ひむか昆虫記 (original) (raw)

2014年5月アーカイブ

林に降りて数メートル先には、クサイチゴの群落がある。

観察路を塞がない程度まで刈り込んでおり、なおかつ

群落の周囲をぐるりと歩けるようにして、横断路もつけている。

いろいろな角度から観察・撮影できるようにというわけだ。

ここではシマサシガメに会えるので(幼虫のときから)、

今日は狩りの様子を撮影しておこうと思って、しばらく粘ってみた。

すぐシマサシガメは見つかったが、こちらの姿に警戒して飛んでしまった。

いづれ戻ってくるだろうと、他の虫やクモの観察をしていた。

そんなとき、ふと目があったのが、サツマヒメカマキリの♀

ヒメカマキリIMG_2181.JPG近寄ると体を伏せるようにしてから、私を睨んでいた。 越冬幼虫を以前見つけたのも

この近くだったから、あのときの幼虫が無事に成長を遂げたのかもしれない、

などと勝ってに想像する。 擬死をするかどうか、試してみたが、、、、、、、、、、、、

ヒメカマキリIMG_2182.JPG まったくやらない。 越冬幼虫ではやってくれたが、やはり別の個体なのか?

すでにお腹は大きく、もう交尾は終えたのだろうか? そういえば、♂は滅多に見ない。

クモの行動ではたいへん興味深い観察ができた。こんな生態があったのか!?と

びっくりしたが、これはしっかりと観察を継続していきたいと思った。

(本作りのテーマが沸々と湧いてきた。こういうときの新鮮な気持ちが大事だ。)

いつの間にか、すぐ先のクサイチゴ葉上にシマサシガメがちょこんと止まっていた。

カメラを構えて、私は石にあるいは切り株に成りきる。不動の態勢のまま虫を見つめる。

歩くときは歩くが、動かない時間も多い。 重い機材を抱えているので、シンドイ。

(三脚を使えるのは冬で、草が生い茂ると三脚を立てただけで虫に逃げられることが

ほとんどだ。 ) さて、シマサシガメだが。

前脚を上げて獲物を狙っているのがわかったが、飛び掛る瞬間を逃してしまった。

捕らえた獲物は小さなハエの一種だった。 こういうチャンスは極めて少ない。

またあらためて出直しだ。

石に切り株になりきって、虫やクモを騙していたつもりだが、

私のほうこそ、すっかり騙されていたこともやがて、わかった。

隠蔽擬態IMG_2283.JPG同じ場所にしばらく居続けていて、ずっと気付かないでいた。 上写真のイモムシだ。

いや、気付いていはいたのだが、それは枯れ葉としてのこと。

「枯れ葉が引っ掛ているな、あそこにも、ああ、ここにも。」 チラリと視界に入ってはいた。

だがやがて、枯れ葉に紛れたシルエットに目がクギ付けになった。

「エエ~!ずっとここにいたのかい!?」 まさに「どこにいるの!シャクトリムシ」である。

クサイチゴを食べるシャクトリムシは、_Combibaena_属の仲間だろうか。

文献にあたってみたが、判らなかった。

同属のヨツモンマエジロアオシャクは、拙著「どこにいるの!シャクトリムシ」に掲載している。

ともかく種名を調べるには飼育して、成虫が誕生するのを待たねばならない。

午後3時過ぎから草刈作業をした。気付いてみれば2時間も経っていた。

汗びっしょりだ。

シャワーを浴びて、6時過ぎ、犬の散歩に出る。6時過ぎるとさすがに涼しい。

耕したばかりの畑で、初めて見る光景に驚いたのは、私だけではなかった。

犬のチョロも立ち止まり、私と一緒にそちらを凝視していた。

シマヘビが、ピョンピョン跳ねて逃げるカエルを、追いかけていたのだ。

シマヘビは頭を持ち上げてかなりの速度で、カエルを追っていたが(距離3メートル)

