福井/小浜 玄白の里と若狭国主代々御祈祷地 - トラベルとかナントカ【日本全市訪問】 (original) (raw)
福井県小浜市、JR小浜駅からの歩き旅です。
(2014年7月当時)
●ようこそ御食国(みけつくに)
小浜駅に初めて来たのは1999年3月の事ですが、2014年7月に15年ぶりに再訪して、今回記事に出てくる写真を色々と撮ったという訳です。
そんな中、これは小浜駅を出た所。歓迎の幟に「ようこそ御食国(みけつくに)おばまへ」と。
御食国とは、古代朝廷に食料を貢いだと推定される国を指す言葉だそうで、ここ以外にも志摩地方や淡路の方も挙げられています。現在では6つの自治体(小浜、伊勢、鳥羽、志摩、洲本の各市と南伊勢町)が集まって「御食国サミット」というものまで開いたそうです。
また貫地谷しほりさんが主演したNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の舞台でもあり、ここ小浜駅もそのロケに使われています。
●駅から目線
駅を出て駅前広場、その向こうは駅前通りというロケーションです。
タクシーとは正対する格好ですが、意外と多く停まってたなという印象でした。
●OBAMA
といっても大統領の事ではありません(笑)
浅井三姉妹のイラスト看板がカラフルに立っていました。浅井長政の娘として生まれた彼女らは戦国の歴史シーンの中で、大きく関わりを持つ姉妹として知られ、右端の江(ごう)は大河ドラマの主人公にもなった訳ですが、彼女だけが後の代を継ぐ子孫を残し、その一人には徳川家光がいます。(ちなみに茶々の子は豊臣秀頼)
●人魚が乗る
ポストの上に人魚が乗っていました。
小浜には「人魚の浜海水浴場」というのが存在します。
八百姫伝説というものですが、人魚の肉を食べて何百年も衰えることなく生き永らえたという娘の伝説がここ小浜には残っているといいます。人魚の話も綺麗なものばかりではないのですね。
●商店街へ
という訳で駅前通りである屋根つき商店街を進んで行きます。
店舗が虫くいになって駐車場になっているような部分も見受けられました。
天井部の上には直角三角形のものが等間隔で突き出ていますが、和風建築の屋根を示すものでしょうか。
●大阪行きバス
ののりばが、商店街を歩いて程ない地点にあります。
これによると小浜駅前から伊丹空港までは¥3,000、なんばまでは¥3,300となっています。去年の5月の改定という事ですが、今もまだこの値段でしょうか。まぁこの程度の値段で大阪まで行ける、という事ではあります。
●杉田玄白像
江戸時代の蘭学者として「解体新書」などであまりに有名な杉田玄白は、江戸で生まれたのですが、小浜藩邸での出生であり、幼少期をここ小浜で過ごしたといいます。
この像がつくられたのは、玄白の生誕250年を記念してというもので、1983年につくられています。郷土の偉人として偉大な存在である訳ですが、正直ここに来るまで、この地の人だと知りませんでした。
●蒸気機関車
の静態保存がありました。
杉田玄白像のある所の向かいにある公園敷地内です。
C58型蒸気機関車という事で、その171号機として昭和14年につくられ、昭和46年まで小浜線で活躍していたといいます。その間、昭和43年には福井国体が開催された折に、天皇皇后両陛下のお召し列車を務め、また小浜線最後の蒸気機関車でもあるといいます。
小浜線の無煙化という策により引退する事となりましたが、国鉄当局の厚意により小浜市へ貸与される形で、このように展示され、生きた教材としての役割を果たしています。
昭和14~46年の活躍という事ですが、これが永いのか短いのか、短いなという印象はもってしまいますね。サラリーマン人生よりも短い事を考えると…
●向嶋山 長源寺
という日蓮宗のお寺です。ここから長源寺の写真です。
蒸気機関車の静態保存している公園のすぐ傍にあります。
開山は安住院・日源とされ、日源は元々は天台宗の僧でありながら、日蓮に弟子入りして日蓮宗に改宗したといわれています。
両サイドには網越しに仁王像が構えています。
●山門裏
この山門は1687年建立といわれている市指定の文化財ですが、立派な木造建築物である事が山門を入った所から見ると改めて感じられました。
階段が下りているところもインパクトありました。こんなのがひとつあるだけで随分印象が違うな、と感じます。
●本堂
堂々とした本堂が構えていました。
ちなみにこのお寺、若狭国主代々の祈祷所であったという由緒ある所です。
●鐘楼
石垣が積み上げられた上に建っている鐘楼です。横には階段が数段つけられています。
鐘楼の下の部分というのもお寺によってまちまちで、そのお寺の特徴的な部分のひとつでもありますね。木造で崇広がりになっているのもあれば、台座的なものが殆どないものもあれば、…という感じで。
●鬼子母神堂
とありました。
普通に賽銭箱の置いてある拝殿でしたが、屋根裾のカーブ具合が絶妙で惹かれました。
山門同様やはり木造の渋い建築物でもあります。
小浜市の旅、第一弾はこんなところです。
この後は、街なかや海岸部なども回ってきました。長くなりすぎるので、この後はまた後の機会に譲るとしまして、ちりとてちんの名所めぐりや蒸気機関車を見に、また杉田玄白ゆかりの地としても楽しむ事の出来る街、という事で小浜へ寄る事があれば、この辺り着目頂いても良いかと思いました。