ひむか昆虫記 (original) (raw)

2014年8月アーカイブ

昨日、台所の壁面でなにやらメイガの一種が交尾していたのに気付いた。

気付いたのだけど、観察も撮影も後回しにしてしまった。かなり気になった。

で、今日のこと米びつをあけたら、メイガが飛び出した。

世界中に繁栄する、ノシメマダラメイガだ。

ノシメマダラメイガ701A9805.jpg

穀物やお菓子など、あらゆる食物を餌とする、蛾である。

成虫は餌をとることなく、子孫を残す。

ツユクサに、小さなハムシがいた。 体長は5ミリ前後。

キバラルリクビホソハムシ701A9771.jpg

キバラルリクビボソハムシ、だ。

このあと、練りハミガキのような黄色の糞をした。

家庭菜園のオクラでは、フタトガリコヤガの成虫が羽化していた。

フタトガリコヤガ701A9741.jpg

オクラの葉っぱを丸坊主にしていた犯人が、このフタトガリコヤガの幼虫だった。

フタトガリコヤガ幼虫IMG_4121.JPG

幼虫の写真は、17日に撮影したもの。

今日もタマムシの♀が、産卵に来ていた。

タマムシ15A_9702.jpg

早朝、地震で目が覚めた。震度4。少し長く揺れ続けた。

震源地は、日向灘沖。

本日もTV番組の収録を自宅の庭で行った。

天気情報では午後から降雨確率50%。午前中、少しでも陽射しがあるうちに

昆虫の映像を優先して収録した。

ここしばらく姿を見なかったタマムシだが、2♀が産卵に来ていた。

花壇のランタナには、アゲハが来るも落ち着きがなく、

それとは対照的にアカタテハが吸蜜に何度も訪れていた。

アカタテハ701A9649.JPG

翅はまったく無傷で鱗粉の厚みを感じるほど、新鮮個体だった。

よほどお腹を減らしていたようだ。近づく人影には神経質だが、一旦吸蜜を始めると

近接して撮影ができた。

林縁の草むらには、ミヤマアカネの♂がいた。数日前からおそらく同じ個体だと

思うが、ときどき姿を現す。まだ体色の赤みは弱い。

落ち着いていたので、翅をクローズアップしてみた。

ミヤマアカネ701A9680.jpg

100ミリマクロでは等倍のここまでが限界。トンボの翅はよく見ると、平板ではなく

山あり谷ありで、複雑な膨らみを持っている。

今日はTV番組の収録があった。

撮影クルーの方々を案内して訪れた三股町上米公園では、

車を降りてすぐの地面で、獲物を抱えた、キンモウアナバチに遭遇した。

キンモウアナバチ15A_7075.JPG

キンモウアナバチの堀った巣穴が狭い範囲に、4カ所あった。

彼女らが抱えて運んできた獲物は、サトクダマキモドキ♀、ヒメクダマキモドキの

2種類だった。

クロアナバチ(ギンモウアナバチ)の集団営巣はかつて実家のすぐ傍にあって、

撮影をしたことがあるが、一回り大きい、日本のアナバチ科で最大の本種の

営巣は初めて見たので、興奮してしまった。クロアナバチならうちの庭にも

よく姿を現すが、それに比べてキンモウアナバチとの遭遇頻度は極めて低い。

あらためて「自然観察者の手記」(岩田久仁雄)を読み返すと、

今朝、観察したキンモウアナバチの行動が、よく理解でき、整理できた。

来週には、もう一度キンモウアナバチの追観察に訪れたいと思った。

この公園は我が家から5分と離れていない。

だが心配なのは、この公園で「バーベキュー(焼き肉)大会」なるイベントが

予定されており、アナバチ営巣地が人によって荒らされてしまうのは必至と

思える。イベントの入らない、自然公園が三股町にもっとあって欲しい。

自然観察会が年間を通して行えるような、そういう公園を整備してほしい。

焼き肉も、花見祭りも、そういう俗化した行事に無関係な

自然文化公園があってもいいはずだが、残念ながら無いのが現状である。

今日は気になっていたオオキンカメムシの様子を見に行ってみた。

山を越え、日南市北郷町のある林道に入った。

