Colorful Pieces of Game (original) (raw)
2019-02-16 Sat [ イース通史 ]
このシリーズは様々な人から聞いて、どうやら(だいたい)はっきりしたパソコン版の『イース1』から、海外版PCエンジン版(TurboGrafx 16)の『イースⅠ・Ⅱ』までの通史として、出来るだけ当時の事情なども織り込みつつ、書いていこうというシリーズだ。
だから85年あたりから話は始まり、90年5月で終わることになる。
またそもそも30年も昔の話で、連絡が取れない人が多くて(鬼籍に入られた方もおられる)、ある意味、間接的な「様々な人から聞いて、どうやらこうらしい」という話の部分が多々あり、こうだろうと推測して埋めているところもあるので、知っておられる方は遠慮なく教えてくれるととても嬉しい。
それからコメント欄は承認制なので「表にするな」と書いてくれれば、表にしません。
というわけで…
前回、86年10月にPC88版の『ロマンシア』と『アステカ2』が発売されるまで話が進み、かなり『イース』の開発に近づいてきたわけなのだけど、ここで驚くべき事実が判明する。
■ファルコム関係者の証言
橋本さんがスクロールルーチンをそのまま使ったかどうかは分かりませんが、スクロールの仕組み自体は『ロマンシア』から来ていると思われます。
というのも橋本さんが新企画を立ち上げる際に木屋さんが、開発ツール一式とロマンシアのソースを提供されていました。
僕はこの話を聞いたとき、最初マジか? と思い、しばらく考えて、これはたぶん正しい歴史だと判断した。
つまり『イース』は『ロマンシア』のスクロールをベースに作られたコアコードの可能性が高い、僕は判断したということだ。
ただし『イース』は、いくつかの点で明らかに『ロマンシア』から拡張されたスクロールになっているので『ロマンシア』のソースを橋本さんが読んで「なるほどこうやるのか」と理解し、そのうえで書き直され、改良されたスクロールなのだと思っている。
また、これは僕の想像だが、たぶんほぼフルスクラッチ(最初からの意味)で書き直していると僕は思っている。なぜなら、当時はそれぐらいやっても辛くない程度のサイズだからだ。
以下でそのロジックを説明していきたい。
2019-02-02 Sat [ イース通史 ]
このシリーズは様々な人から聞いて、どうやら(だいたい)はっきりしたパソコン版の『イース1』から、海外版PCエンジン版(TurboGrafx 16)の『イースⅠ・Ⅱ』までの通史として、出来るだけ当時の事情なども織り込みつつ、書いていこうというシリーズだ。
だから85年あたりから話は始まり、90年5月で終わることになる。
またそもそも30年も昔の話で、連絡が取れない人が多くて(鬼籍に入られた方もおられる)、ある意味、間接的な「様々な人から聞いて、どうやらこうらしい」という話の部分が多々あり、こうだろうと推測して埋めているところもあるので、知っておられる方は遠慮なく教えてくれるととても嬉しい。
それからコメント欄は承認制なので「表にするな」と書いてくれれば、表にしません。
ところで、とてもバカらしいのだけど書いておくけれど、これは「イース通史」で、パソコンの通史ではない。そしてイースは最初に88MkⅡSR用に開発されているのだから、主要な話は88に決まっている。基本的に他の機種の歴史のウェイトは低いし、スルーしているところもたくさんある。もう一度書いておくが、これはイース通史で、パソコン通史でも、MZ通史でも、FM通史でも、MSX通史でもない。
というわけで、86年初頭に(85年末には話題になっていたらしいが)『リグラス』がリリースされて「88でカラーでスクロールするゲームが制作可能だ」という認識が出来た86年に話は進む。
ここで話はいよいよファルコムに移る。
ところで『リグラス』にしても『イース』にしても、当時は滑らかにスクロールすると表現されたけれど、今の目から見ればガタガタスクロールだし、解像度だって640x200で、今の感覚からしたらありえないほどの低解像度だった。
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2019-01-23 Wed [ レビュー::ゲーム ]
制作の人たちに向けたラブレター、みたいなものだと思って読んで欲しい。
正月、"JUDGE EYES:死神の遺言"、いわゆる『キムタクが如く』というやつを遊んでいた。
好みの問題はあるというのは前提にして、龍が如くシリーズの中では会心の出来というのが、僕の評価だ(同じ開発チームで、ゲームの構造が同じなのでシリーズ扱いさせていただいている)。
なぜそう思ったのか?