カエルの姿が土の中に消えた瞬間、ピタリと止まった。

不動となったのは、犬と私の姿に気付いたからかもしれない。警戒しているようだった。

犬のチョロがヘビに向かっていきそうになった。その瞬間、シマヘビは

畦の土手の草むらへと引き返した。 カエルどころではない、自分の身に危険が

迫っていると判断したかのようだった。

私はチョロがヘビに対してどのような行動をとるか、観ておきたかった。

リードを握り締め、ゆっくりとヘビのところへ近づいた。

シマヘビは尻尾をガラガラヘビのごとくしきりと震わせ、チョロは慎重にそれを追う。

何度か試して土の隙間に潜り込めないとわかるや、シマヘビは鎌首を持ち上げて、

チョロに対して威嚇し始めた。大きく口を開けて、それでもチョロがひるまないと、

次には飛びかかるのである。チョロはすんでのところで、後ろへ下がるが、

今度は「ワンワン」と吠えたてながら突っかかっていく。

しばらく、お互いの威嚇行動が続いたが、チョロも噛み付いたりまでは

できないでいるから、かなり慎重だ。

しだいにシマヘビが可哀想になって、チョロを引っ張って遠ざけた。

以前にも何度かあったが、庭にヘビが出るとチョロは吠えたてた。

何事かと飛び出してみれば、でっかいシマヘビが縁側の下にいたりした。

バッタやカエルならば、即、狩りの対象で押さえ込むが、ヘビはあきらかに違う。

ヘビに対しては、用心せねば、厄介なやつ、という認識?が

犬のチョロにはあるようだ。一気に飛びかかれない躊躇がある。

「でも、こいつ手ごわいけれど、ほんとは食べると旨いんだよなあ。」チョロ談。

チョロ15A_4263.JPGちなみに、シマヘビに追われていたのは、ヌマガエルだった。

ヘビを怖がる人は多いが、一方、カエルが大嫌い、苦手、という人も少なからずいる。

去年、カエルを怖がる人に初めて出会ったが、その怖がりようが、

私にはどうにも理解できないほど、凄まじかった。

アマガエル701A6056.JPG 紫陽花にいた、アマガエル。

日南市、北郷町。山間のフィールドに少しだけ行ってみた。

ヒメツノカメムシの三令幼虫群がヤマグワの実で食事しており、

親元からは離れていた。 もう、そんな時期にきた。

アブラギリはちらほら開花が始まったばかりで、ほとんどが蕾だった。

アブラギリの花15A_4253.JPG

ミズキもまだ蕾がほとんど。

ミズキ蕾IMG_1935.JPG日当たりがいい場所ではポツポツ、開花し始めているが、アブラギリと似たような

進行状況だった。

ミズキIMG_1937.JPGアブラギリもミズキも、昆虫との関わりは多様で、とくに開花時期や結実期は気になる。

両種ともカメムシ類とも縁がきわめて深い。

カメムシが好きな人にとって、アブラギリもミズキも素通りできない植物だろう。

物語を描くなら主人公が必要だが、虫と植物との関わりを眺めていると、

やがて主人公が誰なのかと、迷走する。

仮に主人公を立てるにしても、複雑な生きもののしがらみは、ドラマになりそうだ。

仕事部屋の外灯に、昨夜のこと飛来したのだろう。

庭に、ウスキツバメエダシャク、がいた。

ウスキツバメエダシャクIMG_1592.JPG 涼しげな翅の紋様がいい。

ペタリと張り付くように静止するから、顔が見えないことがほとんどだ。

しかし、今朝は運良く顔を見ることができた。

ウスキツバメエダシャク顔IMG_1600.JPG 丸々と肥えたお腹。 産卵を控えた♀である。

午後3時過ぎ、三股町上米公園では、アゲハモドキに会えた。

翅は少し擦れている。

アゲハモドキIMG_1832.JPGかなり神経質で、近寄ると飛んで逃げてしまう。姿を見失わないよう目で追いかけ、

着地したところで、駆け寄る。翅を広げて5センチ程度で、ジグザグに舞うので少しでも

視界から外れるとアウトだ、それっきり。

翅を上げた瞬間も何度かあったが、腹部の赤い紋様を撮影できなかった。

アゲハモドキ顔IMG_1839.JPG巻いた口吻が見えるが、本種は摂食するのだろうか? それとも痕跡的なものか?

葉上で口吻を伸ばしていたようにも見えたが、見間違いか?

上米公園では、かなりユニークな虫の撮影に時間を掛けてしまった。

今日の仕事目的以外の番外編だから、あまり深追いしてはと思ったのだが、、、、、、。

仕事とはいえ、自然相手だと何が起こるか予想もできず、もちろんスルーすることもあるが

余程時間の余裕がないとき以外は、できるだけきちんと撮影しておくようにしている。

まあ、しかし、銀塩フィルム時代と違って、後先考えずに写真を撮りためてしまいがち。

結局、使い切れない情報を山積みするだけになることもある。

せっかく記録写真を多く撮っても、それを分析し理解し、自分の言葉で語れることが

できないなら、まさにゴミの山でしかないわけだ。

今回は、ライティング条件がきわめて難しく、場所柄、ストロボも泥まみれになり、

表現したい写真に仕上げるために、ずいぶんと撮り直しを繰り返した。

おまけに小型三脚の自由雲台が故障し、現場では修理不能で騙し騙し使った。

ストロボは防滴・防塵仕様だったから、助かった。

ただ、カメラはEOSー6Dで、このカメラのモニターは視認性があまり良くないので、

撮影中の画像確認に手間取った。6Dは、軽くて画質も良いのだが、

モニターがいただけない。

庭の材置き場を訪れる虫の数も種類も、しだいに増えてきた。

伐採したクヌギは、捨て場所に困るどころか、宝の山となっている。

今、一番多く見られるのは、クビアカトラカミキリたちで、それと並んで多いのが

ヒラタカメムシの仲間。クビアカトラカミキリは交尾カップルや産卵♀、

♀を探す♂達と、賑やかに駆け回っている。

その中で、今日は、体長12ミリの、小さな玉虫、ムツボシタマムシ、がいた。

ムツボシタマムシ701A5829.JPG

今日は朝から雨。それも大雨。 外の湿度はかなり高い。

写真は昨日、撮影したもの。

大きな獲物IMG_1168.JPG 場所は、クサギに絡んだスイカズラの葉裏。

首根っこを噛まれ、宙ぶらりんになっている犠牲者は、ビロードカミキリだろうか?

カミキリはかなり新鮮な体をしている。

うしろ脚のふ節がピクピク動いていたが、まさに「虫の息」。

クモの毒液が体を痺れさせているのだろう。

食事中のクモは、カニグモの仲間(この仲間の識別は難しいようだ)。

大きな獲物IMG_1177.JPGクモの姿を見ようとしつこく撮影していたら、獲物をポトリと放してしまった。

せっかくのご馳走を、、、、、。ちょっと申し訳無い気がした。

しばらくして、カミキリムシを同定するために地面を探してみたが、それもしつこく

探したが、カミキリムシはついに見つからず。

クサギの根元にはでっかいゲジゲジが潜んでいた。

目ざとくカミキリムシを持ち去ったものがいるのか、あるいはまさかとは思うが、

カミキリムシが蘇生して自ら去ったのだろうか?