アブラギリの実に、車窓からでも幼虫の姿がわかった。このアブラギリでの繁殖は

今年初めての記録であり、嬉しい。しかも手の届く低い梢にも幼虫が多くいた。

オオキンカメムシ15A_6980.JPG

幼虫は、2令〜4令までのステージで、まだ終令はいなかった。

アブラギリの実で吸汁する幼虫たちの間では、頭突きして場所取りする喧嘩?も

見られた。寄り添うようにして成長する幼虫たちだが、えさ場を巡っての闘争が

あるようだ。

オオキンカメムシ15A_6933.JPG

多くの幼虫に混じって、一頭だけ成虫もいた、

幼虫の姿はメタリックカラーに包まれている。キンカメムシ科に共通する特徴であり、

種によっては、成虫よりかよほど幼虫のほうが美麗だったりもする。

カメムシ類は不完全変態ではあるが、幼虫期と成虫の姿がかけ離れていることが

ほとんどで、幼虫を見つけても、成虫の姿を想像できるケースは稀である。

近所のあぜ道では、ショウリョウバッタの病死の姿が、多い・

ショウリョウバッタ15A_6991.JPG

マルウェア感染のことがあって、WindowsPC2台はネット回線から遮断している。

いろいろ感染駆除を試みたが、症状は改善されていない。たいへん厄介だ。

じっくり対策を練る時間は今のところないので、先送りにした。

そこで7月から、メインPCをMacに切り替えた。今ではiMacをデスクに置いている。

ノコギリクワガタIMG_8671.jpg

VAIOノートは問題解決したが、起動が不安定になりやたらと時間が掛かることもある。

ウィルスソフトを入れたせいだろうか。

ノートは講演での必須アイテムなので、MacBook Airで代行できるようにした。

WindowsPCのマルウェア感染駆除が今後できたとしても、

メインPCはMacになるだろうと思う。

スタジオでの撮影待機時間には、「はだしのゲン」を読んでいる。

ファインダーを時々覗きながら、手元の本を開く。

今夜は第三巻目。いよいよクライマックスだ。

イヌビワの葉っぱに、ツマグロオオヨコバイ幼虫の姿が多い。

羽化殻と新成虫もポツポツ見られる。 ちょうど今が羽化時期だ。

ツマグロオオヨコバイ15A_6747.JPG

写真の幼虫は、明朝あたり羽化するだろう。

ツマグロオオヨコバイの羽化時刻は、午前4時前後が多い。

しかし、羽化時刻にはばらつきもあって、午前6時〜8時、

あるいは午後5時ころ、羽化したケースもある。

ツマグロオオヨコバイの羽化シーンは、清瀬市にいた頃撮影した。

「虫のこどもたち」(福音館書店)に載せるために気張って撮影したが、

この本はあまり売れず、早々と絶版になった。

さて、今現在、私が取り組んでいる撮影の仕事は、ある虫の孵化であるが、

その孵化時刻にバラツキがあって、昼間と早朝に大きくブレる。

昼間だと、午前中に外出の用事を済ませ、午後からは動けなくなる。

早朝だと、寝る時間を削ることになる。今夜は深夜から待機だ。

同じ地区のHさん宅に用事があって伺った。

「お茶でも飲んでってよ」と勧められるまま、土間の椅子に座った。

ちょうど鶏のエサをやっている最中で、産みたての卵も一個あった。

富士山の水で入れたお茶をいただく。

ロボットみたいな真っ白の給水器が突っ立っていて、

赤いスイッチを押すと急須にお湯が落ちた。

富士山の水は、20ℓでなんと3700円もするそうだ。

「これねえ、この器械はリース。そのうち自分のもんになるけどなあ。

水が高いよ〜、富士の水以外、入らんようになっとる。ちゃっかりしとるわ」

たしかにいただいたお茶は美味しかったが。

土間のすぐ外、

幅90センチの水槽の底には、どでかいニホンウナギが寝そべっている。

「一昨日、近くの川で釣ったやつよ。穴からなかなか出んでねえ、

引っ張り出すのにエラい苦労したよお〜!」

「昨夜はお客さんが来たもんで、別の一尾を蒲焼きにしたけんど、旨かったよお〜!

