Amazon.co.jp: るろうに剣心 : 明治剣客浪漫譚 星霜編 ― オリジナル・サウンドトラック: ミュージック (original) (raw)

作品やそのテーマの好き嫌いと、その音楽の好き嫌いとは必ずしも一致しない。アニメのみならず、映画も演劇もそうだ。

以下は、私が調べた範囲での各楽曲の主な使用シーンである。間違いもあるに違いないので、ご指摘頂ければ幸いである。

―――――
楽曲データ
【上巻】
1曲目『埠頭にて』/17曲目『命の絆』(17曲目はイントロなし)
:薫が剣心を港で待つシーン&薫の日清戦争回顧録(op〜)
2曲目『幕末志士』
:山県有朋が剣心をスカウトしたシーン(5min)・薫がそれを見たのを回想するシーン、剣心と薫が夜に縁側で会話するシーン「いってらっしゃい」、倒れる薫を弥彦が見つけるシーン
16曲目『あなた、そして私』
:薫がやっかいになり始めた剣心に父について語るシーン(9min)、働く剣心の姿を見る薫に話しかける弥彦、弥彦に薫が剣心について語る「そういういことは本人に言えよ、直接」(24min)
4曲目『夕焼け』
:to剣心「剣に生き剣にくたばる、それ以外に生きる道はない」、薫「父さん、私にできるかな、あの剣の重さを、あの人の苦しみを一緒に背負うこと」(13min)
5曲目『藍色』
:刃衛の所に行こうとする薫を止める左之助と左之助を振り払い剣心の後を追う薫、刃衛に捕まる薫(14min〜)
14曲目/6曲目『血の悪夢再び』
:刃衛「お前(薫)は知らないのさ、幕末のころの奴の凄さを」陣営VS剣心 格闘シーン(14曲目のみ)(16min〜)
7曲目『迷い路』
:剣心「花が散るのは何か好きになれない」薫「無理に笑わなくていいから、私の前では」〜藤田五郎(斎藤一)登場〜大久保卿暗殺〜剣心と薫の別れ(志々雄編)(20min〜)
8曲目『あなたの帰る路』
:比古清十郎「東京に戻ったら、あの馬鹿弟子に美味い茶でも入れてやってくれ」、剣心VS瀬田→志々雄、薫「父さんを連れて帰ってくることはできなかったけど、剣心、お帰りなさい」(@志々雄戦からの帰還)(27min〜)
9曲目『生きる罪』
:剣心「薫殿に話さなければならないことがある。この十時傷に込められた十字傷の話、それに連なる人誅の意味を」〜薫が縁にさらわれる(32min)

【下巻】
10曲目『決闘、愛の名の下に』
:縁「俺は誰の力も借りない!俺自身の手で奴に人誅を加える為に!」(4min)
2曲目「幕末の志士」
:薫「あなたの言った生き地獄、それは剣心を失うこと」縁「奴に幸せになる資格などない!愛を受ける資格などないんだ!」(6min)
14曲目『血の悪夢再び』
:縁「俺は奴を許しはしない!この手による人誅の裁きこそがその答えだ!」〜剣心VS縁(9min)
11曲目:『あなたのそばに』
:薫が剣心から病を受け取るシーン(21min)
3曲目『償い』
:恵が薫の病について燕に語るシーン、左之助が衰弱した剣心のために虎を獲るシーン(29min〜)
15曲目『日の出、その中心』
:大陸に渡った左之助が記憶喪失の剣心を発見・介護するシーン、恵「剣さんがあなた(薫)を選んだわけよくわかったわ」、剣路VS弥彦(24min〜)
12曲目『遥か彼方に』
:上海まで剣心を送る左之助(27min〜)
13曲目『月食』(29min〜)
:星霜編ラストシーン
16曲目『あなた、そして私』
:星霜編エンディングロール
18曲目『慈悲深き主イエスよ』
:未使用?ラストシーンのイメージ曲とすれば、ラストで剣心は息を引き取ったということになる。
(以上、楽曲の邦訳は評者)

【未収録曲】
エンディング・テーマ『愛しさの糧』
ピアノソロ(薫と剣心のキスシーン、「巴さんがうらやましい。…」@縁邸)
―――――
私は、台詞を諳んじるほどの

追憶編 の超マニアだが、 星霜編 は好きではない。同人作品という評価は、妥当だと思う。しかし、サントラCDとしての仕上がりは、単にBGMを並べただけの 追憶編のサントラ と比べ、サントラ自体がさも、ロマン派の交響詩(symphonic poem)のように、独立したストーリーとして成立している。即ち、本曲は 追憶編の音楽 を感じさせる、陰鬱な2曲目の主題と悲哀感ある3曲目の主題が、サントラ全体を通して用いられている、非常に完成度の高いCDとなっている。従って、サントラはドラマ編(映像の音声から、アフレコのみを抜いたもの)とは異なり、必ずしも楽曲の使用順番通りに収録されているわけではなく、実際の収録では、複数の楽曲を組み合わせて使っているシーンも見受けられる(例えば、6曲目は、本来バトルシーンの含まれる14曲目だが、バトルシーンがカットされている)。逆に、OVAの絵コンテに基づいて作曲はしたが、実際には使用されなかった楽曲(18曲目がそれか?)もサントラには含まれ、サントラ全体としての完成度・統一感・ストーリー感が演出されている。これはひとえに、星霜編のストーリーが、薫という、少年マンガの域をはるかに超えた太い軸を持っていることに因ることだろう。また、追憶編の楽曲も使用されているが、本編に完全に溶け込んでいるのも、本作の質の高さを示している。