ひむか昆虫記 (original) (raw)
_カメムシ_の最近のブログ記事
時折、小雨が降るなかニシキキンカメムシ幼虫探し。
場所は高知県。風もあってちょっと肌寒い。
カッパを羽織っていても暑いどころか、ちょうどいい按配。しかし私には自信があった。この時期ならまだ樹上に居残っているはずと。
探し始めて40分ほど、潜り込んだ木陰で見上げたそこに、幼虫達が並んでいた。真冬に探し当てたことはあるが、秋では初めて。素直にかなり嬉しい。
次々と葉っぱに張り付いた幼虫群が見つかった。
棲息地を案内していただいたTさんには大変お世話になりました。ありがとうございました。
また来年にも、Tさんとご一緒していただきたい。
短い時間だったけれど、充実した楽しい仕事ができたと思う。
写真は明日に。
ナツフジの豆さやには、ホソヘリカメムシの熟令幼虫が多い。
幼虫の姿は、アリにそっくりだ。
それとわかっていても、騙されてしまいそう。
今日は、羽化直後の新成虫もいた。
一ヶ月ほど前までは、ウラギンシジミやルリシジミの幼虫が多数、育っていたナツフジ。
刈っても刈ってもどんどん、蔓を伸ばして繁茂する。
ここには、クサギカメムシの5齢幼虫もいた。
羽化するまでには、もう少し太らねば。
自宅林のアカメガシワに、アカギカメムシがいた。
羽化直後の新成虫が多いが、5令幼虫の集団もいくつかいた。
林床を丹念に見て行くと、羽化殻も見つかる。
羽化して時間が浅い成虫は鮮やかな紅色。とても目立つ。
過去、2009年、2010年の両年、9月に繁殖しているが、
今回もそのときと同じアカメガシワで見つかっている。
もちろん雌株のアカメガシワで、3カ所。
さて、
拙著**「わたしはカメムシ」(ポプラ社)**の表紙写真は、2008年8月5日に串間市で撮影している。
裏表紙のほうは、2009年9月7日に自宅林で撮影。
こちらは家屋を背景にできる、好条件の位置にアカギカメムシ集団がいてくれたが、そのときの枝は台風で折れてしまい、今では無い。
毎年、9月に入るとアカギカメムシには気をつけていたが、見落としが無かったかと言えばそこは確かではない。かなり高所で繁殖するので、葉陰に紛れて見つけにくいこともあるからだ。
ただ、上記写真のように羽化殻
が必ず下草に落ちているものなので、
私がこれを見落とすことはないだろうと思っている。
アカメガシワを眺めているうちに、ハゼノキの実が気になった。
よーく、よーく、見つめていると、そこにはチャバネアオカメムシの卵殻から始まって成虫と全ステージの幼虫が群れている。
午前5時50分。
霧島山のこの山容から、すでに夏は終わった、と感じるようになった。
ある虫を探し歩いて、三股町の椎八重公園に立ち寄ってみた。
ここはツツジだけを植栽したおそろしくつまらない場所だが、川沿いにはわずかだけ自然植生がある。
すると、ハゼノキにヒラタミミズクがいた。
わかります?? どこだか。
三股町内で見つけたのは、これが初めて。猫の額のような自然環境も、しっかり見ておきたい。
ヒラタミミズクは、拙著「びっくり!?昆虫館」(岩崎書店)に幼虫、成虫の写真を掲載している。
国内では九州以南にしか分布しておらず、特に珍しい虫でもないが、多産地以外では探してもすぐに見つかるような虫ではない。
ましてや、かような擬態の達人。
夏日が続くとは言え、朝晩はかなり涼しくなった。
クズにいた、ホシハラビロヘリカメムシの終齢幼虫。
こりゃあ、もうすぐ羽化するなあ、と思い気に掛けていた。午前9時半。
予想通り、3時間後に羽化した。
三股町のお隣、日南市に出向いて、オオキンカメムシの様子を見て来た。
アブラギリの実では5令幼虫が吸汁している姿が多く、4令はわずか。
アブラギリは山間部に多いが、オオキンカメムシが繁殖する木は例年、ほぼ決まっており、きわめて局所的。アブラギリがあっても、必ずオオキンカメムシに出会えるわけではない。
残念なことに、その数少ないポイントの一カ所では大々的に皆伐されてしまい、アブラギリも消滅していた。
手のひら型の大きなアブラギリの葉っぱ付け根に二ツ並んだ、花外蜜腺。
アリなど昆虫が来ているところを、見てみたいね。
ヤブガラシの蔓に行儀良く鎮座していたのは、コスズメ3令幼虫。
ヤブガラシでは、セスジスズメが圧倒的に多いので、コスズメとの出会いはちょっと新鮮。
ところで、
スズメガ類の幼虫を調べるときには、必ず
松浦寛子さんの『日本産スズメガ科幼虫図譜』を開く。
本書の正式なタイトルは『わが友いもむし 日本産スズメガ科幼虫図譜』
英語で『MY DEAR CATERPILLARS』。
タイトル通り、著者の虫に向ける好奇心、探究心、感動、それらがぎっしりと詰まった一冊の本。
頁にぎっしりと並んだ水彩画が、「ああ、これこれ!」と思わず声に出したくなる迫力で語り掛けてくれる。
これほどに、虫への情熱を語る本があると、適わないなあ、とも思う。
自費出版ゆえかなり高額だけど、大事な宝物になっている。
アブラゼミのオスは、翅が擦れてボロボロの個体が多くなった。
写真のメスは羽化してまだ日が浅いようだ。
アブラゼミって普通種だけど、例えば翅をしっかり見てみれば、かなり美麗な紋様をしている。
片道8時間。往復16時間。現地(愛媛県面河渓)での撮影、2時間。
車の運転時間は11時間で、あと5時間はフェリー船内で休憩がとれるものの、少し疲れた。
しかし、今日の撮影は2年前から下見をして、今か今かとそのタイミングを待っていただけに、
天候にも恵まれ、予想以上の成果を得ることができた。
ケケンポナシの実。一昨年は全く花が咲かず、実は成らなかった。
昨年、花の撮影はできて実は成ったものの、オオツノカメムシは一頭も姿を見せなかった。オオツノカメムシの繁殖には、ケケンポナシの実が必須。
しかし、今夏は多数のオオツノカメムシが集まってきた!!