もちろん単純にゲームとして面白い。
まずなによりメインストーリーがとても面白い。
最初のうちは提示される情報が非常に断片的で、わりと漫然とプレイしていたのだけど、6章あたりから提示された断片が繋がりだして事件の骨格が見えてきてからは興味がどんどんひかれて、9章からあとはやりこみ要素の事なんか忘れて、一気にメインストーリーを追ってしまう面白さだった(実際10-13章は一気にやってしまった)。
最後の方で「ちょ、これホラーゲーム」となるところとか、あと「ちょ、こんなに早くは…無理あるっしょ」ってところはあるけれど(ネタバレはしたくないので曖昧にしか書かない)、それはまあ映像で見せないとダメなので仕方ないと思うし、シナリオの仕掛けや伏線が見事に回収されていくサマはたまらなく気持ちよく、クライマックスでの悪役が笑う所とか、オチまで含めてほぼ文句なく楽しませてもらったのは間違いない。
ぶっちゃけ、個人的には2が出たら必ず買うレベルの面白さだった。
ゲーム全般をみると、どうしても『龍が如く』のシリーズの一つなので、外しにくい様々な要素が逆に足かせになっているところがあるとか、UIがシリーズの伝統を引っ張っていて、今の最新の流行からすると少々古臭い所があるとか、ミニマップがビルの中に入るとやったらわかりにくくなるとか、あとキムタクさん主演なもので、水商売系とカラオケ系がほぼなくなってしまったのは残念だとか、いろいろ細かい問題点はある。
でもドローンレースとかVRスゴロクとか、新しい遊びも面白いし、神室町は遊ぶことが山盛り満載でたくさんあって、やっぱりとても楽しいと思う(カムロオブザデッドも楽しい)。
プレイしていてバトルが少々ウザい瞬間はあるし(特に後半の固い敵はかなり面倒くさい)、ウリの致命傷システムはゲームデザイナーが期待したように効果的に働いていたとは思わないのだけど、それでも、うまくなってくるとやたらめったらカッコイイ技を繰り出す八神ことキムタクを操作していて気持いいのは間違いないし、そのバトルからムービー繋がって、さらにやたらとかっこいいバトルを見せてくれるのは、快感以外の何物でもなかった。
たまに(毎回ではないのが困ったものなのだ)ボスでQTEが入ってくるのは、なんとも微妙で入れなくてもよかったんじゃないのかなあ…と思ったのだけど、ここらへんはシリーズの伝統ってことでオチャメに見ておいてあげたい。
致命傷は、相手がオーラをまとった状態で、かつ腕なりなんなりが光っている状態で攻撃してくると、自分の最大HPそのものが下げられ、かつ特別なアイテムでなければ最大値を復活できないシステム。
パッと聞くと結構いい案のような気がするけれど、致命傷の攻撃(MAと呼ばれる)が来る状態になると、相手の攻撃を喰らわないように走り回るとか三角飛びしまくってやりすごすか、それともそれようにためておいたゲージを使って大ダメージを与えて(道具を使ってダウンさせるのが一番安全)、動きを止めるかの選択になってしまって、むしろバトルの幅を狭めてしまう結果になっている。あと銃撃が致命傷とか結構理不尽な瞬間があるのも問題。次回作ではこれはもうちょっとマシなメカニクスを考えた方がいいと思う
要は『ジャッジアイズ』は細かい瑕疵はあれど、とても面白かったのだ。
だから「いやあ、楽しかったすよ」で終わりでもいいのだけど、実は感心した理由は、ゲームが面白いだけじゃない。
フルタイムでゲームを作っている人間の目から見ると『ジャッジアイズ』は、龍が如くシリーズの反省を踏まえてシリーズとして無理なく続けられる作品をブートしつつ、新しいファン層を入れる狙いをもちつつ、今までのファンにも配慮しなければならない非常に難しいゲームだ。
ところが『ジャッジアイズ』はその狙いをほぼ満たした作品で、作り手として感心してしまう点がとても多かったのだ。