網で焼いてはダメ!油が垂れて黒こげになるから。蒸し焼きにしてから炙るといいよ」

「おおそういえば、新開さんとこの山、そろそろハチが来とらん?今年も蜂の巣

採らんとなあ」

Hさんご夫婦としばらく歓談してから、うちに戻った。

「遅かったじゃない。お菓子、届けるだけで何してたの?」嫁さん

「お茶をよばれていたんだよ。

それよりさあ、でっかいウナギがいたよ!Hさんが釣ったんだって。

あれ蒲焼きにしたら、旨いだろうねえ!」私

「え〜!だったらそのウナギ、もらってきてよ!」嫁さん

ナツグミの根際ちかくに、ツクツクボウシの羽化殻がたくさんあった。

ツクツクボウシ15A_6738.JPG

ほとんどが、地面から30センチ以下の草につかまって羽化している。

なかには、どうやら逆さまで羽化したのもいるようだ。

昨日、23日土曜日で、三股町文化会館ホールで開催していた写真展も終了。

午後4時半から役場の方々が加勢してくれて、一気に撤収作業を終えた。

埼玉県からはるばる訪れていただいたKさん。

初対面なのに、撤収作業を手伝っていただき、

うちに戻って倉庫への回収作業まで付き合っていただいた。

ありがとうございました。

めったにない機会なので、都城駅そばの居酒屋で乾杯した。

仕上げに立ち寄った、四川ラーメン、初めての店だったがけっこう美味しかった。

昨日、神社の境内で見つけたチビクワガタのことが気になっている。

幼虫、成虫の数が多かった上、蛹までいた。卵はやはり小さいのだろうか?

だろうね。

再び出向こうと思えば、車で10数分の場所ではある。しかし、

今は身動きできない状況で、ようやく時間ができた午後4時半、刈草の処理作業で

2時間半を要した。

今日は朝からずっと雲に隠れていた霧島山が、日没近くになってようやく

姿を現した。

霧島山15A_6702.JPG

カメラにすがる時間より、山仕事に従事する時間のほうが長い、一日ではあった。

そんな中、中公愛蔵版「はだしのゲン」3巻を買った。

撮影待機時間にちょっとページをめくってみたら、どんどん読み進んでしまった。

これは危ない。が、待機時間にパソコンに向かうより、読書のほうがまだ安全だ。

午前7時半、タマムシのメスが庭にいた。

タマムシIMG_8638.jpg

今日も都城市のある児童館で昆虫観察会と標本教室を行った。

児童館の敷地内にハチの巣が二つある、というので椿の梢を覗き込んでみたら、

セグロアシナガバチのかなり大きな巣があった。

もう一個は離れた場所の石碑にあって、こちらはフタモンアシナガバチだった。

セグロアシナガバチの巣は茂みに隠れて誰も気付いておらず、先日、父兄のかたが

刺されて、ようやく巣があるらしい、ということがわかったそうだ。

児童館に並んで小さな神社があり、そこの朽ち木のなかからは、チビクワガタの

成虫・幼虫が多数、見つかった。蛹室のなかでクルクル回転する蛹もいた。

朽ち木の下の土中からは、カブトムシの卵と数多くの初令幼虫が出てきた。

神社といっても、数本の木があるだけで庭ていどの広さであり、周囲は田んぼが

広がる開けた環境。一番近くに見える森まで、かなりの距離がある。

こんな場所で、チビクワガタにお目に掛かれるとは、少し驚いた。

お盆の間、近所のおじいちゃん達は、カブトムシ・クワガタムシを

孫にと、奔走していた。

「今年はカブトが少ないねえ。新開さんとこはおるかね?」

数日前から仕事部屋のすぐ外に植えてあるクヌギに、

カブトムシの雌雄が入り浸っている。写真は今朝午前7時半に撮影。

カブトムシIMG_8588.jpg

オスもメスも、別個体が日替わりで来ているようだ。

写真のオスはしっかり、メスをガードしている。

このクヌギには、ヤママユの繭も2個ついているが、まだ夏眠中。

羽化は10月になるだろうか。

お知らせ: 三股町文化会館ホールで開催中の写真展、23日を除いて、

会場に出向くことができなくなりました。

撮影の仕事ゆえ、ご容赦ください。

昆虫のことをよく知りたい方に、お薦めの本。

昆虫の世界の魅力・基礎知識へと導いてくれる本です。

「昆虫博士入門」大野正雄監修・山崎秀雄著(全国農村教育協会)

昆虫博士入門.JPG

「昆虫はすごい」丸山宗利 著 (光文新書)

昆虫はすごい.JPG

そして、昆虫の本ではないが、こちら。 いや、昆虫と深い関係にある生き物だ。

「こうもり」吉行瑞子ぶん・山本忠敬え (福音館書店)