クモに捕まってから、それほど時間が経っていないようにも感じた。

庭にベニシジミの交尾カップルがいた。

ベニシジミ交尾IMG_1289.JPG

左の♀は羽化直後だろうか、新鮮だが、右の♂は翅がかなり擦れている。

ベニシジミはちょっとした草地環境でも普通に見られる蝶だが、意外と交尾カップルに

遭遇する機会は多くない。過去7年間で、今回を入れてわずか3回しか見ていない。

ベニシジミは田畑の畦道にも多く棲息するが、畦という草地環境は農業上、人の管理作業が

定期的に入る。管理作業は大雑把には、年数回の草刈りと、年に一回の野焼き、である。

だからこそ草地の自然環境が維持されているわけで、畦は自然観察をする上でも

たいへん貴重なフィールドと捉えることができる。

我が家のすぐ傍の畑は、畜産(牛)のため、牧草が年中栽培されている。

Nさんと、Kさんの畑だ。 お二人の作業する姿を眺めることも多い。

作業の段取り、進め方など、自分のことのように興味を抱く。

畦は定期的に刈り込まれるが、植物の回復力も旺盛だ。刈っては伸び、伸びては刈り

のイタチごっこだ。たいへんな労力を要する。私も自分の林を手入れしてきて、

その実際の大変さを知るようになった。

ところが、昨年の中頃からKさんの姿を見なくなり、畑が荒れ始めた。

あとで知ったのだが、事情あって牛を飼うのを止めたそうだ。

育牛のための牧草が必要なくなったのだ。

ある日、別の方が牧草を刈り取ったあと、あらたに畑は耕され、そして今年に入ってから

里芋が植え付けられた。他の農家の方が、野菜の栽培を始めたのだ。

そして植え付けと同時に、除草剤散布を大々的に行うようになった。

散布作業の日、たまたま庭からその様子を見ていた私は、暗い気分になった。

さて、その結果、現在では緑濃かった畦の草地環境は壊滅。まるで冬枯れ状態だ。

畦の比較.jpg 写真左が除草剤散布された畦で、右はNさんが手入れしている畦で
除草剤散布はしていない。
同じ日に撮影。

除草剤散布した畦は、この時期になんとも気色悪い光景を晒している。

もちろん自然観察など不可能。

除草剤と言うけれど、「枯れ葉剤」と言うべきで、枯れ残った残骸はそのまま放置

されている。犬の散歩をするときも除草剤を撒いた場所は避けるようにしているが、

そうでないと、犬が体調を崩すことがこれまでに何度もあった。

植物以外にも「枯れ葉剤」の悪影響を受ける生物は数多くいるのではないかと思う。

以前、Kさんは畦の刈草も牛の肥育に使っていた。ただし、蔓草を取り除いたりと

かなり手間の掛かる作業ではあったが、「枯れ葉剤」を使うことはなかった。

畦の草地環境では、四季折々、各種の植物が繁茂し、そこには様々な生き物が暮らして

いる。人の管理下にあっても、自然の営みがある。

除草剤を使用するのは労力の問題などそれなりの事情があることはわかる。

わかるけれど、農業というのは生産の場としてだけではなく、

自然環境の一つとして、眺める、遊ぶ、学ぶ、、、、、という様々な生業が成立し、

生活文化を豊かにする場でもあって欲しい。

ツクシイバラ

一週間前はまだ数輪しか咲いてなかったが、

今日になって再び覗きに行ってみれば、ほぼ満開になっていた。

ツクシイバラIMG_1021.JPGツクシイバラは細い用水路の岸に、ひとかたまり生えている。

すぐ隣(画面左手)にはノイバラもあるが、そちらは花がまったく付いていない。

ツクシイバラ15A_4217.JPGツクシイバラの花はノイバラより一回り大きく、淡紅色なのですぐにわかる。

別種ではなく、ノイバラの変種ということらしい。

この場所は我が家から7分ほどの近所だが、まだ他の場所では見つけていない。

こまめに動けばあちこちに生えているのだろうが、毎年、花を眺めるのはこの場所だけで

進歩がない。

足元をゆっくりと舞う姿は、最初は何だかよくわからなかった。

体の柔らかい甲虫類だろうとは思ったが、

ゆっくりとはいえ、はっきり姿を捉えることができるほどの速度でもない。

着地して歩き出したとき、なるほどと納得がいった。

チョウセンベッコウヒラタシデムシ

、だ。

和名は長いが、学名は、 Eusilpha bicolor

eusilphaIMG_0989.JPG和名に「ヒラタ」とあるように、体はとても扁平である。

本種が昼間に飛翔する姿は初めて見たが、飛翔しているときの格好が気になった。

多くの甲虫類の前翅の構え方とは、だいぶ違うのだ。

eusilphaIMG_0997.JPG 写真は飛び立つ瞬間。 前翅がめくれ、体中央で背中合わせになっている。

したがって、写真では左前翅の裏側が見えているが、

このままの態勢で、うしろ翅を羽ばたかせて飛翔する。

うしろ翅だけで飛翔する甲虫ではハナムグリのなかまがいる。

ハナムグリの場合、前翅は畳んだままでわずかな隙間からうしろ翅を出しているから、

前翅が空気抵抗を生じることはほとんどないように思えるが、

チョウセンベッコウヒラタシデムシの場合、前翅がどのように機能しているのか興味深い。

飛び立ったところで捕獲し、何度か飛翔シーンを狙ってみたが、

捕獲すると途端に地面走行モードに入り、ひたすら落ち葉の下などに潜り込む。

普段は地面で動物の死骸や腐食物を漁る生活をしているので、そのせいか

かなり強烈なニオイも放つ。

飛翔モードに戻ってもらうには、しばらくケース内で落ち着かせてから草上に返すといい。

結局、飛び立つ瞬間の一枚しか撮影できず、それが最後で姿を見失った。

さて、、、、注文していた、ルーペが届いた。

ドイツのESCHENBACH社のmobilux で、LED照明付き。 倍率は10倍。

レンズ径は35ミリあって視野が広い。そこが大事なポイント。

