アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』放送記念インタビュー:千早愛音役・立石 凛さんに聞く、作品の魅力と新たな挑戦 (original) (raw)
バンドリ!プロジェクトのアニメ新シリーズ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』が、2023年6月29日(木)より放送スタートした。
声優が実際にバンドを結成し、積極的に生演奏のライブ活動を行うことも魅力の次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」。その新たなバンドとして、2022年4月29日に誕生してから多数の楽曲リリースやライブ活動を行い、自分たちの色を見せてきたのが「MyGO!!!!!」だ。誕生してから約1年間は、キャストが誰なのか明かさずに活動したことも話題となった。そして、2023年4月9日に開催された4th LIVE「前へ進む音の中で」にて、ついにキャストを発表。今回、待望のアニメ化となった。
「MyGO!!!!!」のメンバーを演じ、歌唱や演奏を担当しているのは、Vo.高松 燈(たかまつ ともり)役・羊宮妃那さん、Gt.千早愛音(ちはや あのん)役・立石 凛さん、Gt.要 楽奈(かなめ らーな)役・青木陽菜さん、Ba.長崎そよ(ながさき そよ)役・小日向美香さん、Dr.椎名立希(しいな たき)役・林 鼓子さんの5人。
そんな注目の「MyGO!!!!!」から、ギターを務める立石 凛さんにインタビュー。アニメの見どころや千早愛音の役作り、楽曲や演奏のこと、ライブの思い出までたっぷりとお話をうかがった。
(取材・文・写真=千葉 研一)
アニメではキラキラした青春だけでなく、リアルな悩みや迷いも描かれます
――髪の毛伸びましたね。ドキュメンタリー番組「MyGO!!!!!のしおり」で1st LIVE「僕たちはここで叫ぶ」の映像が流れましたけど、その時はまだ短くて。
すごく伸びました。宣材写真もまだショートなんですよ(笑)。
――1st LIVEから約1年、いよいよアニメの放送がスタートしました。まずは、ご覧になった感想からお聞かせ下さい。
画面の中ではありますけど、私たちの演じてきたキャラクターたちがちゃんと生きているんだと分かって、すごく嬉しくなりました。絵もめちゃくちゃ綺麗ですし、動きもリアルで。特に、ギターを演奏する指や弦の震え方がすっごくリアルだなと思いましたね。
――オープニングで自分たちが歌う楽曲が流れ、演じたキャラクターが喋って動くわけですからね。
そうなんですよ。グッと胸が熱くなりました。
――立石さんは、アニメの出演自体がほぼ初めてですよね?
はい。名前のついた役柄でアニメに出演させていただくのは、この作品が初めてになります。自分の演じたキャラクターが動いているのもそうですが、クレジットに名前があるのは本当に嬉しかったです。
――キャラクターたちの様子は、YouTubeで公開されているショートムービー「MyGO!!!!!メンバーの日常」で少し描かれていましたが。
それでしかキャラクターを知ることができなかったんです。今度はアニメで、しかも今まで描かれてこなかった「MyGO!!!!!」の結成についても、皆さんにやっと知っていただけます。
――結成のことを含めて、アニメではどのような「MyGO!!!!!」が見られるのでしょうか?
