羽田新ルート|江戸川区議会「24年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答) (original) (raw)

江戸川区議会の「24年第3回定例会」決算特別委員会(10月4日)で、羽田新ルートに関して質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約3千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は環境課長


大橋美枝子 議員(共産)

大橋美枝子 議員(共産)
大橋美枝子議員(共産、区議4期、千葉大卒、75歳)

大橋:新ルートに限って、どんなふうな内容が寄せられているか?

おはようございます。よろしくお願いします。私はいつもこの項(環境費)でお聞きしております、羽田空港新ルートについてお聞きします。

まず、騒音の問題で資料を頂いておりますけれども、様々な騒音の問い合わせが一覧になっておりまして、一番多いのが工事関連の騒音というふうに認識したんですが、このことの問い合わせも結構来ていますので、やっぱり区としては対応を引き続きお願いしたい。と同時に、新ルートに限って、どんなふうな内容が寄せられているか教えてください。

課長:音に関する苦情が9割ほど

環境課長
(環境課長)

令和5年度の航空機に関する苦情ですけれども、やはり航空機の騒音がうるさいという、音に関する苦情が9割ほどとなってございます。

その他については、航空機がルートを逸脱して飛んでるんじゃないかとか、そんなような意見がございました。以上です。

大橋:新ルートの見直しを国に求めてほしいのですが

やっぱり音はとても、生活の上で気になるということで、今日も「南風悪天候」で6時台から飛んでましたので、う~んといつも私は思うんですが、南風の場合はやむを得ないという事情も含めて、ずっと経緯はあるんですが、新ルートは別に新しく加わっているので、私はここは問題にしたいということで、いつも取り上げているところです。

改めて、新ルートができたことによって2022年度、区内を上空を通過する航空機が4.3倍になっていると私は計算して、この前もお話はしておりますが、やっぱり改めて新ルートの見直しを国に求めてほしいのですが、いかがでしょうか。

江戸川区_通過機数・騒音発生回数の経年変化
羽田新ルート|江戸川区の騒音測定データを可視化」より

課長:撤回に関して求めるような意見は考えてございません

新ルート、羽田空港の機能強化については、少子高齢化であったりとか、あるいは人口減少が進んでいく中において、国であったり、あるいは首都圏の発展を見据えた国の責任の下で行われている事業でございます。

この必要性については区も理解をしているところでございまして、このため、新ルートに関して国に対して何らかの意見を求める考えは、撤回に関して求めるような意見は考えてございません

一方で、航空機の騒音であったりとか安全性に関する安全の徹底みたいなことについては、引き続き国に対して求めていきたいというふうに思っております。以上です。

大橋:区独自に騒音対策、具体的な対応をしてほしい

答弁、基本的に同じと思いつつ、でもきちんと騒音のことなどは国に求めていきたいということで、そこはぜひ引き続きお願いしたいと思います。

具体的に国が環境基準を見直して騒音対策をするとか、本来ならそうするべきだと思うんですけれども、そこをなかなか動かないというのもこの間のやり取りでお聞きしていますので、区独自に騒音対策の何かこう、具体的な対応をしてほしいっていうこと、前も質問し意見を言ってるんですけども、その辺りの考え、いかがでしょうか。

課長:区独自に現状、助成を行うという考えは持ってございません

区内の航空機騒音の発生の状況については、環境基準を下回ってる状況でございます。
国も航空機騒音防止法の基準のもとに、防音の助成事業を行っているところでございます。ですので、区として独自に現状、助成を行うという考えは持ってございません

先ほど申し上げました通り、航空機の騒音の軽減については、引き続き国に求めている考えでおります。以上です。

大橋:羽田空港の周辺の部品欠落というデータがぜひ欲しい

実際に私もこの間、たまたまですけども、小学校の運動会に行きましたら、やっぱりかなり校庭の上を航空機が通過していくのは、音がすごいなっていうふうに改めて思ったので、学校、病院、福祉施設などへの騒音防止、これを引き続き国にはきちんと求めていただきたいというふうに、改めて意見として述べたいと思います。

