Adventures Room (original) (raw)

鯉という魚は、水草や藻を食べている大人しい魚だとばかり思っていたけど、実際はザリガニやタニシ等を含め、水中にあるものは全て彼等のご馳走なのだそう。胃を持たない為、常に何かを食べ続けていないと生きていけないらしく、一帯を食い荒らすモンスターである一面もあるのだとか。

この大食漢モンスターの主な釣り方は、練り餌を用いたJAPANESE STYLEや、ボイリーを用いたEUROPEAN STYLE等、基本は餌釣り。なので、まだまだオッサン限定なイメージが強い。スポーツフィッシングの位置付けにまでは程遠いけど、此度の釣行記がイメージ刷新に繋がればとてもハッピーだ。

場所は、緩やかな流れが効いたイイ感じの用水路。魚影は濃く、その大多数は鯉である様に見える。この中に鯰が混じっている事を期待しながら、キャタピーJr.で探ってみると、早速ルアーの着水と同時にラインが一気に引っ張り出されて行き、ドッカン!バッシャン!と、用水路はいきなり爆荒れ。いきなり鯰か?と興奮しつつも、残念ながら鯉。鬼アワセが効いたのか、しっかりと口元にフッキングが決まっていた。

そしてお次は、キャタピーJr.を追い掛けてからパクリ。鯉は、静止している餌を吸い込む様に食べる印象が強かったので、これはとても衝撃的なシーン。そして、鯰以上のモンスター級のビッグファイトにテンション爆上がりだ。充分にゲームフィッシングと呼べる展開だけど、これはただのマグレなのだろうか?とにかくキャタピーJr.は、ボロボロ。

最近、鯉専用ルアーなんてのが発売されてるみたいだけど、使い方はルアーを置いておいて吸い込むのを待つだけ…みたいなルアーを餌化したヤツ。やっぱり怪魚釣りは、バシッと撃ち込んで、バフッと食わせ、ガッチリ釣る!ってのじゃなきゃ物足りないけど、今回、鯉釣りにおいてそれが可能である事を証明した。何事も可能性は無限。

Yahooショッピングで利用可能なクーポン券(1000円分)をGET。使い道に悩んでいる時、とあるブログを発見。自分で釣ったエビを唐揚げにし、生ビールと共に頂くというもの。これだ!と、早速ポイントを使ってテナガエビロッドを購入。自己負担額は数100円だったので、なかなか良い買い物だろう。

テナガエビとやら…。初挑戦なので、何処でどんな仕掛けを使えばイイのか、全く知りま1000円。知っているのは、ヤツがエビである事と、手が長い事ぐらい。こんな絶望的な素人がエビを釣り、唐揚げにして食べようって話なのだから、大したもんだろう。とにかく今は、配達されてきたテナガエビロッドが魔法のステッキかの様に、キラキラ見えて仕方が無い。

先ず奴等の身元を調査。ハイシーズンは梅雨との事。今年の梅雨は、雨量が絶望的に少ない上、熱中症警戒アラートを伴う災害級の酷暑に見舞われている所ではあるが、一応今はハイシーズン中に当たるので、肯定的に捉えておく。仕掛けは、市販のテナガエビ用のものを使用するとしても、肝心の餌は何を使えばイイのだ?ネット情報によると、赤虫やミミズ最強説が唱えられているが、移動中、急ブレーキにて車内にぶち撒けたら…と思うと、最強で無くても良いと思った。そこで選んだのは、セブンプレミアム生ハム。スペイン産豚ロース肉と、桜のチップでほどよくスモークした香りと豚ロースの旨味とコクがテナガエビを襲う!

奴等のアジトとされるテトラ帯に潜入。奴等が餌に誘惑されている所や、騙されて針に掛かった所等々、全てウキを通じてお見通し。餌を投入すると程なくして、ウキが左右に動き出した。まだヤツらのロングアームで突っ付いている最中だと思われるので、焦らずその時を待つ。何となくウキの動きが落ち着いてきた所で、スッとロッドを垂直に上げると、12cmのナイステナガエビがぶら下がっていた。歓喜の雄叫びを上げたい気持ちを必死で抑える。

では、軽く片栗粉をまぶし、サッと揚げて頂こう。フライパンから漂ってくる香ばしい匂い。これだけでビール1缶はイケる。90分程の釣行にて計6尾のテナガエビ。(その10倍のバラシがあったけど)今年は、夏のビールがますます美味くなる予感。