メスを探し歩く、オス。
何年ぶりだろうか? オオツノカメムシの姿を見るのは。ずいぶんと年月が経ってしまった。
オオツノカメムシとの最初の出会いについては、拙著「ぼくは昆虫カメラマン」(岩崎書店)に少し書いてある。
1令幼虫群を保護する、メス親。
来月には、成長した幼虫たちの撮影に訪れる予定。
次回は少し時間をかけて、ブナ林での撮影も予定に組んでいる。
戻りの八幡浜フェリーのりばで、階段にころがっていた、シンジュサン♀。
逃げるか?と慎重に掬い上げたら、すでに死後硬直状態だった。
ミミズクの体長は15ミリ前後もあって、 ヨコバイ科のなかでもヒラタミミズクに並ぶ最大種である。
え!?15ミリで、、という声もあがるだろうけど。
去年、自宅の庭で採集した♀が、数日で死んでしまった。土に戻す前に標本撮影をしておいた。
1年前の写真。
腹端下部を見れば、産卵管鞘があり、メスであることがわかる。
ミミズクという和名の由来となった、前胸背面の一対の耳状突起は、メスのほうがオスより大きいとされる。
しかし、写真の個体は背面からではわからないが、その耳状突起はそれほど大きくない。
じつは当初、オスだと思い込んでいたのだが、展翅、展脚を始めた段階でメスだとわかった。
耳状突起の大きさ、形態にはかなり個体差があるようだ。
エノキの幹を下へ下へと歩いていたゴマダラチョウのメスが、ピョンと小枝に飛び移って産卵を始めた。
アオバハゴロモの羽化も盛んだが、アミガサハゴロモも新成虫を見かけるようになった。
日を追って纏っている薄緑色の粉が剥げ落ちると、黒っぽくなる。
先日、産卵してやせ細っていたコガネグモが、もうお腹パンパンになっていた。
獲物はヤブキリのメス。これだけボリュームのある餌だと、食べ応えたっぷりだろう。
一方、ヤブキリだが今夏はやたらと数が多いように感じる。
ウメチビタマムシ成虫の写真が必要になって、しかしなかなか写真データが見つからない。そこで、それなら外で探して新規に撮ってやろうと猛暑の外へ出た。
外を歩いたほうが気分も良いし、日陰なら屋内より涼しい。
ウメチビタマムシ成虫はしばらくして見つかったが、まだ若齢のマインもいくつかあった。
今日も35度前後の猛暑だったが、午後4時頃、激しい夕立があった。しかし、帰宅した嫁さんの話しでは都城市の方では降らなかったそうで、かなり局地的な雨だったようだ。
午前中はときおり小雨が降る程度だったが、午後から少し雨脚が強い時間帯もあった。
雨宿りで飛来したのだろうか。
玄関の門灯に近い壁に、ミナミマエグロハネナガウンカが、朝からずっと同じ場所に留まっていた。夜間、門灯は点けてないので夜の灯りに飛来した居残りではない。
実際には垂直の壁に止まっており、写真は見易いように反時計回りに90度回転してある。
本種の幼虫は、クヌギ朽ち木などにつく菌類から養分を吸って成長する。毎年、6月頃から成虫が羽化し始めるが、幼虫の体は優れた隠蔽擬態ゆえ、気合いを入れて見ていないと、見落としてしまう。
多少の雨なんぞ平気さ、と、クヌギ樹液には入れ替わり立ち替わり、昆虫の来客が多かった。
夕方になって居残っていたのは、カナブンだった。金属光沢を出すために、ストロボ光を強めに当てている。