ひむか昆虫記 (original) (raw)
一昨日紹介したアザミウマの幼虫群が、今日も同じ場所にいた。
今朝は幼虫に混じって一匹だけ、成虫がいた。翅のある黒い個体が成虫。
おそらく同種であるかと思う。
アザミウマ類では幼虫が2令で、蛹は第1蛹、第2蛹、あるいは科によっては第3蛹の段階
を経ることもあり、かなり変わった変態を行うらしい。
分類も厄介なグループのようだが、成虫を採集しても専門家に依頼しないかぎり
同定は難しいと思う。
上の写真はマクロ100ミリレンズで撮影したものを少しトリミングしている。
あとでもっと倍率を上げて撮影するつもりだったが、
正午近くになって群れは消えてしまっていた。
そのあとも時間をおいて覗いてみたが幼虫の数はちらほらで、成虫はいなかった。
明日もう一度、成虫を探してみたい。
並んでいるクヌギ朽木の樹皮をめくってみれば、ヤマトシロアリの巣の一部が現れた。
卵塊を見るのは初めてだと思うが、ワーカーが卵をくわえてトンネルの奥へと運んでいく。
写真のワーカーはつまり後退しているところ。
卵塊の周りにはふ化直後と思われる小さな幼虫や、少し成長した若令幼虫がウロウロして
いた。
下2枚の写真は、キャノンのマクロ65ミリレンズを使用。
このレンズは1999年1月に発売され、私が購入したのは一年後の2000年だったと
記憶している。もう11年も使っているレンズだ。
ヤマトシロアリを撮影中、絞りがうまく作動せず「接点不良によりカメラとの連絡が
とれません」という警告が何度も出始めた。
そこでレンズの信号接点を磨いたらペーパーが真っ黒になるほど汚れていた。
磨いたあとは正常に作動して撮影できたが、長年使ってきて汚れが溜まっていたようだ。
こういったメンテナンスは日々常々やっておこないと肝心なときにシャッターチャンスを
逃すという最悪のケースも起こりうるだろう。
朽木を崩したり、朽木の樹肌を剥いだりしているとよく目にするのが、シロアリ。
さて、画面中央の頭部がでっかい個体はヤマトシロアリの兵アリ。
その隣の細長い体のは、やがて羽化すると羽アリとなるニンフ。女王か王アリの
いづれかになるのだろう。翅芽が胸部に見える。
そのすぐ下にいるのが職アリでもっとも個体数が多い。
たくさんの個体が集合し、アリと名前にはついているが、いわゆるアリさんとシロアリは
まったく別者であることは、意外と認識されていないと思う。
さてさて。
明日はお隣、鹿児島県曽於市財部町で昆虫観察会があり、私は講師として出向く。
先日、その現場を下見したところ、ムカシトンボの抜け殻が見つかり、
♂個体が目の前をビュンビュン飛び交っていた。
ムカシトンボを見るのは久しぶりだが、さすがに九州での発生は早い。
そこで明日は早めに現地に入り、ムカシトンボの羽化を撮影してみようと思っている。
案外、近場にムカシトンボの発生地があることがわかり嬉しくなった。
フィールドでの撮影に出るのも久々なので、準備も万端にしておきたい.
※ 家屋の材を侵食するイエシロアリの被害は甚大になる。森林で出会うヤマトシロアリも
家屋の湿った場所に侵入することがあるので、油断はできない。