5年ぶりのストライパーチャレンジ。頻繁に狙いたいって程では無いけど、無性に狙いたくなる時もある。…という事で、サッサと予定を立て実行。完全な直情的な遠征釣行の始まり。

ストライパーとは、主にアメリカの大西洋側に生息するシーバスの一種で、昔メイン州ポートランドに在住していた時、スーパーマーケットでよく見かけたものだ。なので個人的には、ルアーターゲットと言うより、シーフードとしてお馴染み。

今回の遠征先は、残念ながらメイン州では無く、説明不要なぐらい有名なMAV。国内唯一のストライパーフィールドなので、遠征先はこの一択だ。ところで道中、夜明け前のセブンカフェにてモカブレンド(1杯160円)をドリップ。想像以上にキリッとした爽やかな苦味が心地好く、目覚めの1杯とはまさにコレだと確信。これはマジでオススメ。

さてさて。久しぶりのストライパーチャレンジは、相変わらず激シブの極み。そりゃ…連日アングラー達に狙われ続けているのだから当然か。魚達はルアーをよく学習しているので、何を試しても無反応状態が続く。アーネスト・ヘミングウェイの名言「釣れない時は、魚が考える時間を与えてくれていると思えば良い」の通り、せっかくの遠征釣行なので、休日の遠征釣行とは?をよく良く考えながら、ゆっくり、まったり過ごす事に徹する。最終的にルアーは、ストライパー達の猛攻を受け続け、名誉有るキズだらけボディとなれたが。

季節はあっという間に夏。そしてあっという間に1年が終わるのだろう。どうせあっという間に1年が終わるのなら、忙しく各地を釣り歩き続けた年にしたい。直情的な遠征釣行の中で触れたヘミングウェイの名言は、and moreを教えてくれた。

中国・朝鮮半島原産の雷魚。「雷を呼ぶ魚」だとか「雷鳴が轟いても決して獲物を放さない魚」だとか、雷に関係する由来がたくさんあるので、本当に雷を呼ぶ力があるのかと、色々調べてみた所、面白い記事を見付けた。

2009年8月15日、中国の浙江省にある雷魚の養殖池での出来事。雷魚パワー(?)によって雷雲を呼び寄せたのだろうか、その後、養殖池に落雷が直撃。するとその衝撃によって1万尾程の雷魚がショック死してしまったのだそう。いくら雷魚でも、落雷直撃までは想定外だったのか、実にオーマイゴッド過ぎる事例だったのである。(ちょっと笑ってしまったけど)

大量死と言えば、昔は当たり前の様に釣れていた雷魚。しかし、近年は数が本当に減ったように思う。8年前のお気に入りの釣り場では、早朝時間帯だけで軽く5本は釣れていたし、200m置きに反応があったものだ。ところが、年々反応が減り、5年程前には雷魚の生命反応は遂にゼロ。同時にバスも減っていきつつ、時々ハクレンやコイの大量死なんかもあった。周囲の田んぼからの化学肥料流入等が関係しているのだそう。

…と言いながらも、なんとなく今年もこの釣り場に来てみた。観察していると、岸辺にヤゴの姿。羽化をして羽ばたいて行くトンボの姿もあった。生き物たちが戻って来たのだろうか…、そんな淡い期待を抱きながら、ショアラインにルアーを通していると、とても懐かしい反応。そう雷魚。数年ぶりの雷魚バトルは、唯々純粋にうれしかった。

やっぱりこの川は生き物たちにとって大切な川なのだろう。雷魚は子育てをする魚。チビッ子達を育て上げて、絶対にまた会おうぞ。

ネイティブトラウトルアーは、急流の中でも姿勢を崩さず泳ぐ事が出来る様に設計されているので、ストリーム釣行において重宝するルアーのひとつだ。此度のスモールマウスバス釣りにおいても主力として活躍。

スモールマウスバス釣りには、ルアーを川の流れに漂わせながらバイトを誘う「ナチュラルドリフト」と言った様々なテクニックがある様だけど、ルアーを餌化させた釣り方はあまり好きでは無く、どちらかと言えば、流れに撃ち込み、鋭くトゥイッチさせながら岩陰や反転流の中に潜むバスのバイトを誘う…といった釣り方が好きなので、ルアーの性能をフルに発揮させたい我的スタイルには、ネイティブトラウトルアーはもってこいなのだ。

さて。スモールマウスバスの躍動を求めて、とあるストリームに来てみた。水は冷たく、イイ感じに流れが効いている。スモールマウスバスが好む条件は揃っているので、あとはルアーを見切られない様、捕食本能を刺激しながら、ルアーを襲わせるだけ。釣れないワケが無い。

