rhymester blog|starplayers (original) (raw)

2023年11月11日(土)と12日(日)のおはなし。

あえて去年のポストと同じ趣向で始める。

色んな意味でBlue Note公演これからも

毎年恒例にしていきたいからね!

さて、いつも以上に余所行きな装いの我ら

この写真だけでも十分にカッコいいのだが

これをHIP HOP戦場カメラマン、

Cherry Chill Will.(ジュンくん)が撮ると

今回もこんなんなるのであった

か、かっこええ…(同じライティングで撮ってます!)

相当下駄履かせてもらってるのがお分かりかと思う。

ジュンくんいつもかっこいい写真をありがとう

そんではだいぶ時間経っちゃいましたがざっくりと

あの楽しかった2023年のBlue Note TOKYO公演を

振り返ってみたいと思う。

セットリストはこんな感じでございました。

M1. 午前零時 (intro)

M2. Once Again

M3. Future Is Born

– MC –

M4. ライムスターイズインザハウス (Roy Ayers ver.)

M5. ちょうどいい

– MC –

M6. We Love Hip Hop (“Saturdays” ver.)

M7. Pop Life

– MC –

M8. The Choice Is Yours(1公演目)

or

待ってろ今から本気出す(2公演目)

M9. ゆめのしま

– MC –

M10. サイレント・ナイト

(Encore)

M11. B-Boyイズム (“Super Strut” ver.)

わりと去年のセトリに近いっつーか

それに『MTV Unplugged』感を加味した感じっすよね

アルバム『Open The Window』ツアー中なんで

選曲被らないよう

敢えてそこら辺外して作ったセトリでしたが

皆様楽しんでいただけたでしょうか

リハは10月に2回、公演前日の計3回だけだったけど

それでも持て余しちゃうくらい

メンバーみんなきっちり体に染み込ませてきてたし

以前までの貯金も貯まってるしで

ほんとスムーズであった。優秀。

2回目のリハがちょうど12時スタートだったので

『笑っていいとも!』のテーマソング

「ウキウキWATCHING」をやったりしたなあ

みんなその場でテキトーに出来ちゃうんだから

すごいことだよね(笑)

今回のオリジナルカクテル『Future Is Born』は

テキーラベースの本気で危険なヤツでございました(笑)

2日目にスタッフの方から告げられたのですが

今までのBlue Note TOKYO、35年の全公演の中で

最も売上が大きかったのがこの公演だったらしいのだ(!)

わはははは……

誰が記録作れって言った!

なんか嬉しいような恥ずかしいような…

いやー、僕らのお客様方の飲みっぷり上がりっぷり

やっぱハンパないっす

お客様方の熱量やレスポンスも

「こんなの見たことないです」って

スタッフさんおっしゃられていた。

えー、さて

本公演は1日2公演の2 Days

合計4公演あるため全てのレポートはしてられないので

(一応全部同録聴いたけどね!)