こうもり.JPG

先日、私の講演会で、この本の著者の方とお会いできた。 かなりびっくりした。

まさに夏日。午前中は青空の下、昆虫観察会を無事、開催できた。

陽射しがきつく、大人はできれば影に入ろうとするけれど、

子供たちは平気で歩いている。

オニヤンマのオスは最初、採り逃がした(私)。

次に獲物をくわえて止まり場を探していたメスを、

今度は時間を掛けて慎重にネットインできて、口の様子など迫力ある

姿をしっかりと見てもらった。しかし、私のネットさばきも腕が落ちたものだ。

普段、捕虫網をほとんど使っていないせいもあるが、

虫を採る真剣さにも欠けている。さすがに一度失敗して、子供たちに

オニヤンマを見せたいという気持ちで、少しは真剣味が増したようだ。

観察会を終えて、室内で標本教室を始めたころ、雨が急に激しく降り始めた。

自宅に戻ってから、1時間ほど昼寝をとった。

午後7時過ぎ。

仕事部屋のすぐ外で、クツワムシが賑やかに鳴いていた。

クツワムシIMG_4395.JPG

ヤシャブシの幹に登っていたが、高さは1メートル40センチあたりだ。

クツワムシとしては、高い位置で鳴いていた。

つい先日、朝食をとっていると、エノキの樹上を舞うタマムシが

窓から見えた。 「今年も、タマムシが多いなあ」

本日午後2時、灼熱を浴びながらタマムシが青空のなか飛び回っていた。

林の天井を見下ろしながら、梢スレスレに舞う気分とはどんなものだろう?

タマムシ飛翔IMG_4345.JPG

小さいけれど、わかるでしょう? 体を前方に少し傾け、ジェット機の翼のごとく

広げた前羽とか。 高度はだいたい8〜10メートル辺りだろう。

枝先を舐めるように舞うのは、雌雄のどちらだろう。

ふとクヌギ材置き場に目を移すと、産卵中のメスがいた。

そのメスを撮影していると、また別のメスがやってきた。 ブオオオオオオ〜ン。

タマムシIMG_4333.JPG

これだけサイズがあると羽音も迫力たっぷりだ。

私が通っていた松山市立城東中学校(現在は無い)の校門近くには、エノキがあった。

中学校は松山城の麓に近い場所にあったが、つまり鬱蒼と繁る照葉樹林の縁に

あって、昆虫も多かったと思う。校門のエノキでは、何頭ものタマムシが

ひしめくように舞っていた。

数年前、中学校の跡地を訪れてみたが、そこは城跡を再現した観光地になっており

中学校の面影は、ぽつんと残された小さな石碑だけだった。 じつに残念だ。

三股町文化会館ロビーでの写真展は昨日から開催。

23日(土曜日)が最終日。 明日18日(月)は休館日でお休みです。

開催期間中、仕事の都合上、会場にいることはできません。

20、21日の午後1時前後には顔を出す予定です。

※ やはりこの日程でも、無理となりました。

黒く熟したイヌビワの実。

観察可能な樹液レストランが無いゆえに、イヌビワれすとらんの賑わいが

ことさら目立つのである。

ハナムグリ2種IMG_4168.JPG

類似種が来ているので、それを識別せねばならないが、エサを巡って争ったり、

メスを巡って争ったりと、喧噪の中では見極めが難しい。

こちらは、シロテンハナムグリ。

シロテンハナムグリIMG_4225.JPG

多数撮影した写真画像から見ると、シラホシハナムグリもいくつか混じっていた。

そうだとすると、2種間で異種間交雑など生じないのだろうか?

