Amazon.co.jp: CANDY & CIGARETTES(5) (ヤングマガジンコミックス) : 井上 智徳: 本 (original) (raw)

引き続き、自由の国アメリカです。
どんなにしっかりとした組織でも、やはり、その綻びは末端の気の緩みから。
それが、良からぬ組織であれば、下っ端の程度も知れていて然り。
結果的に、お断りしたい御一行による、刺激的な工場見学の幕開けとなります。

肝心な時に頼りにならないけど役に立つCIA。
そのCIAが追うエル・ガンビーノが描かれます。
その姿は、なるほど、悪の元締めらしさがありますが、くだらないこだわりが
早死を招くのは、どんな世界も変わりません。
躊躇なく人を殺す小学生に追い詰められた体験を踏まえずに行動した結果が、
禍々しいドクロがドアップの見開きページで描かれます。
表情のないドクロが眺めた景色は、その空虚な両眼の空孔の如しですが、あえて
見開きを使ったところにセンスを感じました。
そして、こだわりから生じた躊躇がチャンスを逃すのは、美晴も同じ。
それは後ほどの空港で描かれています。

機構の秘密がどれだけバレたのか気になりますが、肝心な時に頼れる絹目っちは、
あくまでも事務的です。
このあたり、SS機構なる存在は、後にマグリットが語った無双三郎との出会いに
重なります。
正義とはなにか、を問うのは、この手のストーリーでは王道ですが、マグリットが
理解した正義とSS機構なる存在がやんわりとオーバーラップします。
そして、『大きなる絆』との違いは何か、今後に期待が高まります。

とは言え、そういうものを薄々感じたとしても、納得しないのが『現場』の人々。
出した答えは、やはり美晴は美晴でしたし、マグリットもマグリットでした。
そして、宿題の答えを求めていざ!っというところで『TO BE CONTINUED』。
次巻が待ち遠しくなります。

小学生の女の子とおじいちゃん。
この対象的なコンビではありますが、精神的な強さや弱さ、肉体的な強さや弱さの
バランスが対照的なところが面白いです。
どちらが優れている、という訳ではなく、互いに互いが影響し合いながら前に進む、
一風変わった組み合わせも、面白さの元になっています。

あと、思い知るのは、コーラーのカロリーがバカに出来ない事でしょう。
痛快活劇です。