青い山脈 (映画) (original) (raw)

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青い山脈』(あおいさんみゃく)は、石坂洋次郎小説青い山脈』を原作として制作された映画。

1949年1957年1963年1975年1988年の5回製作され、興行的にも1949年・1957年・1963年はいずれもヒットした[1](1975年・1988年は不明)。最も名高いのは1949年今井正監督作品。主題歌の『青い山脈』は、日本映画界に限らず、広く国民に知られている(主題歌については、「青い山脈 (曲)」の項目も参照のこと)。

作品中、ラブレターの文に「恋しい恋しい私の恋人」と書かれるべきものが、「しいしい私の人」となっているエピソードは名高い。

1949年版

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青い山脈 / 續青い山脈
『青い山脈』ポスター
監督 今井正
脚本 今井正井手俊郎
製作 藤本真澄
出演者 原節子池部良若山セツ子杉葉子伊豆肇木暮実千代龍崎一郎
音楽 服部良一
主題歌 藤山一郎奈良光枝青い山脈
撮影 中井朝一
製作会社 藤本プロダクション東宝
配給 東宝
公開 日本の旗 1949年7月19日(青い山脈)日本の旗 1949年7月26日(續青い山脈)
上映時間 93分(青い山脈)84分(續青い山脈)
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 正編續編計約2750万円[2]
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監督は今井正、主演は原節子池部良。正続2編(正篇7月19日公開、続篇7月26日公開)。モノクロ、スタンダード。

東宝松竹が映画化権を争い、松竹が木下惠介監督を提示したことから東宝側は負けるのを覚悟したが最終的には東宝が映画化権を獲得。しかし、東宝争議で企画審議会に加わっていた組合が「プチブル作家の石坂がブルジョア新聞に連載した作品をなぜ東宝がやる必要があるのか」と猛反対していた[3]。今井は「戦時中抑圧されていた若い男女が一緒に町を歩く、それを描くだけでも意味がある」と反論した[3]。プロデューサーの藤本真澄は東宝を退社して藤本プロを設立する。この時期機能が麻痺していた東宝では各プロデューサーの独立プロにスタジオを貸す方式をとっており、本作は藤本プロと東宝の共同作品となる。 東宝からの製作協力者として代田謙三、井手俊郎らが当り、当初小国英雄が脚本を執筆したが、監督の今井正と意見が対立し降板したため、今井が井手俊郎に書き直させた[3]。井手の脚本家デビュー作となる。以降のリメイク作品のほとんどは、この井手脚本が元になっている[3]。今井は芸者の梅太郎役に杉村春子を推したが、最終的に木暮実千代に落ち着いた[3]。また服部良一主題歌も今井正監督が好まなかったにもかかわらず、国民的愛唱歌になるほどヒットし、以降のリメイク作品にも使用された。ロケ地は静岡県下田市他。

打ち上げ花火やカモメなどの描写にアニメーションが用いられ、前年に東宝を退社した鷺巣富雄が作画を担当した[4][5]

平成元年(1989年)「大アンケートによる日本映画ベスト150」(文藝春秋発表)では第20位にランキングされている。

スタッフ

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配役

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青い山脈

杉葉子(左)と原節子(右)

杉葉子(左)、原節子、若山セツ子(右)

續青い山脈

今井正監督作品
1930年代 沼津兵学校 われ等が教官
1940年代 多甚古村 女の街 閣下 結婚の生態 望楼の決死隊 怒りの海 愛の誓ひ 民衆の敵 人生とんぼ返り 地下街二十四時間 青い山脈 続・青い山脈 女の顔
1950年代 また逢う日まで どっこい生きてる 山びこ学校 ひめゆりの塔 にごりえ 愛すればこそ 第二話 とびこんだ花嫁 ここに泉あり 由紀子 真昼の暗黒 純愛物語 夜の鼓 キクとイサム
1960年代 白い崖 あれが港の灯だ 喜劇 にっぽんのお婆あちゃん 武士道残酷物語 越後つついし親不知 仇討 砂糖菓子が壊れるとき 不信のとき 橋のない川 第一部
1970年代 橋のない川 第二部 婉という女 あゝ声なき友 海軍特別年少兵 小林多喜二 妖婆 あにいもうと 子育てごっこ
1980年代 ゆき ひめゆりの塔
1990年代 戦争と青春

1957年版

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「新子の巻」10月17日公開と「雪子の巻」11月19日公開の正続2篇。東宝製作。併映作は、「新子の巻」は『善太と三平物語 風の中の子供(原作:坪田譲治。監督:山本嘉次郎)、「雪子の巻」は『脱獄囚』(主演:池部良。監督:鈴木英夫)。岐阜県 中津川市、恵那市で撮影された。

スタッフ

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キャスト

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松林宗恵監督作品
1950年代 水色のワルツ 東京のえくぼ ハワイの夜 アチャコ青春手帳第三話 まごころ先生の巻 戦艦大和 青春ジャズ娘 花と波涛 トラン・ブーラン 月の光 慈悲心鳥 人間魚雷回天 月に飛ぶ雁 浅草の鬼 風流交番日記 天国はどこだ あなたも私もお年頃 兄とその妹 婚約指輪 エンゲージリング 美貌の都 ひかげの娘 青い山脈・新子の巻 続青い山脈・雪子の巻 社長三代記 続・社長三代記 風流温泉日記 大学の人気者 社長太平記 まり子自叙伝 花咲く星座 潜水艦イ-57降伏せず 夜を探がせ
1960年代 ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐 がんばれ! 盤嶽 社長道中記 続・社長道中記 世界大戦争 サラリーマン清水港 続サラリーマン清水港 新・狐と狸 太平洋の翼 社長外遊記 続・社長外遊記 社長紳士録 続・社長紳士録 こんにちは赤ちゃん 万事お金 社長忍法帖 続・社長忍法帖 社長行状記 続・社長行状記 てなもんや東海道 社長千一夜 落語野郎 大泥棒 続・社長千一夜 てなもんや幽霊道中 社長繁盛記 続・社長繁盛記 社長えんま帖 続・社長えんま帖
1970年代 社長学ABC 続・社長学ABC 喜劇 百点満点 恋の空中ぶらんこ 関白宣言
1980年代 連合艦隊 ふしぎな國 日本 山下少年物語 ゴルフ夜明け前
1990年代 勝利者たち