先輩方が築いてきた『BanG Dream!』は、すごくキラキラした高校生の青春が描かれていたと思います。もちろん、「MyGO!!!!!」にもそういったキラキラした部分はあります。でも、それよりももっともっと、心の中にある彼女たちの悩みや迷いにフォーカスが当たっていて。私たちのリアルな生活にあるような、親近感のあるストーリーになっているんです。演奏や楽曲といった『BanG Dream!』が持っている魅力以上に、今までの『BanG Dream!』を知らなかった人にも楽しんでいただける内容になっていると思います。
アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』キービジュアル
――ストーリーが注目であるのと同時に、やはり楽曲も注目です。「MyGO!!!!!」の楽曲はテーマ性をすごく感じますよね。
「MyGO!!!!!」というバンドには、『迷子でもいい、前へ進め。』というキャッチコピーがあって、今までの楽曲の歌詞からも「迷っている」ことが分かると思うんです。「MyGO!!!!!」がどうしてそういうバンドになったのか。それも今回のアニメで見てもらいたいところですね。
――これまでライブ活動を重ねてきましたが、「MyGO!!!!!」のバンドの誕生については、みんながこれから知っていく感じなのですね。
はい。なので、ライブを見たことのない人でも大丈夫です。ぜひたくさんの人にアニメを見ていただきたいです。
――ちなみに、バンド名が「MyGO!!!!!」だと最初に聞いて、この綴りを見たときはどう思いましたか?
この字面を見た時は、「My GO」だから「進む」みたいな感じなのかなと思いました。でも、いろいろお話や設定をうかがうと「迷子」なんだと。バンド名のイントネーションも「マイ、ゴー」ではなくて「マイゴ」ということで、最初はビックリしましたね。いまだに、いろいろな読み方をされている人もいるんじゃないかなと思います(笑)。
友達と話す明るさと、モノローグでの冷静なところの演じ分けは意識しました
――立石さんが演じるのはギター担当の千早愛音です。彼女には最初どんな印象を受けましたか?
愛音ちゃんはパッと見ただけでわかるように、「MyGO!!!!!」の5人の中では1番明るくて、みんなを引っ張っていく力のある女の子です。そんな根本的な性格を受けて、ライブのMCなどでも、みんなの会話を回すような立ち位置にいたんですよ。
立石さん演じる「MyGO!!!!!」千早愛音
――それが今回のアニメで印象の変わったところも?
そうですね。アニメの台本をいただいたら、やっぱり愛音ちゃんも明るいだけじゃなくて、心に抱えるものがあって。愛音ちゃんなりに迷って頑張って一生懸命進んでいく姿が描かれていました。アニメを見て、明るさ以外のいろいろな面を知ることによって、もっともっと愛音ちゃんを好きになってもらえると思います。
――そういう面を出すために、どのような役作りをして臨み、実際のアフレコではどのように突き詰めていったのでしょうか?
作品のカラーもありましたから、最初に愛音ちゃんの役を受ける際に自分の中で作っていったのは、もう少し落ち着いたといいますか、冷静で暗めな感じだったんです。でも、「もっともっと明るくていいよ。もっともっと愛音ちゃんは強引でいいんだよ」とディレクションいただき、そうなんだと気づきました。冷静なところはありますけど、やっぱり表面的にはもっと明るくていいんだなって。そこはディレクションをいただいて変化した部分ですね。
――声の出し方も意識したのでしょうか?
声色も若干高くしようと意識しましたが、彼女はすごく頭のいい子なので、心の中では冷静に物事を考えていると思うんです。なので、モノローグのときは落ち着いたトーンにして、逆に友達に話しかけるシーンではいつもの明るさを出す。その演じ分けを意識するようにしました。
――ある意味、女子高生らしいといいますか、お友達といるときは明るいけど素のときは冷静に考えているって、とてもリアルですよね。
そうなんですよ。こういう子いるよなって、愛音ちゃんを見てすごく思います。
――ご自身の学生時代を振り返ることもあったのでしょうか?
私は愛音ちゃんみたいに周りに積極的に話しかけにいくタイプではなかったので、愛音ちゃんにめちゃくちゃ近しいかと言われたらそうではないです。ただ、冷静な思考や、頭で考えながらも人の目、世間体を気にして行動するのはすごくわかりますね。実際にやっているかどうかは置いといて、ですが(笑)。
――普段の立石さんは、1人でゲームをやっているインドア人間だそうで。
そうです(笑)。
――どんなゲームをよくやっているのですか?