レンズはPXMという樹脂製非球面レンズで隅々まで鮮明に見える。

樹脂だがレンズ表面には特殊コーティングしてあり、傷がつきにくいそうだ。

ESCHENBACHは、ドイツ屈指の光学機器メーカー。

5年前にも同じルーペを購入したが、今回のはリニューアルしてさらに使い易くなった。

ルーペIMG_1011.JPG 黒い布製箱はレンズカバー

10倍程度のルーペは各メーカーいろいろあるが、口径の大きい製品は稀。

ただし、mobilux LED 、値段は送料込で

¥8800 もする。

クヌギ伐採木には、カミキリムシ類がやって来るようになった。

ゴマフカミキリ、クビアカトラカミキリ、そして、今日は写真のキスジトラカミキリ。

キスジトラカミキリ15A_4138.JPG

林の下草には、真っ赤なアカハネムシの一種がいた。 体長18ミリはあろうか。大きい。

アカハネムシSP15A_4167.JPG左前翅の一部、ビロード毛が帯状に抜け落ちて黒っぽく見える。

本種が我が家の林にいたとは、ちょっと驚きだ。

ヒメクロオトシブミのゆりかご作りは相変わらず盛んだ。ちょっと休憩中。

ヒメクロオトシブミ15A_4191.JPG

庭を抜けて、斜面林を下ると、谷津田に出る。

谷津田までの高度差は厳密に測ったわけではないが、10数メートルそこそこだろう。

降りたすぐ林縁の梢には、ゲンジボタルが休んでいた。

それも次々と見つかり、20匹以上を超えた。 昼間のゲンジボタルを一度にこれほど

たくさん見るのは初めてのことで、ちょっと興奮した。

ゲンジ♀701A5459.JPGそれぞれ、距離を置いているので、ほとんどが単独だが、エゴノキの梢で

カップルをひと組だけ見つけた。 撮影には脚立が必要だった。

ゲンジ雌雄701A5509.JPGもちろん、この場合、下が♂で上が♀。 ♀のほうが一回り大きい。

よく見ると、雌雄で発光器の違いもわかる。

ホタルは夜に鑑賞するもの、たしかにそうではあるが、昼間に観察するのも

面白い。皆、じっと休んでいるがちょっとした振動で、歩き出したり飛ぶものまでいる。

胸部の赤と胴体の黒のコントラストがいい。

で、夕食を終えてから、嫁さんを誘って光の乱舞を見学に行った。歩いて1分かからず。

ゲンジ乱舞IMG_0924.JPGさて、フチグロトゲエダシャク幼虫だが、

3年まえに撮影した同じ場所で、今日のこと、幼虫を見つけることができた。

その仔細については、もう少し整理してから紹介する予定。

その場所は、上写真、ゲンジボタルが舞うすぐ奥、であります。

午前6時45分、仕事部屋のパソコンを立ち上げていると、

東の方角から、アカショウビンの澄んだ囀りが聞こえてきた。

かなり近くで囀っているので、思わず外に出てみたが、姿は無かった。

さて、朝一番で調べたいことがあった。

昨夜、フチグロトゲエダシャク幼虫 について、急に記憶が蘇ったからだ。

先日、ジガバチの一種が運んでいた獲物が、フチグロトゲエダシャク幼虫ではないか、

と書いた。

先に結論から書くと、

我が家のすぐ傍には、フチグロトゲエダシャクが棲息している

ことがほぼ確実となったのである。

私はこのシャクガ幼虫を以前にも見たような気が一瞬したが、すぐに思い出せず、

モヤモヤしていた。

じつは、3年前の5月はじめ、このシャクガ幼虫を見たどころか、撮影もしていたのだ。

幼虫の写真は2011年5月3日に撮影したもの↓

フチグロトゲエダシャク幼虫IMG_0954.JPG我が家から200メートルも離れていない場所で、しかも、この幼虫は11頭も見つかっている。

これだけ特徴のあるイモムシなのに、なぜ記憶からスッポリ抜け落ちていたのか?

撮影当時、なぜイモムシの正体をすぐに調べなかったのか?

まずは写真を見ていただこう↓

コンボウアメバチIMG_0949.JPG イモムシはみな、繭に化けたのである。

ヒメバチ科のチビアメバチ類の繭が、萎びたイモムシの死骸と並んでいた。

イモムシの体型を保っている個体は2頭しか残っていなかった。萎びてはいても、

同種のイモムシと判った。萎びていく途中の段階なども観察できたからだ。

そこで私は、そのチビアメバチのことが気になって、繭を紡ぐシーンを撮影する

チャンスを窺っていた。 当時、このイモムシの正体を知っていたなら、

寄生されていない個体をなんとしてでも探し回ったであろうと思う。

しかし、私はイモムシの種名はあとで調べればいいや、と軽く考え、チビアメバチの

繭作りの撮影に没頭してしまった。実際、見つかったイモムシは全部、寄生されており、

クシャクシャになった。

写真上のフチグロトゲエダシャク幼虫からも、このあとチビアメバチ幼虫が

体を突き破って現れ、繭を紡いだ。

その様子は最初から完璧に撮影できて、私は大満足したついでに、

油断もしてしまった。

寄生を受けていたイモムシは全部で11頭。おそらく寄生された影響なのだろう、

どのイモムシも草地の高い場所へと上り詰め、よく目立っていた。

体内から寄生バチの大きな蛆が体表を食い破って外に出るまで、

イモムシは何事もないかのように振舞っており、外見からは異常な事態には気付かない。

高台に上り詰める、という行動以外には。

先日、ジガバチからこのイモムシについて教わることがなかったなら、

3年前の写真データをチェックする機会はずっと先になっていたと思う。

チビアメバチの脱出、繭作り、という場面の撮影・観察において、

宿主となったイモムシの正体をおざなりにしたことは、とても悔やまれる。

ともあれ、近所の狭い範囲に幼虫が発生していたという事実がわかり、

なおかつ、今年もまたその近辺で発生していたことも、ほぼ間違いないと思う。

では、それならなぜ、これまでフチグロトゲエダシャク成虫に出会えていないのか?