2019-01-13 Sun [ イース通史 ]
このシリーズは様々な人から聞いて、どうやら(だいたい)はっきりしたパソコン版の『イース1』から、海外版PCエンジン版(TurboGrafx 16)の『イースⅠ・Ⅱ』までの通史として、出来るだけ当時の事情なども織り込みつつ、書いていこうというシリーズだ。
だから85年あたりから話は始まり、90年5月で終わることになる。
あと『イースⅣ』をハドソンが作ったとき、実は何があったのかを様々な所から知れたので書きたいのだけど、これについては25年経っても書いていいか、少々わかりかねる「エーッ!?」なところが多いので…まあオプションとしておきたい。
内容的に『イースを作ったころ』と重なるのもあって、一度『イースを作ったころ』は記事は削除しようか迷ったのだけど、比較することで、何がわかったのかがわかるようになるなと思ったので残すことにした。
あと、出来るだけいろんな資料で補足はしていて「大枠は間違っていない」のには自信があるが、30年以上も前の話で 細かな間違いは結構あると思うし、もちろん僕が知らず、まあこうだろうと推測して埋めているところもあるので、知っておられる方は遠慮なく教えてくれるととても嬉しい。
それからコメント欄は承認制なので「表にするな」と書いてくれれば、表にしません。
と、少し長い前書きを書いたところで、まず前回のエラッタ。
・漢字ROMの搭載は88MkⅡからだった。
FRだったかで第二水準まで搭載するようになったのと頭の中で混ざっていたのだと思う。
・GVRAMがサイクルスチール化
これでそもそもGVRAMのアクセスが速くなってますよ、忘れてませんか? という指摘がありました。忘れてました、ゴメンナサイw
というわけで、本編に入る前に1983-86年ごろのPCゲームでの常識と後にイースに関係する歴史を書いておきたい。
2019-01-11 Fri [ ゲーム作りライフ ]
さあにんさんこと、山本直人さんからfacebookで「BEEPに載せた私のwebの文章の感想を聞きたい」と言われてしまった。
まあ、さあにんさんに言われては書くしかないなというわけで、感想をば。
最初はfacebookだけの載せておこうかと思ったのだけど、いろいろ考えて、誰でも読めるこのブログに載せておくことにした。
オリジナルのBEEPのリレーコラムは以下のリンクでドウゾ。
https://www.beep-shop.com/column_entry/23767/
内容を簡単に説明すると、元ファミマガ編集長の山本直人さんが、どのようにして編集になり、ゲーム業界に関わってきたのか、そして編集者としての考え方はこうだ、みたいな話で、70-80年代当時の高知でのマイコン(パソコンとは書かない)事情、さらに自分もさんざん遊んでいた時代の新宿のゲームセンター事情、加えてゲーム雑誌勃興期などがうかがい知れて、とても楽しい。
新宿のビッグキャロットに業界連中(ナムコ・セガ・タイトー・カプコン・ハドソン・スクウェアなどなど)で集まって、飲み会行って朝の5時まで飲んでいたとか、そんな時代が30年前にあったなんてことを懐かしく思い出してしまった。イヤホントに。
面白いエッセイなので、ぜひオリジナルのテキストを読んでいただきたいのだけど、実は僕が一番面白いと思ったのは、下の一節だった。
まだまだ「マニア」さが抜けない私は、宮本さんにひとつの質問を投げます。
「スーパーマリオのハテナブロックには、なんで「?」が描いてあるんですか? (隠しキャラにしなかったんですか?)」
宮本さんの回答。
「だって「?」って描いてあれば、みんな叩くじゃないですか」
この言葉が私の「サードインパクト」であります。