「ラストマイル」と「マッドマックス2」を観た (original) (raw)

月初に見たマッドマックスも含めると今月は3本視聴。ラストマイルは劇場公開直後に、マッドマックス2午前十時の映画祭で観てきました。

ラストマイル

last-mile-movie.jp

「アンナチュラル」「MIU404」を両方とも観ていたので、同じシリーズということでラストマイルも観てきました。

おそらくAmazonをイメージしたであろう外資系巨大ECサイトの物流センターを舞台として、ブラックフライデーの時期に起きた連続爆破事件をセンターに勤務する社員の視点から描いています。

普段は目にすることのないような倉庫内の機械、棚、ベルトコンベヤーや、途方もない人数の派遣社員役のエキストラを使っていたりして映像の見ごたえはバッチリ。

私は倉庫バイトをしていたことがあるのですが、「そうそうこんな感じだったよねー」と思うような表現もありリアリティがありました。

満島ひかりの役、最初の方はミステリアスで掴みどころのない役柄に思えたのですが、ストーリーの進行とともに人間らしくなっていくのが良かったです。

主人公達だけでなく、「運送業者の中間管理職」や「末端のドライバー」、「サイトの利用者」「警察官」などお互いが直接関わるわけではない様々な登場人物の群像劇になっていることで、状況のノンストップ感が演出できていて素晴らしい。主役も脇役もそれぞれの言い分をぶつけ合っていて、メッセージ性がありました。

また、事件の解決だけでなくそれぞれが抱えた問題が少しずつ解決されていくカタルシスもあり。

物流系の社会問題をうまく絡めてストーリーに落とし込んでいて、観た人はかなり考えさせられるんじゃないでしょうか。明日から家に届く荷物を開けるのがちょっと怖くなる、という毒が盛られた作品になっています。

マッドマックス2

マッドマックス2 (字幕版)

こちらはリバイバル上映。8月上旬に上映されていたマッドマックス(1979)に続いての上映です。

今作の悪役はホッケーマスクにボンデージファッションのムキムキ男という変態にしか見えない意味不明な男(ヒューマンガス)。ラスボスのキャラ立ち含めて世界観の荒れ方が振り切れていて面白い。前作にあったような文明の残り香も消え失せ、暴走・略奪・暴行なんでもありの荒廃世界になっています。

ラスボスのヒューマンガスの手下にはウェズという赤いモヒカンの男がいて、こいつが狂犬すぎてヒューマンガスよりよく喋るしよく暴れて状況を引っ掻きまわしていく。

最後はヒューマンガスとともに壮絶な死を遂げるんですが、散り様も見事でした。

主人公サイドにいるブーメランを投げまくる子供(フェラル・キッド)も、言葉が喋れない設定故台詞はないのに、表情や仕草だけでいい雰囲気を出していて好きなキャラです。そして作中の登場人物の中でもかなり戦闘力が高いという意外性。

ジャイロコプターに乗っているジャイロ・キャプテンは、登場時こそ印象最悪でしたがなぜか勝手に色々手伝いをしてくれたり、主人公の命を救ってくれたり…気づいたらちょっとイケメンに見えてきます。

前作よりも迫力のあるカーチェイスや火薬を用いた特撮で見応え十分でした。クライマックスの爆破シーンはこれでもかという勢いで火の手が上がり、スクリーンいっぱいに火柱が上がるド迫力の映像が楽しめました。

ストーリーの内容としては善も悪も入り乱れて他人を利用しようと動いている感じが世紀末らしく、荒廃した世界をうまく表現していたと思います。北斗の拳Falloutシリーズなど、後世の娯楽作品に「世紀末」として通じる世界観を確立したのがマッドマックスシリーズの功績なんでしょうね。

「怒りのデス・ロード」、「フュリオサ」も今後観てみたいです。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(字幕版)

マッドマックス:フュリオサ