次に、落下物のことなんですけれども、「今のところ羽田空港のとこはない」ということで資料をいただいております。

ただ、部品欠落は結構あるというのは事実ですから、そのうち羽田空港の周辺の部品欠落というデータがぜひ欲しいんですけれども、そういう一般的なデータは出ていると思うんですけども、羽田空港周辺みたいなそういう資料っていうのはないものでしょうか。

課長:羽田空港周辺の部品欠落に特化したデータ存在していない

羽田空港周辺の部品欠落に特化したデータというのは存在してございません。ただ、国は部品欠落に関して、羽田空港の特設ホームページで細かいデータを公開してますので、そのあたりで確認をすることは可能でございます。以上です。

大橋:固定化回避に係る技術的方策検討会、何かご存知?

引き続いて、丁寧に対応するということは仰っているのでお願いしたいんですが、新ルートの固定化回避に係る技術的方策検討会っていうのが、実はこの2年間行われていない、その状況について何かご存知でしょうか

課長:新しい情報、特にございません

ご質問の検討会の開催に関しては、我々の方でもたびたび国に対して確認はしております。ただ、進捗に関して何らか新しい情報があるかというと、こちらについては特にございません。以上です。

大橋:(1月2日の衝突事故)国からの事故に関する状況説明は?

このことに関しては関心がありまして、実は7月末に国会議員による国交省レクというのがありまして、そこに傍聴に行ってまいりました(写真)。

https://1manken.hatenablog.com/entry/2024/08/2/new-haneda-flight-routes

国交省としては、「新ルートの滑走路の使い方は変えない。滑走路を変えずに、固定化回避ができないかと検討している」という回答だったんですね。

私はこれは納得してるわけではないんですが、ただ国がそう言ってることに大変私は疑問に思っていて、年内に開催予定とも受け取れる発言もありましたけれども、やっぱりその中身がね、この荒川ルートもぜひ触れてほしいっていうふうに思うもんですから、ここで意見を取り上げました。

最後に、航空機事故について伺います。1月2日のことについて区もいろいろとパイプがありますので、いろいろ聞いていると思いますけれども、その後、国からの事故に関する状況説明はあったんでしょうか

課長:随時情報はいただいております

事故に関する情報は、1月2日の事故当日から我々の方に提供されてございます。その後も先般、「中間まとめ」が提供されましたけれども、そういったものについても随時情報はいただいております。以上です。

大橋:新ルート、ぜひ中止

私もいただいた資料も見ながら、管制官の増員とか積極的な面があるとも聞いています。また、JALが7月から1枚のドアに1人の乗務員を配置するという方向を打ち出したということも聞いています。

ただ、素人の考えですけれども、離陸と着陸を同じ滑走路を使うっていうことがね、羽田空港の過密化も含めて事故の原因ではないかというふうに懸念しているところです。

今、事故は絶対あってはならない。これは当然のことですけれども、引き続き国との対応もしながら安全な航空行政を求めると同時に、やっぱり新ルートはその問題で言うと心配がつきませんので、ぜひ中止ということを改めて重ねて申し上げて、終わります。以上です。

雑感

江戸川区議会の定例会本会議の一般質疑応答で羽田新ルート問題を積極的に取り上げているのは大橋美枝子議員(共産)。あと牧野けんじ議員(共産)が1回(次表)。

羽田新ルートに係る定例会本会議一般質問実績

南風時に都心を通過して羽田に向かう着陸ルート(15時~19時)よりも、北風時に荒川沿いを北上する離陸ルート(7時~11時半・15時~19時)の運用時間のほうがはるかに長いにもかかわらず、羽田新ルート問題への区議会議員の関心はすこぶる低い。

区議の関心が低いからなのか、課長の答弁は素っ気ない。

あわせて読みたい