スモールマウスバスは、クリアウォーターや低水温、流れがある場所を好むと言われているが、本当に好んでいるのは、酸素量が豊富な場所なのではないかと考えている。瞬発力に長けているので、比較的多くの酸素量を必要とする魚なのだそう。つまり、高水温や止水域では含有酸素量が低下する為、結果的に低水温や流れのある場所にスモールマウスバスは集まるのだと思われる。

ラージマウスバス釣りの延長でスモールマウスバス釣りを始めて数年来、最初は全然釣れなかったけど、研究を重ね、今はこんな理屈に基づいた我的スタイルを基本形としている。ま~釣れなくは無いので、今のところ問題ナス。

日本固有種のフィッシュイーター、ニゴイ(似鯉)。ルアーマンなら1度は釣った事があるであろう外道の代表格。これまで何度か釣った事はあるけど、やはりヨッシャ!とはならない。

しかし、フライフィッシングにおいては、手軽に楽しめる大型ターゲットとして、一部のマニアから人気なのだそう。確かに(全くの別種ではあるが)ボーンフィッシュにも似ているので、雰囲気だけでも楽しめそうではある。

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日本固有種のフィッシュイーター&ルアーに反応&手応えのあるファイト…と、シーバス並みの魅力を備えているのにも関わらず、何故こうも不人気な魚なのだろうか。

原因はおそらく「ニゴイ」と言うネーミングにある様に思う。ルアーフィッシングにおける装い(リールやアパレル等)には、アングラーのファッションセンスが宿っていて、お気に入りの装いで、お気に入りの魚を釣り上げる事が魅力であるように思える。相手が○○シーバスや、△△トラウト等、オサレなネーミング魚なら尚更熱くなる。しかし「ニゴイ」からは、どうしても「漁」の香りが漂ってくるのだ。これがゲームフィッシュとしての見方へ繋がらず、外道扱いされる原因ではないのかと勝手に分析している。フライフィッシングにおいては、たまたまボーンフィッシュに救われているのだろうけど。

ニゴイを将来のゲームフィッシュの地位に押し上げ、強いては新たなフィッシングフィールド開拓に寄与せんと考えるならば、ニゴイのネーミングリノベーションは必須。ニゴイをターゲットとし、釣り上げた瞬間「ヨッシャ!」となるには、ゴイニーなんてネーミングはどうだろか。なんてな。

日本から飛行機で約6時間。久しぶりにバラマンディを狙おうと、タイを目指す事にした。深夜便での移動につき、機内で就寝…なんて思ってたけど、やはり寝付けないまま、早朝のスワンナプーム国際空港に到着。不要な荷物はBelluggへ預け、早速タクシーに乗って釣り場へ向かう。

紫銀の鱗に覆われ、黄金の眼を持つクールな魚体、ゴンっとロッド全体に衝撃が走るバイト、水柱&水飛沫を上げながらの大ジャンプ、ドラグをガチガチに締めても余裕でラインを引き出して来る馬鹿力。そんな唯一無二の釣りを満喫する為だけに、片道4800kmを移動してきた。エキサイティングファイトを求め、いざ実釣開始。

ところが、状況は激シブを極め、1尾を手にするまで悪戦苦闘。どこにルアーを投げても生命反応が無い。以前の爆釣パターンも全く通用せず、早くも成す術無し。遠投を止め、岸際に潜んでいるであろうバラマンディを狙う為、ピンポイント撃ちに作戦変更。これによって何とか結果は得られたものの、豪快な展開を期待していただけに、やや不完全燃焼。

ところで、タイの駐在員時代から約10年が過ぎた。当時、休日はバラマンディ釣りに明け暮れ、多くの釣り仲間達とここに足を運んだものだ。仲間達は既にこの国を離れたが、フィールドには思い出が点在していて、仲間達の姿が至る所に見える…そんな気がした。更にこの釣り場に立っているプルメリアの木には特別な思い出があり、当時と変わらぬ綺麗な花が咲いていて、時間が戻った様な…そんな錯覚。

大好物のカオパットクン(海老炒飯)。プリプリの海老のほか、ライムとトマトの爽やかな酸味がイイ感じに効いている。ここの炒飯は、世界一美味い炒飯だと思う。見るもの、食べるものの全てに思い出が詰まっていて、やや情緒的な遠征釣行になってしまったけど、世界の何処かに再び戻る事が出来る釣り場があるなんて、幸せだなと思ってみたり。さて…今夜の便で帰るので、納竿。また会う日まで。