今夏の写真点数は50点ほど。会場は天井が高く広大なスペースのロビーなので、

A0サイズはないと映えないとは思ったが、パネルの配置は去年のままだから

むしろ小さめのA3サイズも入れて、点数を多めにしてみた。A1サイズも倍に

増やして、そのぶんA2サイズは少なめにした。

今朝、あぜ道で羽化直後のイナゴの一種を見つけた。

推定羽化時刻は午前6時40分ころだろう。

イナゴ羽化701A9092.JPG

昨夜は盆祭りが無事に開催できたようだ。

私の家の窓から、盆祭り会場の公民館広場はよく見えるのだが、

仕事ゆえ、参加はできなかった。マイクの大音量の声がずっと届いていたから、

家にいながらにして、祭りに参加しているような気分にもなれた。

明日から開催される写真展の設営作業を行った。

宮崎に来てから、7回目となる。

さて、夏だからこそ、カメラストラップも頻繁に洗濯したい。

ストラップIMG_4144.JPG

先日、クマゼミがわがやの林で、一匹だけだが元気に鳴いていた。

これは珍しいことだ。 エノキの高い所で鳴いていた。

そして今朝は、すぐ近くの杉林で、ミンミンゼミが鳴いていた。

これも珍しいことである。

クマゼミは街中に多く、ミンミンゼミは山間部に多い。

街のセミ、山のセミ、と、きわめてはっきりと棲み分けている。

我が家は、山と街との中間地点にある、と言っていいだろう。

だから、時々、街のセミであるクマゼミが迷い込んでくるし、

ときには、山からミンミンゼミが降りてくるのだ。

世間の方々は忙しいので、セミの鳴き声に耳の神経を向けることはなく、

ただの騒音でしかないはずだ。「山のセミ?街のセミ?」

「うるさいだけだろうが!」と吐き捨てて、それでておしまいだ。

夏に、セミが鳴かなくなったら、それはそれで、耳がおかしくなりそうだけど。

さて、今朝は快晴だったが、そのあと天候は不安定で、時々、雨が降ってくる。

これは厄介だ。 今日は地区で盆まつりが開催されるからだ。

盆踊りIMG_4047.JPG

コブシIMG_4052.JPG

会場はきれいに準備万端だが、はっきりしない天候は悩ましい。

谷津田ではナガコガネグモが、網糸を張っていた。腰の振りを見ていると、

鼻歌でも歌っているようだ。

ナガコガネグモIMG_4077.JPG

さて、虫嫌いになった理由として、虫かごをやり玉に上げたが、

ではどうすればいいか、ということは観察会の現場では、説明している。

先月、ある観察会では、私の提言を実行なさって、驚いたことに

大量の焼酎ワンカップ空きビンを用意していた。

どこでそれだけの数を揃えたのかと、驚いたが、あるところにはあるのだ。

午前7時。犬の散歩で谷津田を歩く。

チョロも7歳となり、年齢なりの衰えを感じるようになった。

少し寂しいが受け入れるしかない。

生き物は、わかりきったことだが、必ず死を迎える。

休耕田に、久々に見るタテハモドキ夏型がいた。

タテハモドキ夏型IMG_3859.JPG

私の住む田上地区でのことだが、タテハモドキの発生年変動は大きいように感じる。

2008年の夏は多かったが、それ以降、ずっと少ないままである。

子ガエルが玄関を出たとたんに、多い。ピョン、ピョン、必ず左右に跳ねる。

そういう時期なんだ。 それは理解できても、玄関、出るたびに

「ナンデ、ソコニイルノ?」と言いたくもなるほど、ほんとに多い。

アマガエルIMG_3993.JPG

カエルが繁盛しているということは、エサになる昆虫も多い、と理解していいのだろう。

さて、小学生の頃、虫嫌いになった私をそれでも自然志向へと導いてくれたのは

愛媛県県立博物館だった。

下校時間に、博物館へ遊びに行ける環境とは、今思うとたいへん恵まれていた。

マッコウクジラだったか、下あごが大理石の螺旋階段に無造作に展示されていた。

ナフタリンの香り漂う博物館が、なにより心地良かったのであった。

お盆には、四国、愛媛に帰省する予定だった。

しかし急遽、フェリーの予約をキャンセルして、自宅にて仕事をしている。

いろいろ策を練ったけれど、やはり無理だった。

子供が小さい頃だと、かなり心痛んだけれど、もう今では問題ない。

それぞれ兄弟、自分の世界を持っているからね。

ま、家庭内にまったく波風立たないとも言い切れないが、仕方が無い。

犬も喰わない、夫婦喧嘩の一つや二つくらいは、ある。

さて、昨日の続きです。

私が小学生のころ、虫を嫌いになったわけの一つ。

それは、虫かごの中ですし詰めになった虫たちが、ボロボロの

無惨な姿になったのを見たときからであった。採ることに夢中になっていたものの、

その成果が、コレか!と、虫かごの中を覗いて愕然となった。

苦し紛れに虫達が吐いた体液で、虫かごの中は汚れていた。

