2024/07/30 PubMedの新着論文の要約(ADHD) (original) (raw)
- タイトル: ADHDを有する小児患者におけるメチルフェニデート即時放出製剤の中止後に再発性急性ジストニアが発生する稀な現象：ADHDの小児症例
- タイトル: 若年成人の注意欠如多動性障害（ADHD）患者における前頭葉の脳波パワーと非対称性の違い：定量的脳波研究
- タイトル: Associations of Adult ADHD symptoms with binge eating spectrum
- タイトル: ADHDの成人におけるDoppelの不安と焦点への影響の評価
- タイトル：デジタル収集データを用いた機械学習モデルの使用による神経発達状態の差別化：横断的アンケート調査
- Neural correlates of inattention in adults with ADHD.
- Further validation of the Parent-Reported ADHD Symptom Infrequency
- title: 大規模臨床バイオバンクにおけるジストニア障害のフェノタイプリスクスコアの開発
- The role of co-occurring conditions and genetics in the associations
- Internalizing psychological symptoms in children and adolescents with
- Inflammatory Hematological Ratios in Adolescents with Mental
- Prevalence of attention deficit hyperactivity disorder in
- Post-term Birth and Developmental Coordination Disorder: A Narrative
タイトル: 若年成人の注意欠如多動性障害（ADHD）患者における前頭葉の脳波パワーと非対称性の違い：定量的脳波研究
要約:
- 目的：成人におけるADHDの診断は難しいことが多い。本研究は、18～30歳の若年成人におけるADHD患者と非ADHD患者の間の絶対EEGパワーと前頭葉の非対称性に違いがあるかを調査することを目的とする。
- 方法：18～30歳の若年アウトパティエント（ADHD患者51人、非ADHD患者52人）を対象にQEEGを実施。両グループの脳の各領域ごとにQEEGを行い、頭皮領域の3つの前頭部位（Lt.、Mid.、Rt.）で測定された各周波数の絶対パワーを比較。両グループ間の違い、θ/β比の比較を行なった。また、前頭部位（Fp2-Fp1、F4-F3、F8-F7）での前頭葉非対称性も評価した。絶対パワー、前頭葉非対称性、ストループテストの相関分析を実施。
- 結果：人口統計データ、神経心理学的テスト、精神症状は両グループ間で有意な違いはなかった。ADHDグループの中間前頭部ではデルタバンドが増加し、ベータバンドが減少していた。前頭葉非対称性において、ADHD患者は非ADHD患者よりも中間前頭部でのすべての周波数でより右方向に傾いていた。デルタバンド、ベータバンドの絶対パワー、全周波数の前頭葉非対称性はすべてストループテストと相関があった。
- 結論：本研究はADHD患者がデルタバンド、ベータバンドの絶対パワーと全周波数の前頭葉非対称性において有意な違いがあることを示した。我々の所見は、QEEGが精神科患者におけるADHDの診断に役立つツールである可能性を示唆している。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39069682
タイトル: Associations of Adult ADHD symptoms with binge eating spectrum
conditions, psychiatric and somatic comorbidity, and healthcare
utilization in a metropolitan Brazilian city.
要約:
過食症（BED）、過食嘔吐症（BN）、再発性過食（RBE）-、および精神的および身体的共病性、医療利用との関連を調査する。
Self-Rating Scale Screenerが使用された。BESCはQuestionnaire of Eating and
Weight Patterns
5を使用して評価し、電話インタビューで確認された。標準化されたアンケートを使用して精神的共病性を評価。クローズドエンドの質問で身体的共病性と医療利用が調査された。
- 結果: ADHD症状はBESCと高い関連があった（BED、OR=13.2、95%CI= 4.3-40.6;
BN、OR=27.5、95%CI= 5.9-128.7; RBE、OR=5.8、95%CI=
2.9-11.4）。しかし、精神的共病性（うつ病、不安、アルコール使用、衝動性）をさらに調整した結果、ORは有意でなくなった。ADHDとBESCを持つ参加者では医療資源の利用が有意に高かったが、精神的共病性を制御した後に有意性を失った。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39074349
タイトル: ADHDの成人におけるDoppelの不安と焦点への影響の評価
要約:
- ADHDは子供に最も一般的に診断される精神障害であり、成人においてもしばしば診断が遅れ、不安などの共病状態と関連している。
- この研究は、Doppelという腕に装着するウェアラブルデバイスの効果を評価したもので、心拍数に連動した振動を提供して、ADHDを持つ若い成人の不安と注意力の症状改善を目的としている。
- 18〜25歳の若者が、アクティブなDoppelまたは比較デバイスを8週間使用し、ベースライン、4週間、8週間で不安と焦点の測定を行った。
- 両グループの参加者は、試験期間中に不安が減少し、焦点が増加した。心拍数に連動した振動の優越性は見出されなかった。
- 現在の研究は特定の作用メカニズムを特定することはできないが、若い成人のADHD症状管理において直接消費者向けデジタルヘルス製品が有用である可能性について有望な初期証拠を提供している。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39074080
タイトル：デジタル収集データを用いた機械学習モデルの使用による神経発達状態の差別化：横断的アンケート調査
要約：
- 背景
- 子どもや思春期の精神病理学の診断には臨床観察、行動評価、医療歴、認知テスト、家族の文脈情報を統合する多面的アプローチが必要とされる。
- デジタルテクノロジー、特に保護者評価アンケートを行うためのインターネットベースのプラットフォームは、特にスクリーニング段階での使用が増加している。
- データ収集のためのデジタルプラットフォームの台頭により、監督機械学習（ML）などの高度な精神病理学分類方法が研究と臨床環境の最前線に押し上げられている。
- 目的
- この前提のもと、MLアプリケーションを用いてデジタル収集データを分析する可能性を探ることで、早期の精神病理学診断の臨床実践を支援することができる可能性がある。
- この研究の目的は、インターネットベースの親報告の社会史的データを用いて注意欠如・多動性障害（ADHD）と自閉スペクトラム障害（ASD）を分類するためにMLモデルを利用し、新たな支援を求める家族に対して正確な予測モデルを得ることであった。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39073858
Neural correlates of inattention in adults with ADHD.