この疑問への答えも知りたいが、今はまだ間に合うかもしれない、幼虫探しを

時間が許す限りやってみたい、と思う。

先日、クヌギカメムシの羽化のことを書いたが、今日も午後になって、オスが

一匹、羽化していた。午前中は雷雨が激しく降ったが、午後から穏やかな天候となった。

しかし、一方、クヌギカメムシの幼虫や新成虫で、捕食されたり寄生されたり、

あるいは何らかの事故などで、命を落とす個体もかなり見かける。

クヌギカメムシ受難701A5378.JPGササグモ♂に捕食されていた、クヌギカメムシ新成虫。

クヌギカメムシ中令幼虫は3月~4月にかけて、

春の強風でクヌギ樹上から地面に振り落とされる個体が極めて、多い。

(積極的に地面に下るものもいるかもしれないが。)

クヌギ幼木に幼虫が見つかるのは、そうした落下組なのであろう。それでもクヌギに

到達できたのは幸いだ。 我が家ではクヌギ大木直下の物置小屋の壁面に軟着陸して

呆然?としている幼虫をよく見かける。もっとも、中令期以降の幼虫にとって、

クヌギの樹液を吸うことが必ずしも必須ではないようで、とくに終齢になると、様々な

植物で、それも草本、木本を問わず、吸汁している。

ともあれ、クヌギ樹上から地面に落下した場合、様々な天敵に狙われる機会も増えるようだ。

さて、クリで育っていたクスサン幼虫も、終齢になっていた。

クスサン幼虫701A5336.JPGヌルデ組は、どんどん高所へと移動してしまい、今では目視できなくなった。

庭のヤシャブシでも幼虫が数匹、育っているが、まだ四令である。

そのヤシャブシは、昨年、交尾カップルがいた木である。

ヤシャブシもクスサンの食樹となるのは、初めて知った。

夕方、犬の散歩に出る。途中、犬が草むらでバッタ探しに夢中になった。

先日、越冬明けのタイワンクツワムシ♀が歩いていたし、トノサマバッタも羽化の時期だ。

バッタ類のなかでも、我が家の飼い犬の好物は、ダントツでトノサマバッタ。

チョロ701A5412.JPG犬は動くものなら衝動的に追いかけるが、カエルのときだけは、私が制止する。

以前、カエルを食べ過ぎて、マンソン裂頭条虫に寄生されたからで、

しつけてからは、カエルを見つけても、まずは私の顔をうかがうことが多い。

それでも狩りに夢中になれば、ついついカエルを口にすることも無くはない。

センダンの花が満開。 風に漂う香りが部屋まで届く。

センダン701A5169.JPG

我が家の林には数本、センダンの大木があるが、居間から目線で花を眺めることができる。

手前のクヌギを数本、切り倒したから見通しが良くなったわけだ。ただし、距離はある。

小雨が降ったり、ずっと空模様はぐずついていたが、午後5時過ぎ犬の散歩に出るころには

陽射しがあった。 ノブドウの花蕾を眺めたりしながら、その横に生えていたクマイチゴの

実に目が止まった。 夕陽を浴びて輝いていた。

クマイチゴ701A5291.JPGもっとも、我が家の林では、クマイチゴをかなり伐採駆除している。

荒地にはびこる繁茂力は凄まじく、ほっておくとクマイチゴの楽園になってしまう。

クワゴ幼虫がいた桑のすぐ隣の、ムクノキの葉上に、白く輝く蛾がいた。

701A5223.JPGツバメガ科の、 ギンツバメ、だ。

本種の幼虫は、ガガイモやオオカモメヅルを食草とするらしいが、

まだ幼虫を見たことがない。

午前中、庭でクヌギカメムシの羽化を撮影していた。

クヌギカメムシの羽化もそろそろ終盤に入った。 羽化を控えた終齢幼虫もだいぶ減った。

クヌギカメムシ羽化直後701A4690.JPG撮影中、すぐ傍のエノキに、ゴマダラチョウの♀が飛来して産卵を始めた。

ゴマダラチョウ産卵701A5145.JPG何回か産卵したが、全部、枝や幹の表面だった。孵化した幼虫にとって、葉っぱは遠い。

可愛い子には旅させよ、という親心か?