いつものツアーブログとは趣向を変えて

セットリストに込めた意味と

バンドアレンジの狙いなんかについて

語っていってみようかなと思う

なもんで写真と曲は必ずしもリンクしないし

ちょっとどの公演の写真かも判別できないので

順番など前後しているかもなのですが

ご了承くだされ。

M1. 『午前零時』

これは言わばLIVE全体のイントロダクションっすね。

僕らの入場曲でもあります。

2022年公演では一曲目が『After 6』であったため

そのコード進行の一部を使ってイントロを作りましたが

今回は『Once Again』のため、『MTV Unplugged』を踏襲

アルバム『マニフェスト』のオープニングを

まんま生で置き換えたアレンジです。

今回は生のストリングス隊はいないため

バンマス、カズタケのシンセストリングスで。

「…来る?…来そう!…来たぁぁぁ!!!」

みたいな感じで『Once Again』のコード進行を使った

匂わせイントロを。

今となってはもう14年も前の話になっちゃうけど

『マニフェスト』を作るときに

その時既にリードシングルとしてバズりまくっていた

アルバムオープニング曲であるその曲が

さらにカッコよく聴こえるよう

プロデューサーであるBachlogic氏に

アルバムイントロをお願いしたのが元になっています。

写真は洋邦を問わず全てのアーティストが

入場の時に最初に見る会場全体の景色。

M2. 『Once Again』

この曲は実はバンドアレンジが結構難しい曲

なぜ難しいかというと、オリジナルヴァージョン、

ドラムがシンプルで深いリバーブがポイント

生のドラマーにそのパターンのまま叩いてもらっても

独特のうねりが再現出来ないからなのであった。

今まで様々なパターンでリアレンジしてきたのだが

カズタケバンドとのそれ

よーするに店主オススメの味変は

MTV Unpluggedの時に

オレが閃いて提案したのだが

ヴァース部分のドラムパターンに

『ボレロ』的なスネアロールを採用することであった

これでなんつーかちょっと厳か(おごそか)な

これから何かが始まりそうなイキフンが出せて

晴れて採用となったと思われる。

我ながらナイスアイデアだったと思う。

M3. 『Future Is Born』

これもファーストアレンジはUnpluggedの時。

オリジナルはmabanua(山ちゃん)による

80’s Synth Boogie

シンベをエレベどころかウッドで

再現しなければならなかった

アキラくん(Ba. 柳原旭)は相当大変だったろうなあと

今更ながら思う次第。

途中D’s verse、カズタケによる(柴田)恭兵が出てきて

「♪ Future is born!」

そこで毎回笑ってしまうのだが

2日目の1公演目だったかな?

宇多さんが声を被せて

恭兵渾身の見せ場を奪ってしまったのが

またオツといえばオツであった(笑)

がんばれカズタケ!

M4. 『ライムスターイズインザハウス』

これは前回のBlue Note公演の時に作ったルーティーンで

ターンテーブル、アナログレコード2枚使いから

生バンドの演奏に移行するという演出

モチーフになってるのはBlue Noteの常連であり重鎮

ジャズ・ファンクの巨匠にして

孤高のヴィブラフォン(≒鉄琴)プレイヤー

Roy Ayers様の

『Love Will Bring Us Back Together』

なんですけども

ターンテーブルのみで演奏している前半

手持ち無沙汰の我がバンドメンバーに

「当て振り」の演出を提案したら

これがヒドイ(笑)

もう楽器に触ってすらいないからね

コミックバンドかよ!

Blue Note出禁覚悟の演出だったのですが

後半バンド演奏に切り替わる瞬間のカタルシス!

これがめちゃくちゃカッコよくて

今のところ出禁を免れています。

オレも公演中一二を争う好きな瞬間。

まだの方は次回是非体感しに来てください

ウケますw。

M5. 『ちょうどいい』

僕らの「チル曲」の定番

いつ歌っても自分も気持ちいい

『ちょうどいい』なんですけども

そして

バンド映え、Blue Note映えするのは間違いない

DJ Mitsu the Beatsによる

Jazzy & Mellowなクラシックなのですが

今回のアレンジで一番気に入ってるのは

Gr. 藤山周くんによる解釈

オクターブ奏法によるオブリかなあ?

何言ってるか全然わかんないですよね(笑)

オブリってサビのフレーズに

カウンター的に入って来たりする

サブフレーズなんですけど

何の指示もしなくても

こんなん仕上がって来たりするのよね

センスの良いプレイヤーがバンドにいると

ホント助かります(涙)

あ、でもスコア書いたのは「恭兵」かもしれん。

M6. 『We Love Hip Hop (“Staturdays” ver.)』

これに関しては前回のブログに詳しく書いたかな

この曲をやるためにBlue Note公演を

やっていると言っても過言ではないほど

僕らのバンドのグルーヴを体現している名アレンジかなと

手前味噌ながら感じる次第。

『We Love..』はトラックを選ばないリリックのため

今までブレイクビーツ

“Big Beat”二枚使いでゴリゴリ演ったり

RUN DMCの“Walk This Way”の上で歌ったりして

逆にオリジナルヴァージョンでは

ほとんど演ってないという

ちょっと変わった曲なのであった。

ということは

今年もしまたBlue Note公演があるとしたら

全然違うアレンジになっていることも

考えられなくもない。

かなり複雑な構成にも関わらず

ウチの傭兵たち優秀だから全然間違えない

間違ったらJBとかプリンスみたいに

罰金制採用しようかと思ってたのに

チッ、つまんねー…(笑)

ここらあたりで

会場のテンションも最高潮と言ったとこでしょうか。

Ba.アキラくんの面目躍如、独壇場!

次回は是非

ベースに注目(注耳?)して聴いてみてください。

Grooveしてまっせー!

ここらでも一度

バンドメンバー紹介します

左より

Ba. 柳原旭(アキラくん)

Perc. 高橋結子(ケッちゃん)

Dr. 脇山広介(コーちゃん)

Key. タケウチカズタケ(恭兵)

G. 藤山周(シュウくん)

この写真には写ってないけど

バイザー 永野雄一郎 (ナッポ)

我が愛するバンドメンバーたちなのであった。

2021年の『MTV Unplugged』

収録の時からそうなのだが

僕ら忙しすぎちゃって一度もみんなで

打ち上げ、乾杯出来てなかったので

岸シャチョーとBlue Note TOKYO様の

粋な計らいにより

な、な、なんと!