私は昆虫採集のあり方をまったく知らなかったし、誰からも教わりもしなかった。

記憶に間違いないとすれば、たしかそのとき、私は虫嫌いになった。

哀れな昆虫の残骸の山を見て、嫌になった。

当時、昭和40年代のころの虫カゴといえば、ブリキ板と金網で出来ていたが、

今のプラ樹脂製と、基本的な構造では変わりない。

私は観察会に臨むたびに、ふと不安になる。

ピカピカの虫網と虫かごを手にした子供達大勢を前にして、戦慄を覚える。

この子達のなかで、虫嫌いになる子ができやしまいか?と。

何十年もの間、素材は違えど、虫かごのスタイルはまったく変わらない。

昆虫採集といえば、市販の虫かごが当たり前に使われてしまう。

続きは、また明日にて。

昨日の観察会で見つけた、寄生バチの繭をつけた、セスジスズメ若齢幼虫。

セスジスズメ幼虫と繭IMG_3769.JPG

寄生バチに栄養分を吸い上げられて、セスジスズメ幼虫に元気がない。

私が小学・中学生の頃、昆虫少年ではなかったことは、拙著「ぼくは昆虫カメラマン」

(岩崎書店)にも書いたし、講演の折りにもお話しすることもある。

先週、熊本市での講演では「私と本との出会い」というタイトルでお話をして

そのことについて、少し詳しく触れた。初めての演目でもあったが

下書きや原稿もないまま、思うことだけを語った。

私が幼少の頃は、ゲームもなく、野遊びがまだ全盛だった時代ではあったし、

たしかに、私はよく虫採りに出掛けた記憶が多く残っている。

だが、あるきっかけで、虫を採ったりすることが嫌になり、

すっかり虫の世界に背中を向けてしまったのも事実だ。

さて、今日も午前中、都城市のある児童館の子供たちと昆虫観察会を行った。

1年生から3年生までの子供達を見ていて、ちょうどこのころ

私は虫嫌いになったのだなあと、記憶を辿っていた。

なにが原因で虫が嫌いになったか? そのことは明日に書くとして、

今朝の観察会では嬉しいことが多くあった。

参加してれた子供たちは総勢40名くらいだったと思うが、

この企画に乗り気でない子もかなりいたのである。これまでは、

参加したい子だけを募っていたのだが、今日は児童館皆、参加であった。

だから、いやいや参加した子も多くいた。それは仕方が無いことだ。

しかし、歩き始めてしばらくすると、

「ぼくは、見学するだけだからね!」と乗り気のないことを宣言していた男の子が

私の捕虫網を手にして虫を追いかけ始めたのである。

さらに、もっとイヤイヤをしていた女の子が、「あ、これなに?」

「先生、ここに何かいる!」と、積極的に虫探しをしてくれたのであった。

昆虫観察会とは、私が思うに、主役は参加者の子供達である。

何かを教育せねばと資料を揃えたり、準備を工夫するのも否定はしないが、

できれば子供たちの旺盛な好奇心に期待したい。

だから、私は観察会のときに一切、資料などは持ち込まない主義を通している。

野外にフィールドに子供たちを連れ出せば、彼らはきっと眼を輝かせる。

好奇心を発動させる。そのとき、少しだけ大人が答えのヒントを語ればいい。

現場で一緒に見ながら、ちょっと知っているヒントを語ればいいのである。で、

一緒に驚き、感動を共有できればいいのである。

大人は、立派な大人になるほど、無邪気に感動できなくなるものだ。

さてさて、私が虫嫌いになった理由は明日にでも。

台風一過、しかし北風がまだときどき強い。おかげでかなり涼しく感じる。

午後から陽射しも出て、洗濯物がよく乾いた。

台風の影響で花壇の花はほとんどが折れて倒れた。若干、残った花に昆虫が

来ているが、撮影できる状態ではない。

明日の標本教室の準備でチョウを採集していたら、

オオカマキリ幼虫に先を超された。

オオカマキリIMG_3696.JPG

ススキでは、ツチイナゴ幼虫が食事中だった。

ツチイナゴIMG_3718.JPG

ようやく、ショウリョウバッタのメス成虫も現れた。

昨夜遅くから台風11号による風雨が激しくなった。

深夜、風と雨音で目が覚めたが、今日の午後3時頃まで猛烈な勢いは

衰えなかった。

林の木々が激しく揺れている様子が間近に見えて、今にも大枝が折れそうに

なり気になった。実際、すぐお隣のクリ林では、太い幹が数本、途中から

折れていた。折れた部分は、ミヤマカミキリ幼虫の食害を受けた箇所だ。

午後4時半ころ、風も雨もしだいに弱まってきた。

何より、霧島山を覆っていた雲が抜けて、山容がくっきりと現れた。

霧島山701A9005.JPG

どうやら峠を超したようだ。さらに午後7時前。

西に青空が見え、夕焼けとなった。

台風一過夕焼け701A9022.JPG

明日、九州と四国を結ぶフェリーの航路が早く回復することを願いたい。

一昨日、近所のアケビの蔓にいた、アケビコノハ幼虫。

台風の影響で振り落とされてはいまいか?