パソコンでFPS(※)をやっています。
※ファーストパーソン・シューター(First Person Shooter)。1人称視点(プレイヤー視点)で、主に銃などの武器や素手を使って戦うゲーム。
――あ、ガチの人だ(笑)。
立石: はい(笑)。Nintendo Switchのゲームとかもやりますけど、1番好きなのはパソコンでやるゲームですね。ガッツリ撃ち合いをするのが好きです。
――実はゲームしていると口が悪くなるとか?
大丈夫です(笑)。イライラはしますけど。
――そういう時は大阪弁になるんですか?
そうですね。ひとりでいるときは大阪弁です。
※立石さんは大阪府出身
初めてのエレキギターで、一番大変だったこととは?
――冒頭で1st LIVEのことに触れましたが、これまでの「MyGO!!!!!」の活動では、やはりライブの存在は大きかったと思います。特に印象に残っているライブを教えてください。
全部思い出深いですが、一番印象的と言われると、やっぱり4th LIVE「前へ進む音の中で」になりますね。4th LIVEは今までの「MyGO!!!!!」からワンステップ違うステージに進む意識がありました。(それまで未発表だった)キャストの発表をお客さんたちがどう受け止めてくれるんだろう? という思いでしたし、実際に発表した時にすごく喜んでくださっているのを目の当たりにして、今まで頑張ってきて良かったなと実感しました。もっともっと「MyGO!!!!!」が成長するのを見て欲しい、これからも頑張るぞ! とより思えたのがこのライブですね。
それから、ナンバリングのライブではないですが、ベルーナドーム(「BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020→2022」「ブシロード15周年記念ライブ in ベルーナドーム」)でオープニングアクトをしたのもすごく印象に残っています。初めてこんなに大きな会場でのライブをしたことももちろんですが、私たちは「声出し」を初めて経験したんです。このライブで聞いた皆さんの熱量は、言葉では表現しきれないような感覚で、すごく印象に残っています。
――活動を始めたときは、声出しできない状況でしたからね。
そうなんです。初めての声出し、初めての大きな会場……いろいろなことが重なって、すごく感動しました。
――ベルーナドームもそうですが、何度もライブをやってきた中で、メンバーが誰なのかはSNSなどで話題になっていましたよね?
なっていました。「もしかしたら誰々なんじゃない?」という予想がたくさんあって。
――それについてメンバーと話すこともあったのですか?
「みんな特定早いね」みたいな話はしていましたね。
――そういえば、メンバーの中では「妹キャラ」と思われているそうで。
そうなんですよ。みんなでいるときはそうなるんですかね?(笑)
――そんな立石さんは、エレキギターを弾くのは「MyGO!!!!!」で初めてだったとお聞きしました。やってみて、どういうところが大変でしたか?
1番大変だったのは、演奏よりも「ギターを弾きながら動く」ことなんです。アコースティックギターの経験はあったので、弦の押さえ方はわかっていましたし、幼い頃からダンスをやっていたおかげでリズムを取るのは昔から得意でした。なので、演奏面は先生から教わりながら、少しずつステップをあがっていく感じだったんですけど……ギターを弾きながら前に出るとか、そもそも立って演奏する経験がなくて。座って弦を押さえるのと立って押さえるのとでは感覚が違って、「押さえにくい」となることが多かったです。
しかも、私たちは主にシルエットだけを見せるステージでしたので、見栄え的につまらなくならないように「激しいアクションをして華やかにしたいね」という話を先生方としていたんです。そのために「ここでジャンプをしよう」「ここはグルっと回ってみよう」「2人で交差してみよう」……といったパフォーマンスをいろいろ考えました。ただ、弾きながらやろうとすると、どうしても動きが止まってしまうこともあって。弾きながら動くことが1番苦労しました。
――1st LIVEから見ている人は、段々と動きのぎこちなさがなくなってきたと感じているかもですね。