1963年版

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『青い山脈』(1963年)

日活製作、1月3日公開。本作では、時代に合わせて設定を、旧制・高等女学校から新制・女子高等学校に、旧制高校生から大学生に変更した。ラブレターの「恋しい恋しい」と「変しい変しい」をめぐって女子高の教職員と父兄とが議論する場面では、大学生がアマチュア無線で主人公たちに向けて実況中継するといった現代的な脚色が加えられていた。ロケーション滋賀県彦根市で行われている。1990年代以降のカラオケの画面に現れることのある映像はこの作品のものである。配給収入は2億7080万円[7]

スタッフ

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キャスト

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西河克己監督作品
1950年代 伊豆の艶歌師 Let's See Japan 緑の北海道 嫁の立場 七彩の花吹雪 近江源氏盛綱陣屋の段 生きとし生けるもの 春の夜の出来事 愉快な仲間 赤ちゃん特急 東京の人 前後篇 しあわせはどこに 孤獨の人 永遠に答えず 永遠に答えず 完結篇 美しい庵主さん 明日を賭ける男 不道徳教育講座 絞首台の下に 若い傾斜 風のある道 無言の乱斗
1960年代 六三制愚連隊 素っ飛び小僧 若い突風 疾風小僧 竜巻小僧 俺の故郷は大西部 有難や節 闘いつづける男 追跡 草を刈る娘 気まぐれ渡世 青年の椅子 赤い蕾と白い花 星の瞳をもつ男 若い人 青い山脈 雨の中に消えて 伊豆の踊子 エデンの海(1963) 何処へ 帰郷 悲しき別れの歌 四つの恋の物語 哀愁の夜 友を送る歌 絶唱 白鳥 北国の旅情 陽のあたる坂道 夕笛 残雪 ザ・スパイダースのバリ島珍道中 夜の牝 花と蝶 夜の牝 年上の女
1970年代 伊豆の踊子 潮騒 絶唱 エデンの海(1976) どんぐりッ子 春琴抄 恋人岬 霧の旗 お嫁にゆきます 花街の母
1980年代 スパルタの海 チーちゃんごめんね 生徒諸君! ばあじんロード マイフェニックス
1990年代 一杯のかけそば

1975年版

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東宝映画製作・東宝配給、8月2日公開。同時上映は『花の高2トリオ 初恋時代』( 東宝・ホリプロダクションサンミュージック提携。監督:森永健次郎。主演:森昌子桜田淳子山口百恵

スタッフ

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石川さゆり潮哲也

キャスト

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河崎義祐監督作品
1970年代 青い山脈 挽歌 あいつと私 若い人 残照 炎の舞
1980年代 青春グラフィティ スニーカーぶる〜す ブルージーンズ メモリー グッドラックLOVE ウィーン物語 ジェミニ・YとS プルメリアの伝説 天国のキッス クララ白書 少女隊PHOON

1988年版

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タイトルは「青い山脈'88」。キネマ東京=ビデオ東京製作、松竹配給、10月15日公開。

舞台を青森県に移し、今までのシリーズを大胆にリメイクしたものである。あまりにインパクトのある舘ひろしの保健の先生は、服装や姿・立ち振る舞いが濃い為に『ウラ関根TV』で紹介されており、ゴルフクラブを握る姿が「ライフルを磨いているみたい」、囲碁を打つ時は「ホシを追い詰めている」という一風変わった役作りで、「刑事みたい」と評される事になる。 また第1作で主人公を演じた池部良が、一転して「封建的な父親」を演じた事で話題になった。おなじみの主題歌は舘が歌った(編曲:神林早人)。

スタッフ

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キャスト

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関連項目

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脚注

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  1. ^ 「邦画 四代目六助を演じる三浦友和 『青い山脈』」『スタア』1975年9月号、平凡出版、100頁。
  2. ^ 藤本眞澄、時實象平(1949年7月19日)"「靑い山脈」はこうして完成した"『映画評論』第6巻、第9号、日本映画出版、1949年、4頁。藤本眞澄「前後篇では非常に安い作品です。」
  3. ^ a b c d e 石坂昌三『巨匠たちの伝説』三一書房、1988年、215頁。ISBN 9784380882340
  4. ^ 但馬オサム「ピー・プロワークス3 アニメ合成」『別冊映画秘宝電人ザボーガー』&ピー・プロ特撮大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年11月14日、85頁。ISBN 978-4-86248-805-3
  5. ^ 但馬オサム「うしおそうじ&ピープロダクション年表」『別冊映画秘宝 特撮秘宝』vol.3、洋泉社、2016年3月13日、pp.102-109、ISBN 978-4-8003-0865-8
  6. ^ 「奇妙なことにかつてファンクが典型的な日本女性だと絶賛を惜しまなかった原の身体は、その大柄さゆえに敗戦国民の観客たちからは、西洋的な新時代の隠喩として受けとられた。誰も彼女の転向を公に非難するものはいなかった。いや、たとえそれに気が付いていたとしても、誰もが多かれ少なかれ、彼女と同じ転向者であったためである」(四方田犬彦『日本映画史110年』集英社新書 2014年)。
  7. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)190頁

外部リンク

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