アケビコノハ幼虫701A8819.JPG

「ハムシハンドブック」文一総合出版、届きました。

これまで東海大学出版会の「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図鑑」が

頼りでしたが、最新の情報と鮮明な写真によるハンドブックは極めて有り難い

文献の登場となりました。これで、ハムシ類の世界がさらに広がります。

こうしたミニ図鑑を読んでから、たっぷり想像力を膨らませてから、

野外にフィールドに出てみましょう。

午前中に宅配便の荷物が届く予定だったので、草刈り作業は

庭から始めていた。 いつでも対応できるように気を配っていた。

夏休みに入ってから、講演と観察会が連日続いて林や草地の

手入れが滞っていた。しかも雨が多いので、朝から晴れた今日は何はともあれ

草刈り作業をすることにしていた。

1時間ほどして急に雨になった。急いで洗濯物を庇の下へと避難させ、

草刈り作業も終了とした。ちょうど旨い具合に宅配が来た。

大事な荷物を無事に受け取って、今度は山に出掛けた。車で10分程度の

裏山だけど、都城市、桝安森林公園だ。訪れる人には滅多に出会わない。

林道のいつもの場所では、モンキアゲハ、ミヤマカラスアゲハの吸水集団が

見えたが、撮影はせず通過した。

さて、帰り道。前から気になっていたセンダンの木の横に車を停めた。

我が家のセンダンはどれも巨木に近く、梢に手が届かない。

ところがその場所のセンダンは、手が届く位置に枝がいっぱいある。

で、狙いはセンダンハマキガの幼虫巣であった。

仕事でこの幼虫巣を撮影しておきたかったのだ。

あるある、巻いた葉が。

ほとんどがすでに空き巣で、羽化したばかりの成虫がアジサイの葉上に

いっぱいいた。 どうやら羽化ピークのようである。

センダンハマキガ701A8889.JPG

ハマキガ類はどれも小さいので、とっつきにくい蛾ではあったが、

このセンダンハマキガなどは拡大してみると、特徴的でかなり美麗種だ。

午前中、陽射しも強かったが、午後からは空模様がますます不安定となり、

急に雨となったり、青空が戻ったりと忙しい一日だった。

雨701A8909.JPG

枡安森林公園の頂上から、はるか彼方に桜島が見えた。

桜島701A8859.JPG

久しぶりに晴れ間が出た。 しかし、霧島山は雲の中だった。

午後6時過ぎ。 クヌギの梢で腰を曲げた、ヒメクロゴキブリ♀の姿があった。

ヒッメクロゴキブリ求愛行動701A8785.JPG

どうやら、オスを呼び寄せる性フェロモンを出しているのではないだろうか。

背面から見て♀であることを確認できた。

ここにオスが現れたなら、面白い行動観察ができたのだが。

(参考文献:鈴木知之 著「ゴキブリだもん」幻冬舎(2005) )