そうかもしれないです。
アニメの OP & ED は「 MyGO!!!!! 」らしさや初めてが詰まった曲
――アニメの話に戻りますが、「MyGO!!!!!」が歌うオープニング曲とエンディング曲にも注目です。せっかくですので、ギターとしての聴きどころや好きな部分を教えてください。
オープニングの「壱雫空(ひとしずく)」はすごくテンポが速い曲で、ドラムやギターも疾走感があります。リードギターの青木陽菜ちゃんが演奏しているメロディ部分は、聴いていて本当にアガりますね。(サイドギターの)私は基本的に2ビートで弾いているんですが、落ちサビでちょっと落ち着く部分があるんです。そこはアルペジオ(※)で弾いていて、(高松)燈ちゃんの歌声とすごくマッチするので、「壱雫空」の中でも特に好きな部分ですね。
※コードを一音ずつ鳴らす奏法
――オープニング映像も、晴と雨の2種類あるCDジャケットも「MyGO!!!!!」の色が出ているというか、作品にすごく合いますね。
そうなんです。オープニングが曇り空から始まるのも、「MyGO!!!!!」らしいなと思って。普通、アニメのオープニングなら快晴の空の方が似合うと思うじゃないですか。でも、歌声や歌詞も含め、曇り空から始まってサビで晴れるのがすごく「MyGO!!!!!」を表していて、めちゃくちゃお気に入りです。
左:通常盤ジャケット・右:Blu-ray付生産限定盤ジャケット
――アニメのストーリーが進むにつれて、楽曲を聴き直すとまた違う印象を受けそうですね。エンディング曲はいかがですか?
「栞(しおり)」は、私たちの初めてのアコースティック曲になります。燈ちゃんを演じている羊宮さんがアコースティックにすごく合う声をしているので、「いつかアコースティックをやりたいね」ってメンバーでずっと話していたんです。ライブでアコースティックバージョンにして披露した曲はありますけど、アコースティックの楽曲は初めてだったので、最初に聴いたときは嬉しかったですね。
この曲は、私のギター1本とボーカルだけで最初進んでいくんです。ギター1本だから間違えられなくて、練習でも毎回すごく緊張します。そして、途中からみんながバンドインすると、音の圧があがって一気に迫力が増すんですね。ライブで披露する機会があれば、そういうところにも注目して聴いてもらいたいなと思っています。
――では最後に、今回の役をきっかけに、どういう役者を目指していきたいかお聞かせ下さい。
『BanG Dream!』に参加させていただき、声優としては珍しくバンドなどいろいろな濃い経験をさせていただいています。今後どのような役者になりたいか、正直に言うと、まだ分かっていません。まずは今やらせていただいていることを精一杯やって、少しずつ成長していきたい。それを心の中に1本の芯として持っています。そうやって続けていく中で、どんどん自分の魅力を皆さんに知っていただけたらいいなと思っています。
――作品と合わせて、ひとりの役者としても楽しみにしています。ありがとうございました。
【お知らせ】インタビュー記事公開を記念し、読者プレゼントも実施いたします。詳細はツイートを参照。
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【募集期間】
7月19日15:00〜7月30日23:59
※詳細:https://t.co/O7XdHzl8Gi— オタク総研 – 新・総合ニュースメディア (@OtakuLabJP) July 19, 2023
作品情報
「一生、バンドしてくれる?」
高1の春の終わり。羽丘女子学園では誰も彼もがバンドをしており、
遅れて入学した愛音も早くクラスに馴染めるよう、急いでバンドメンバーを探す。
そんな中、「羽丘の不思議ちゃん」である燈がまだバンドを組んでいないと知り、
愛音はなんとなく声をかけるが……。
傷だらけで不格好な、私たちの音楽(叫び)。
迷子でもいい、迷子でも進め。
【放送】TOKYO MX ほか
【配信】ABEMAにて30分先行配信・毎週木曜22:30~23:00 ほか
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