さて、さて、二日前のことだ。

林の観察道の地面から、ジジジジ~、ジジジジ~、とか細い音がしていた。

ハエがクモに捕まって断末魔の羽音を立てているかのような、ちょっと寂しげな音だ。

ああ~これは、ジガバチだな、と感づいて注意深く地面を眺めてみれば、

フワリと宙に浮いたサトジガバチ(多分?)の姿があった。

場所はハヤシノクロヤマアリの巣の近くで、トゲアリスアブ♀が執着していた、そこ。

で、ジガバチが運んでいた獲物は、これだった↓

サトジガバチ15A_3825.JPGその特徴ある姿のイモムシは、シャクガ科のフチグロトゲエダシャクの幼虫だと思う。

フチグロトゲエダシャクは、早春、2~3月に現れる蛾であるが、虫が好きな方々には

とても人気が高い。 ジガバチがこの幼虫を狩った場所は、そう遠くはないはずで、

我が家の近所にいたことになる。

今さらですが、地名の記載がない場合、我が家の敷地内か、その周辺500メートル圏内

での出来事です。

さて、イヌビワの葉にシルエット、あり。

シュレーゲル701A4720.JPG

大きさ、形からして、シュレーゲルアオガエル と わかった。

めくってお顔を拝見。

シュレーゲル701A4724.JPG「ワテは、ねむいんや! お休み~イ。」「えっへん! オッホン!」

アオオニグモ701A4889.JPG アオオニグモの、腹踊りです。

今朝のこと、Microdon oitanus トゲアリスアブ の♀がいた。

トゲアリスアブ701A4423.JPG撮影場所は我が家の庭。 やっと出会えた! こんなすぐ傍で。

『アリの巣の生きもの図鑑』(東海大学出版:2013年)によれば、本種の寄主アリは

ハヤシクロヤマアリ。 トゲアリスアブ♀が執着していた場所には、

ハヤシクロヤマアリの巣が、たしかにあった。

すぐ近所の、ナツグミも色付き始めた。

ナツグミ701A4556.JPG

一昨日の雨の中、庭でホオジロの親鳥がせっせと餌集めしていた。

慌ただしい動きが気になり、しばらく眺めていると近くに巣立ちビナがいた。

巣立ちビナが大きな口を開け、羽を小刻みに震わせると、

すかさず親鳥がくわえていた餌を口に押し込んだ。親子共々、びしょ濡れだった。

昨日は、ヤマガラの親子が同じように給餌を繰り返していた。

毎年、ヤマガラはテレビアンテナ塔で営巣しているが、そこから巣立ったようだ。

で、一方、先日、林のカラスザンショウに放ったミヤマカラスアゲハ幼虫。

昨日の朝になって姿を消していた。

上写真は幼虫を戻したカラスザンショウ。低い木なので枝を引き寄せて葉っぱの

隅々まで点検ができる。 幼虫は一昨日の風雨で地面に落ちた可能性もあるが、

だとしたら二度目の災難に遭ったことになり、なんとも運の悪いイモムシだ。

もちろんカラスザンショウの根元付近の地面を丹念に探してみたが見つからなかった。

あるいは、また、巣立ちビナの給餌に忙しい鳥についばまれた可能性もある。

さて、この記事を書いている途中、コーヒーを入れに台所へと立った。

居間に入った途端、南向きの窓に黒い物体がドスン!と派手な音を立ててぶつかった。

すぐに外へ出てみれば、ホオジロが地面に横たわっていた。

ホオジロIMG_0776.JPG口を大きく開けて、見るからに苦しそうだ。

しばらくして、脚をふんばったものの、トロトロと目を閉じてはつんのめって、

驚いたように目を開く。 つんのめっては、よろけ、を何回も繰り返していた。

ホオジロIMG_0798.JPGホオジロがぶつかった位置は、ガラス窓直撃ではなく、網戸越しだったので、

幾分衝撃が柔らいだかと思う。 それで一時的に脳震盪でも起こしたのだろうか。

数分後には立ち直って、林の方へと飛び去って行った。

これまでに野鳥がガラス窓にぶつかった事故をおさらいすると、

シロハラ、ビンズイ、トラツグミ(2回)、カワセミ、メジロ、

そして、今回のホオジロ、と6種類となった。

シロハラとトラツグミ(一回目)は、ホオジロと同じようにしばらくして復活し、飛び去った。

窓にぶつかる瞬間を目撃したのは、ビンズイとホオジロの2回。

過去7年間で、我が家の窓ガラスに激突して死亡した野鳥は、4種、4羽。

激突しても無事だった野鳥の数は把握できている3羽以外にもきっともっといるだろう。

衝突事故を無くすべく警告マークを貼ったりしたが、発生件数とマークの維持手数、

見た目の鬱陶しさなどを天秤にかけて、止めてしまった。

むしろ、こまめにレースカーテンを閉める、など、

衝突事故防止対策は簡単にできる範囲でやっている。

※ 当初、衝突死した野鳥の種類を5種としていましたが、誤りで、
メジロが抜けていましたので、訂正しました。

コガネムシの姿を見かけるようになった。

コガネムシ01A4373.JPGコガネムシが増えてくる頃、梅雨入りも近い。

モンシロチョウ成虫の姿も増えつつあるが、モンシロチョウも6月頃を中心にピークと

なる。

コガネムシの登場を待っていたかのように、コガネグモの♀幼体もグングン成長し、

今月中にはそろそろ成体になるものも出てくる。

先日、お知らせした新刊本の見本が届いた。

新刊本701A4282.JPGモンシロチョウは小学校の教科書でもお馴染みのチョウだが、

例えば、モンシロチョウの姿を何も見ないで絵に描くとしたら、どこまで正確に

描けるだろうか? 私自身、ちょっと自信がない。 いや下手に知識があると、

春型?夏型?それとも雌雄のどちら、などと余計なことまで考えてしまうからだ。

正確に描こうとして逆に描けない。大雑把に描くとすると、どんなモンシロチョウに

なるか? 標本の姿、花で蜜を吸う姿、飛翔する姿、、、、どんなポーズを選ぶか

それも人様々で違ってくるだろう。

ものすごく身近なチョウでありながら、しっかり観察するという目で見ていないと、

結局、何も見ていない、と同じことになる。まあ、これはどんな生き物でも言えることだが。

自然観察の目を普段から持っていると、何気なく目にしたシーンの瞬間が、

好奇心を掻き立て、探究心をくすぐり、単調に思えていた風景が一変することもある。

生き物の世界は一つでなく、すぐそばに別世界があったんだ、という発見に

興奮できるのも、自然観察の醍醐味の一つではないだろうか。

話がなんだか、逸れてしまった。

本書を書店で見かけたら、是非、手にとって見てください。

このシリーズでは、先に「タンポポ」も出ています。

タンポポも身近な花だが、普段どれだけしっかり見ているだろうか?