本種の体長は8ミリ前後で、小型のゴキブリ。翅の白い編み目状紋様が奇麗だ。

台風の進路が気になる。 九州に大きく影響が出そうなのは8日、9日あたりの

ようだ。

昨晩の講演会場のホテルを、朝早くチェックアウトした。

家に戻ってやるべき仕事があったのと、宿泊客が多いため朝食のレストランが

混み合うと聞いてもいたので、早めに出発した。

駐車場に向かう途中、アスファルトの路上にワモンゴキブリが転がっていた。

すばやく拾い上げてフィルムケースに入れた。

お持ち帰りである。 普通の人なら絶対やるまい。

ワモンゴキブリIMG_3676.JPG

すでに死んでいて、最初は仰向けになっていた⬇️ 触角は切れて短い。

ワモンゴキブリIMG_3677.JPG

熊本と宮崎の県境近くでは、雨が強く降っていたが、えびの市、都城市まで戻ると

雨はなかった。

今夜、我が家の林では、ウマオイとクツワムシが盛んに鳴いている。

午前中、陽射しがあった。カラリと晴れてはいるが、西の空は厚い雲に覆われており、

いづれ雨になるだろうと思えた。

2月に伐採したナナミノキは梅雨に入ってから、盛んに萌芽し始めた。

ナナミノキIMG_3640.JPG仕事部屋の外壁にはオニグモの卵のうがあった。 いや、場所や状況からオニグモとしたが、

本種の卵のうだとしたら、初めて見ることになる。かなり大きい。

オニグモ卵のうIMG_3646.JPG本日は、「学校図書館問題研究会 熊本大会」の分科会で講演。

今回は「私と本との出会い」という演目でお話をした。

いつもの昆虫写真たっぷりの講演内容とは違う、初めての試みだった。

話が枝道に逸れることも多く、予定の1時間を少しオーバーしてしまった。

会場のホテルは熊本駅のすぐ隣。

窓からは九州新幹線のホームが見えていた。

熊本駅IMG_3672.JPG

予想に反して、今朝はピタリと雨が止んでいた。

都城市、志和地にある「どんぐりの森」で昆虫写真教室を行った。

参加者は小学生と父兄の方々。

カメラはほとんどコンデジだったが、一眼レフを使う子もいた。

参加者の目線に合わせて、私もオリンパス μTough -6020 を使った。

撮影モードはP:プログラムオート、スーパーマクロLED。

スーパーマクロLEDに設定するとISOの設定をいじることができない、

ということを初めて知って、ちょっと驚いた。

今ではTGー3が大人気のようだが、生憎、私は持っていない。

スタッフの方が羽化直後のヒグラシを見つけてくれたので、まずはその木から

スタートした。 みんなセミの白い体にカメラを向ける。

写真教室P8020045.JPG

ヒグラシ羽化P8020039.JPG

どんより曇り空の下、とくに林のなかでの虫探しは効率が悪い。

ハグロトンボはなかなか寄せてはくれず、みんな歯がゆい思いをしていたようだ。

そこで網で捕まえてから、手に持って顔のアップを撮影してみた。

AFがうまく作動せず、これまた苦労の連続。それでも辛抱強く何回もトライして

写真をものにした子もいた。

クヌギの樹液にはヒメスズメバチ(写真)と

ヒメスズメバチP8020026.JPG

キイロスズメバチ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、など来ていたが、

みんなの期待が高かったクワガタムシの姿はなかった。

カラスに喰われたノコギリクワガタ♂の残骸が落ちていただけ。

こういう死骸も自然観察の対象だから、立派な被写体になるのだが、

カメラを向ける子はいなかった。 まあ、当然のことではあろうか。

薄暗い林内の梢に、ウスバカゲロウが止まっていた。

しかも3匹が寄り添うようにして。

ウスバカゲロウ8020050.JPG

写真では一匹だけだが、みんなが撮影して私の番が来たときには一匹になった。

ストロボを使った子もいて、その子の写真ではウスバカゲロウの翅が

ブルーに一部輝いていた。

で、改めて感じたのだが、今日のような場合、ストロボというより、フラッシュ

といったほうが伝わり易かったので、ずっとフラッシュで通した。

案外、ストロボという言葉はあまり一般的ではないようだ。

オリンパス、リコーイメージングではフラッシュ、だが

ニコン、キャノンはスピードライト。

Nissinなど専門メーカーはいづれもストロボ。 ともかくメーカーごとのこだわりが

あるようだ。統一して欲しい気もするし、どうでもいいか、とも思える。

明日は、熊本に移動。

今日も雨。 お隣の町、山之口小学校で講演。

1時間お話をしたところで小雨になったので、予定していた校内観察会を

行った。傘をさしたり畳んだりと忙しかったが、ちょうど羽化の始まった

ばかりのアブラゼミがいたりした。観察会は無理かと思っていたが、

種数は少なかったものの、身近な場所での観察会ができてよかった。

昨日とまったく同じように、庭の花壇にはチョウが舞っていた。

ミヤマカラスアゲハ、今日は♀が来た。 うしろ翅がわずかに欠けているだけで、

新鮮個体だった。我が家の林でもきっと産卵していくことだろう。

ミヤマカラスアゲハ♀701A8699.JPG

オオチャバネセセリ(次)は、ストロボのプリ発光に反応して飛び立ってしまい、

最初のうちはうまく写真にならないが、やがてストロボの閃光に慣れるのか

撮影しても平気に吸蜜を続けるようになる。

オオチャバネセセリ701A8758.JPG

同じセセリチョウ科でも、イチモンジセセリ(写真無)とチャバネセセリ(次)は

プリ発光にほとんど反応しなかった。

チャバネセセリ701A8771.JPG

花壇に立てていたタケ竿では、アオメアブが獲物(セマダラコガネ)をガッチリ抱え、

吸血していた。

アオメアブ701A8715.JPG

まるで梅雨が戻ってきたかのように、連日の雨。 明日も観察会が予定されている

けれど、天気情報を見る限りでは、危うい。

台風の影響で断続的に激しい雨が続く。

庭にはあちこち水たまりができて、長靴でないと歩けないほどだ。

正午前後、雨脚が弱まる寸暇にチョウが次々と花壇にやって来た。

待ってました!とばかり数種類のチョウがドッと集まってくる。

なかでも大柄のミヤマカラスアゲハ♂は、雨が激しくなって他のチョウ達が

散って行っても、かなりしぶとく吸蜜していた。

ミヤマカラスアゲハIMG_3541.JPG

雨が止むのはせいぜい3分保つかどうか。カメラのレンズ面が濡れないよう、

こちらは頻繁に屋根の下へと逃げ込むが、チョウのほうはいたって平然と

花から花へと舞っていた。 チョウの体や翅は雨水をよく弾くので、少々の雨なら

問題ない。しかし、今日のミヤマカラスアゲハ♂はなかなかの強者だった。

チョウの吸蜜集団に、オオスカシバの忙しい姿もあった。

オオスカシバIMG_3464.JPG