初日の公演後お客様方にお帰りいただいた

まさにその客席で

3年越しの打ち上げが出来たのであった。

しかも!

おつまみ、ピンチョスも圧倒的な

Blue Noteクオリティー!!!!

これは幸せの極みであったのだが

話題は主に

「カズタケバンドの名前をどうするか」

であった。もう二公演終わっていると言うのにw。

色々アイデア出て紛糾したが結局決まらず

オレ的にはもう

『カズタケバンド』でいいと思うんだけどね

ダサいけど(笑)

脱線ついでに

楽屋ごはんなんかも紹介しちゃおうかなあ

初日の賄いは

こんなんでした

ハイグレード過ぎて

写真を見てもなんであったか思い出せませんw

二日目は

こんなんでした

オレはライブ前ごはん食べないんで

終演後に頂きましたが当たり前ですけど

どれも大変美味しゅうございました涙。

板(ステージ)の上に乗る人間だけに許された特権。

これを楽しみにしているアーティスト、プレイヤーも

多いと思われます。

以上楽屋より

そんで

M7. 『Pop Life』

みんな大好きPop Lifeです。

この曲の密かなキモは

ワタさん(DJ Watarai)の作った

イントロから本編に入る瞬間のテンポチェンジ

若干BPMが上がるの。15くらい。

それによってちょっとした

高揚感が生まれてるんだと思う

転調みたいな感じ

カズタケそこに命かけてたなあ

最初にサポートオファーしたおそらく

『New Acoustic Camp 2018』の頃から。

Band ver.ではヴァースは抑えめ、サビは分厚く

メリハリをつけたアレンジを目指しています。

M8.(一部)『The Choice Is Yours』

この曲の元ネタはMark Capanniさんの

“I Believe In Miracles”なのであるが

Jackson Sistersのカヴァーの方が有名だったりして

少々ややこしい。

なのでそのややこしさを逆手にとって

両方のフレーズを盛り込んだ

全部乗っけ状態でお送りしてるのが

カズタケバンドversion。

Soil & “Pimp” Sessionと演る時は思いっきしSwingしたり

スキマスイッチのLIVEで演ったレアなversionでは

(大橋)卓弥パイセンに

英詞でオリジナル歌ってもらったりもしました。

とにかく生アレンジ映えする曲ではあります。

しっかし僕らのBlue Note公演はホントに

元ネタの匂わせとか文脈とかオマージュとか

そんなんてんこ盛り

いかにもソウルミュージック研究会出身ぽくて

ちょっと恥ずかしい(笑)

ま、いっか。

お客様方もその辺知ってから聴いてもらえると

さらに楽しめることと思います。

M8.(二部)『待ってろ今から本気出す』

この曲はやっぱケッちゃんよね。

オリジナルのブレイクビーツ、オレの大好きな

The Bar-Kaysの“Holy Ghost”の上で

ラップしたいがためだけに作られたこの曲

特徴的なのはティンバレスというパーカッション

サルサなんかでよく使われる甲高い音色が特徴的な

太鼓なのですが

それがシンコペーションして暴れまくってて

とにかくカッコいいのだ。

ということでパーカッション担当のケッちゃんの

一番の見せ場、当然ソロも長く取ってもらいました。

全演目中一番粘り気の強いディープファンク

オリジナルでは左右二本のティンバレスが鳴っていて

それのシンコペ具合、ズレやうねりがまた

痺れるほどかっこいいので

いつかツインティンバレスで再現してみたい。

M9. 『ゆめのしま』

これも『MTV Unplugged』の遺産っすね

ポイントはとにかく「ギリギリ」であること(笑)

ラストのゆったりした大団円を迎える

あの瞬間のために

ラップも演奏も

成り立つギリギリの超高速で

駆け抜けなければならないのであった。

Dリリックで

「時代はBPM143で進むぜ このOne Way」

と言ってますけども

LIVE ver.は実際には150超えてると思うのだが

ウチのドラマーはクールで抑制効いてるので

勢いに任せてリズムがよれたり

フィル(・イン=オカズ)で走ったりしないのであった

脇山広介、侮れぬ男よ。

『MTV Unplugged』『Blue Note TOKYO』含め

僕らのバンドセットの一番カッコいいところは

誰もクリックを聴いていないところ

一切の同期音源が並走していないところ

無化調、無解凍、要するに

「完全生」である点です。

いつものインスト音源に生演奏を添わした所謂

「半生」ではないのであった。

「半生」には実は無限の可能性があるんだけども

内外様々なHip Hopアクト見てると

成功者のステイタスとして、バンド背負いたい

見た目重視で音楽性なんて二の次、みたいな

バンドセットが多くてちょっと残念

もっと面白いこといっぱいできるのに!