どういった視点でタンポポを眺めれば面白いのか、本書から教えてもらえる。

昨日の雨はかなり降った。 庭のカスミソウやノアザミが、ごっそり倒れていた。

ヒメクロオトシブミもしばらく、休憩。

ヒメクロオトシブミIMG_0759.JPG

先日、6日に紹介したカラスアゲハ幼虫だが、飼育ケースの中で脱皮し

終齢になっていた。 その姿を見て、ミヤマカラスアゲハだと判った

ミヤマカラスアゲハ幼虫701A4260.JPG「ワテノコトヲ、からす、ト、イイオッタナ!ワレ!! ドツイタロカ!ワレ!!」

恐いセリフはなぜか、大阪弁になるも仕方が無いか。

このミヤマカラスアゲハ幼虫は、今日、林のカラスザンショウに戻した。

今後、この幼虫がどのような運命を辿るのか、見届けたい。

昨日に引き続き、今日も林の手入れ。 2時間かけて作業目標を達成できた。

だが、まだやるべき作業は山のようにあって、いつ終わりがくるのか、見通しが

立たない。いや、年中、山仕事に終わりはない。

今日の作業は刈草を移動して焼却すること。

刈草をビニール製の丸カゴに詰め込んではこれを背負って斜面を登る。

これを何度も繰り返す。 足腰を鍛えるいい運動にはなる。

刈草といえど、めいっぱい詰め込むと15キロくらいある。

作業袋15A_3644.JPGこの丸カゴはワイアーが螺旋状に入っており、自立するので扱いやすい。

上から押し付けて、平たく収納できるので、普段は場所をとらない。

ただビニール素材は脆く、一度は破れてワイアーが飛び出したりしたが、

それは修繕して使っている。

清瀬市~松山市~そして、我が家の庭(三股町)へと移植された、カシワ。

カシワMG_0682.JPG新芽がグングン伸びて若葉を広げた。 さっそく、ヒメクロオトシブミのゆりかごが、

数個ぶら下がっていた。

カシワの逞しさを見ていると、男児が健やかに育ちますように、という願いをこの木にこめる

というのもわかるような気がしてきた。

最近、使い始めた広角レンズ EF24ミリis USM は、最短距離が20センチと寄れること、

ブレ防止機能内蔵、ということで使用頻度は高い。いつも持ち歩きたいレンズだが、

コンパクトである点も評価できる。

ところが、附属のレンズキャップが良くない。とくにフードを付けたままだと、指がフードに

阻まれてキャップの脱着がたいへんやりづらい。いや、ほぼできないに等しく、

取れない、付かない、というイライラの時間が長い。

滑らかな形状ゆえ、脱着時にツルリと滑って落としてしまうことも多い。

これは何とかしたい。

そこで、E-58Ⅱという レンズキャップを買った。523円と、高いけど、仕方が無い。

写真下、左が、523円もした、E-58Ⅱ。 右がツリン、と滑る滑るキャップ。

レンズキャップIMG_0716.JPGスマートなのは、右のキャップだが、使い勝手では劣る。

わざわざ買わなくても、差額を払って交換できるよう、メーカーにはお願いしたい。

附属していたキャップ、もう使い道がない。

もうすぐ発売となるモンシロチョウの本のご案内。

今、我が家の庭のブロッコリーでも、いっぱい育っている青虫です。

モンシロチョウ幼虫701A4018.JPG
幼虫は、葉っぱだけでなく、蕾や花も食べます。

白髪太郎こと、クスサン幼虫の様子を覗きに行ったら(家から歩いて十数歩だが)

