は佐賀空港福岡空港または長崎空港

九州旅客鉄道(JR九州)

松浦鉄道

※中心となる駅:伊万里駅

愛称名 運行会社 運行区間
いまり号 昭和自動車 福岡市福岡空港国内線・博多BT天神) - 今組 - 唐津インター口 - 山本・北波多・**伊万里ふるさと村・東町・伊万里駅前・伊万里営業所**
さつきhighway さつき観光 福岡市(HEARTS BS博多) - 名村団地・黒川

以下は計画中

高速自動車国道の最寄りICは、西九州自動車道佐世保三川内IC

唐津伊万里道路は全国的な高速道路網とつながっていないが、途中で今宿道路二丈浜玉道路を挟んで福岡市と伊万里市の間を高速道路で移動することができる。福岡市以東から伊万里市に自動車で移動する場合、長崎自動車道・西九州自動車道を経由するルートよりも今宿道路・二丈浜玉道路を挟むルートのほうが短距離になる。

伊万里市内で計画中の高速道路として、西九州自動車道の唐津伊万里道路(唐津市中原 - 伊万里市南波多町府招 間)、伊万里道路(南波多町府招 - 東山代町 間)、伊万里松浦道路(東山代町 - 長崎県松浦市 間)がある。

伊万里市民図書館

国見台公園

体育館

野球、ソフトボール、サッカー

射撃

アーチェリー

ゲートボール

伊万里トンテントン祭り

★は故人

  1. ^ 立花台一丁目1番1号という住所表記が非公式に存在し、まれに市役所もこの番地を使用する(立花台団地の分譲に関する情報など)

  2. ^ 唐津焼(からつやき) - 伊万里市

  3. ^ a b c d e 秘窯の里で伊万里焼の歴史に触れる - 伊万里市

  4. ^ 国史跡 大川内鍋島窯跡 - 伊万里市教育委員会、近世陶磁研究会

  5. ^伊万里 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月23日閲覧。

  6. ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、121頁。ISBN 9784816922749

  7. ^ 「警官官ら八人ダムに 山津波に出動中」『朝日新聞』昭和42年7月10日朝刊、12版、15面

  8. ^ 広報いまり No.160 (PDF) 、1967年8月1日

  9. ^ 佐世保市. “西九州させぼ広域都市圏(連携中枢都市圏)形成に係る連携協約締結について”. 佐世保市. 2020年3月19日閲覧。

  10. ^統計伊万里(平成30年)”. 伊万里市. 2021年3月6日閲覧。

  11. ^ “新人・深浦氏が初当選 伊万里市長選”. 佐賀新聞. (2018年4月16日). http://www.saga-s.co.jp/articles/-/205516 2018年4月16日閲覧。

  12. ^ 県内市町の選挙期日をお知らせします / 佐賀県

  13. ^佐賀)伊万里市議選、35歳加藤奈津実氏トップで初当選”. 朝日新聞社. 2019年5月13日閲覧。

  14. ^東陵、山代中校区9年制に統合を 伊万里市教委諮問機関」佐賀新聞ニュース、2021年2月16日付、2012年3月28日閲覧

  15. ^ 天然記念物

  16. ^ 「伊万里湾カブトガニ繁殖地」が天然記念物指定へ

  17. ^ 伊万里湾カブトガニ繁殖地

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