もっと音を楽しんだ方がいいのになあ

なんて思うことしばしば。

ストリングス隊がとってもバエる楽曲なので

いつか『Unplugged』編成で生で皆様にお届けしたい。

M.10 『サイレント・ナイト』

本編ラストナンバー。

カズタケバンドアレンジにて完成したとも言える

P様(PUNPEE)によるメロウチューン。

バンドアレンジでは原曲より実は若干テンポを落として

より「沁みる」アレンジが施されています。

今ではこっちじゃないとしっくり来ないほど。

サンプリング由来の

非常にメンドくさいフレーズを弾き続けている

G. シュウくんにも感服なのだが

原曲の隠れたキモであるカスタネットなど

大事なスパイスを丁寧に再現してくれる

Perc.ケッちゃんにまた感服です。

この曲のアウトロで僕らはアンコールに向けて

一度退場するのだけども

その際のズルい「込み上げ」展開

涙腺を刺激するコード解釈

(おそらく一瞬だけマイナー入れ込んでる?)

あれ来るわー。カズタケ見事。

もはやこれでないとBlue Note終われない気すらします。

Encore 『B-Boyイズム(Super Strut ver.)』

B-Boyイズムのバンドアレンジは

大抵James Brownのそれに寄せることが多くて

実際Blue Noteでも一年目はそれだったのですが

今回は新規軸を打ち出すべく

考えて思いついて提案して

そしたらみんな「いーんじゃない?」なんて

乗ってきてくれたのがこのヴァージョンなのでした。

元ネタのエウミール・デオダート氏はブラジルの音楽家で

その独特のサウダージなコード感で世界的に有名

Hip Hopのサンプリングソースとしても

めっちゃめちゃ愛されRespectされている

リヴィング・レジェンドなのであった。

DJ JINもクラブで掛けまくってる“Super Strut”

これでB-Boyイズム演ったら

初見でもめっちゃ盛り上がっちゃうんじゃないか

なんつって採用したら

やっぱしタイヘンなことになってしまったのであった

若き日のオレは明るいような切ないような

この手の楽曲のコードの色合い

7th, 9th, 13th,

要するにテンションと呼ばれるそれに

熱烈な憧れがあったものでした

これもオリジナルより10以上テンポ上がってるはず

溜めて溜めて我慢して

「約束の土地へ!」でやっと、たった一回

Bメロに行くところがカタルシス。

ケッちゃんと一緒にパーカッションを叩くような気分で

全音節が弾丸になるようなイメージでサビを歌っています

歌っててグルーヴと一体化する感じが並じゃないです。

B-Boyイズムのオケを変えちゃうのは

ホントは禁じ手なのかもなんだけど

初見の人も納得のグルーヴ感だったことと思います。

そんな感じで大団円。

ご来場の選ばれしお客様方

誠にありがとうございました。。。

チコ(カリート)と(イーライ)ワン

なんと決してお安くないチケット自費で買って

観にきてくれました!

なんて出来た後輩達なんだ…(涙)

飲めないお酒飲んだかワン顔真っ赤w

ユカリンも観にきてくれましただー。

ちなみにユカリンのフリースタイルバトル

指南してるのがワンなのであった

ホント頭下がる。

他にもいっぱい関係者見にきてくれてたのだが

一番笑ったのが

退場の時にウェイウェイ騒いでる酔客(女性)が

しきりとこちらにアピールしていたので

あんまし見ないようにして足早に通り過ぎて行ったら

日比ちゃんと宇垣総裁であったことが

終演後の楽屋挨拶で判明した。

「なんで私たちに気づいてくれないのー!?」

うーん、酔ってる…うるさい…

やっぱしスルーしておいて正解であった。

いやー、しかしやっぱBlue Note公演、

バンド背負ってのLIVEは楽しい!!!

きっとお客様方もそうだったのではと思われる。

おそらく今年もやるんじゃないかなあと

思ってるんだけど、どうだろ?

今回即完だったんで、次回は3 Days

合計6公演なんて出来たら

一部二部でさらにセトリ変えたりなんかしちゃって

張り切っちゃうんだけどなあ!

いずれにせよ

まためっちゃ素晴らしい音楽体験

皆様にお届けします。

関西、九州でもやりたいなあ。。。

熱いラブコール、事務所の方まで

お待ちしております。

(D)