幼虫たちのいる梢に、ウマノオバチ♀がいた。

ウマノオバチ♀15A_3241.JPG午前中、今にも雨になりそうな雲行きで気温も低かったせいか、

ウマノオバチはずっと同じ場所に釘付けになっていた。

モニター画面上で計測してみると、産卵管の長さは、体長の6倍ある。

見上げていたエゴノキの花から目線を落とすと、

イチモンジチョウの蛹殻があった。

蛹殻15A_2540.JPGエゴノキの幹にはスイカズラの蔓が絡んでいた。

イチモンジチョウの幼虫は、スイカズラで育ち、ここまでやって来たに違いない。

以前、見つけてあったスミナガシの蛹も気になった。

これまで継続観察できたスミナガシの越冬蛹は、そのほとんどが春までに消失したり、

あるいは、何者かに食われて残骸を晒していた。

しかし、今日は無事に羽化した証を見ることができた。

蛹殻15A_3054.JPGキャノンのマクロストロボ MT-24EX が不調となり、修理に出した。

使用頻度は少ないが、高倍率撮影ではあると便利なストロボ。

しかし、2灯の発光部を本体とつなぐケーブルは邪魔だし、接続部でいづれ接触不良を

生じるだろうと思っていたら、案の定。

電波通信のフラッグシップストロボとトランスミッターが出たのだから、このシステムに

対応した、超小型のスレーブストロボも出して欲しいところだ。

毎日、林床にはタケノコが出る。

タケノコといっても、マダケではなく、メダケや

ホテイチク↓

だ。

そのまま火で炙っても美味しいし、味噌汁の具にもいい。

タケノコIMG_0465.JPG今朝届いたばかりの、広角レンズ、

EF24ミリf2.8 IS USM

を使ってみた↑。

イメージスタビライザー内蔵でありながら、レンズは極めてコンパクト。

ブレ防止機能もけっこう効く。 描写ももちろんいい。

タケノコをあれこれ物色しながら撮影していると、なんと

カラスアゲハ

の若齢幼虫が

そこにいた。

パピリオ幼虫IMG_0466.JPG林の天井を見上げれば、カラスザンショウ大木の梢が広がっている。

どうやら、この幼虫はなんらかの理由で地上に落ち、ここまで登ってきたのかも

しれない。

幼虫を回収し、カラスザンショウの葉を入れておいた。

パピリオ幼虫701A4056.JPG若齢なので、ミヤマカラスアゲハの可能性も疑ってみたが、おそらく

カラス

だろう。

※後日、ミヤマカラスアゲハと判明。訂正します。

家庭菜園に植えたキュウリ、ゴーヤ、の柵を拵えた。アサガオの柵も。

主にメダケを使って組んだ。ササの切り出しには、次男が手伝ってくれた。

ササで組んだ棚は、これもニホンホホビロコメツキモドキの産卵トラップそのものだが、

切ったばかりの青いササやタケには、見向きもしない。

2002年8月のことだから、12年も前のこと。

当時「TBSブリタニカ」(現在は阪急コミュニケーションズ)のネイチャーシリーズの

一冊として、「里山蝶ガイドブック」の撮影の追い込みに入っていた。

刊行は2003年4月だったから、まだ余裕はあったが、ウスバキチョウの撮影には

出遅れてしまい、とは言え8月でも成虫の記録ありとの情報を得て、

わらをも掴む気持ちで北海道へと赴いた。

大雪山でのウスバキチョウ撮影はやはり時期が遅すぎて成果無く終わったが、

札幌の北大植物園で、オオモンシロチョウを初めて撮影できた。

まさに「瓢箪から駒」で、オオモンシロチョウのコラムページを組むことができた。

そんな昔のことを想い出したのも、

菜園のブロッコリーについた無数のモンシロチョウ幼虫を眺めていたからでもある。

花を咲かせたブロッコリーでは、花蕾や花を食う幼虫の姿も目に付く。

モンシロチョウ花食う15A_2967.JPGすでに葉は少なくなっているからでもあろう。

その葉をめくってみると、蛹も見つかった。

モンシロチョウ蛹15A_2972.JPG多くは葉裏で蛹化するが、葉表や茎でも蛹が見つかった。

モンシロチョウ蛹15A_2974.JPGブロッコリーは今が花盛だが、キャベツの花はもう終盤に入った。

ブロッコリーとキャベツは、花を見ている限りでは区別が付かない。

今日の霧島山、日没。

霧島山夕焼けIMG_0429.JPG

オバボタル15A_2910.JPG

庭のイヌビワに、オバボタルがいて、「あっち行こうか、こっち行こうか?」と

首を左右に振っていた。

林の観察路を中心に草刈作業をした。

今回は観察路を増やし、迷路のごとく刈ってみた。残すところは残すが、

歩く路は、できるだけ綺麗に刈っておく。

地面が露出した環境も、様々な昆虫にとっては得難い場所なのだ。

今年初めてのラミーカミキリを見たのは、昨夕のことで、今朝も少し離れた場所の

カラムシ上に数匹を見た。 葉脈に茶色の食痕もある。

ラミーカミキリ15A_2839.JPG朝早い時間帯だと、彼らの警戒心も薄いのか、近寄ってもすぐに飛んで逃げたりしない。

午前9時~、霧島山(高原町)での昆虫合同調査に参加した。

集合場所まで高速を使えば40分ちょうど。

アオダモ(コバノトリコ)だろうか?あちこちで咲いていた。

アオダモIMG_0375.JPGハルニレには、ヒメヤママユの中令幼虫がいくつかついていた。

ヒメヤママユIMG_0378.JPG
緑葉IMG_0398.JPG樹種名はまだ調べていない。 私には馴染みのない木であるが、砂防堤を覆い隠す

緞帳のように輝いていた。

調査終了後、帰りは高速は使わず、御池経由の一般道で夏尾を抜けて戻ってみた。

さすがに所要時間は50分を超えたが、信号、交差点も少なく快適な走行。

この道は数年前に御池小学校で講演を終えたあとに走行したことがあった。

でっかいオオスズメバチが、庭にもよくやって来る。

冬越しのあと活動を始めたばかりの、女王だ。女王はでっかい。

クヌギの梢に潜り込んだとき、獲物を感知したのだろう、と思えた。

私も急いで駆け寄ってみた。

なるほど、オオスズメバチは一直線に獲物に突進し、ガブリと捉えた。

オオスズメバチ女王IMG_0246.JPG抱え込まれた獲物は、ヒラタアオコガネであった。

ヒラタコガネの体が、ガリガリと砕ける音が間近で聞こえる。

しばらくして、獲物を抱えたまま、飛び去っていった。

この時期のオオスズメバチ女王は、ともかく忙しい。 今日も昼過ぎに、私の顔に

まとわりついてきたが、それをことさら怖がることもない。じっとしていればいい。

いわゆる偵察だろう。 わざわざ、人を刺すような攻撃性は薄い。

我が家の林の、エゴノキ。

エゴノキ満開15A_2798.JPG満開のピークだが、萎れて落花するのも夥しい。 木の下を歩けば、花の香りに

包まれる。

今日も、竹トラップではニホンホホビロコメツキモドキの産卵が盛ん。

午後6時50分。

I霧島山夕焼けMG_0256.JPG日没の太陽を画面に入れようと思っていたが、間に合わなかった。

我が家の寝室の窓から、撮影。

庭に設置した竹トラップに、ニホンホホビロコメツキモドキのメスが5頭、

オスが3頭、来ていた。うち交尾カップルが一つ、産卵中のメスが3頭。

仕掛けたトラップに、狙い通りに虫が来てくれるのは嬉しい。

午前中は、延岡のフィールドで撮影し、正午には自宅に戻った。

ガソリン代、高速料金に怯える。

できれば遠出は避けたい。それがために、今の家に引っ越したのだが。