【 #表現規制 の歴史】国立メディア芸術総合センター構想頓挫と、漫画やアニメ規制法は無関係なのが事実、という話。 (original) (raw)

まとめ 駄菓子菓子@看取るスレ(二代目)さんの政治・官僚の方面から見たコンテンツ業界関連のお話 表現規制問題、国立メディアセンター構想などについてコンテンツ業界サイドと違う立場の方からの意見はあまり聞けないので、貴重だと考えてまとめさせていただきました。 ※関連まとめ:駄菓子菓子@看取るスレ(二代目)さんから見たコンテンツ業界関連のお話:補足 http://togetter.com/li/508451 40484 pv 1054 28 users 36

高村武義 #WalkAway @tk_takamura

国立メディアセンター構想の頓挫が、漫画やアニメへの児童ポルノ規制や、青少年健全育成基本法に繋がるというのは、完全に大嘘。業界が掌返したから、というのも違う。国立メディアセンター構想以前に、自民党が児童ポルノ禁止法や青少年健全育成基本法などでメディア規制を推進してきた背景がある。

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当時の院内集会の模様は、鎌やん著『アニマルファーム』(2000年 コアマガジン刊)に掲載されている。要は漫画やアニメを児童ポルノとして規制するのはおかしい!という事を主張する院内集会だった。ネットがほとんどない状況下で、漫画ファンなどが国会で集会を開いたのは当時画期的だった。

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これは当時、個人情報保護法、人権擁護法案と並んで”メディア規制3法”と呼ばれ、世論から大きな批判を受けた。これらの内、個人情報保護法が2003年に成立。しかし残る2法もその後も自民党を中心に国会で成立させようという動きが続く。なお人権擁護法案は2002年に小泉内閣から提出された。

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2005年末に起きた北関東幼女連続殺害事件では、自民党は”「犯罪から子どもを守る」ための緊急提言”の中で「女子児童を対象とした犯罪増加の背景に は、児童ポルノや暴力的なコミック、過激なゲームソフト等の蔓延の問題が指摘される」と”青少年健全育成推進基本法”よる法規制を訴えている。

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そして2008年、国立メディアセンター構想を出した麻生政権の前、つまり福田政権の時、2008年3月に自民党と公明党は、日本ユニセフの「なくそう! 子どもポルノキャンペーン」に賛同し、漫画やアニメを児童ポルノとして規制するよう法案に盛り込んだ。

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日本の児童ポルノ禁止法の規制範囲は、欧米と違って異常に広く、欧米では合法とされているヌードや芸術作品まで規制されている。1999年の制定時 には、漫画も規制範囲と勘違いした紀伊国屋書店が、バガボンドやベルセルク、あずみなどの文化庁メディア芸術祭受賞作まで撤去する事件を起こした。

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先述したバガボンドやベルセルク、あずみなどは、現在は規制対象になっていないから、公然と売買され、読まれているわけだが、無論、今後漫画やアニメが規制対象になれば、これらは規制対象になる。こういう流れの中で、2009年の麻生政権下で、国立メディア芸術総合センター構想が浮上してきた。

高村武義 #WalkAway @tk_takamura

もちろんこの時も、自民・公明両党による児童ポルノ禁止法による、創作物規制は撤回されていない。いわばこの時の政権与党のコンテンツ業界への姿勢は、右手で握手しようとする一方、左手にナイフを持ち、しかも殺意満々という有様だった。

高村武義 #WalkAway @tk_takamura

こういう状況では、いかにコンテンツ業界といえど、この申し出を素直に聞くわけが無い。仮に霞ヶ関や自民党がメディアセン ターを作ったとしても、そこに入れるのは時の政権や役人が認める、”健全な漫画やアニメ”だけだろう。この話が蹴られるのは、ある意味当然の流れだった。

高村武義 #WalkAway @tk_takamura

長年、自民党はメディア規制に血道を上げてきた。それに対しコンテンツ業界は長年の不信を抱いてきた。そういう歴史の中で、メディアセンターを作るから、手を組もうといわれても、コンテンツ業界は首を振らないだろう。最低限、漫画規制を盛り込んだ児ポ法を取り下げてからでないと始まらない。