- 過去20年間で、ADHDを持つ個人と健常コントロールとの間の皮質構造の違いを調査した多くの磁気共鳴画像（MRI）研究が行われてきた。
- それらの研究は主に、灰白質体積（GMV）と皮質厚（CT）の変化に重点を置いていた。
- しかし、ADHD精神病理学、特にADHD成人の不注意との関連を調査した文献は乏しい。
- 本研究は、GMVとCT以外の皮質脚捻り、裂状深さ、フラクタル次元を含め、GMVとCTを上回る不注意の神経生物学的基盤を明らかにすることを目的とした。
- COMPAS（ADHD成人におけるメチルフェニデートと精神療法の比較）研究を基に、141人の成人ADHD患者のT1重み付け解剖スキャンを使用して、皮質構造パラメータを調査した。
- 結果は、多くの脳領域での不注意の有意な相関を示した。
- 皮質脚捻りは負の相関を示し、皮質厚とフラクタル次元は正の相関を示した。
- クラスターは脳皮質全体に広範囲に分布し、両側副交感神経に影響を及ぼした。
- 最も顕著に影響を受けた皮質領域には、前弓、運動前後中心回、上側頭葉、後部帯状回、後部帯円皮質が含まれる。
- この研究は、成人のADHD患者の注意過程における皮質変化の重要性を強調している。
- この分野でのさらなる研究は、ADHD成人の不注意の微妙な側面を明らかにするために必要であり、診断の精度を向上させ、個別化された治療戦略を検討するためにも重要である。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39073447
Further validation of the Parent-Reported ADHD Symptom Infrequency
Scale (PRASIS) in parents of children with oppositional defiant
disorder and anxiety.
- 新しい親が報告したADHD症状不正確尺度（PRASIS）の有効性を検証する研究
- PRASISは不正確性およびADHDの2つのサブスケールから構成されている
- オンライン参加者は、診断されたADHDを持つ子供の母親（n=110）、診断されたODDおよび/または不安感を持つ子供の母親（n=116）、ADHD、ODD、不安を持たない子供の母親の3つのグループに割り当てられた
- PRASIS ADHDスケールはADHD評定尺度-5との収束妥当性が強い
- PRASIS不正確性スケールおよびADHDスケールは優れたグループ差別を示し、感度67.4％、特異度86.7％、AUC 0.86である
- ODDと不安症の診断を受けた子供の母親を含むサンプルでのPRASISの有用性が支持される。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39072667
title: 大規模臨床バイオバンクにおけるジストニア障害のフェノタイプリスクスコアの開発
- 早期発症の神経発達障害の一般的な特徴であるジストニアは、自発的かつ反復的な運動や音声を特徴とする。子供の2%に影響を与え、遺伝的な影響を持つものの、その潜在的な原因はまだよく理解されていない。
- 電子健康記録（EHR）を用いて、ジストニア障害診断コードを持つ個人を特定し、ジストニア症例とコントロール（それぞれ1406人と7030人）の間でジストニアケースにエンリッチされたEHRの特徴を特定するためにフェノム全体の関連研究（PheWAS）を行い、強く合併する神経精神的フェノタイプを発見した。
- これらの特徴（その他）を使用して、90,051人の独立したセットを対象にジストニア障害のフェノタイプリスクスコア（PheRS）を生成し、EHRアルゴリズムによって同定されたジストニア障害症例を使用して、ジストニア障害PheRSを検証した結果、ジストニア障害PheRSは臨床家によって検証されたジストニア症例では非症例よりも有意に高かった。
- この研究結果は、大規模な医療データベースを使用して、ジストニア障害などのフェノタイプ的に複雑で診断が遅れがちな状態をよりよく理解するためのサポートを提供している。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39069519
The role of co-occurring conditions and genetics in the associations
of eating disorders with attention-deficit/hyperactivity disorder and
autism spectrum disorder.
- Eating disorders (EDs) often co-occur with other psychiatric and
neurodevelopmental disorders, such as attention-deficit/hyperactivity
disorder (ADHD) and autism spectrum disorder (ASD).
- This study aimed to clarify the pattern of family history and
genetic overlap among EDs, ADHD, and ASD.
- The nationwide population-based cohort study in Denmark, from
1981-2008, linked individuals to their siblings and cousins.
- Significant increased risk for any ED was seen following a diagnosis
- Mediation analysis showed that mood or anxiety disorders could
explain a substantial portion of the association between ADHD or ASD
and ED.
- Individuals with a sibling or maternal halfsibling with ASD had an
increased risk of anorexia nervosa (AN).
- A positive association was found between ASD polygenic scores (PGS)
and AN risk.
- This study observed phenotypic associations between EDs and ADHD or
ASD, mediation by mood or anxiety disorder, and a genetic association
between ASD-PGS and AN.
- These findings could potentially inform the development of new
treatments to reduce the risk of EDs in individuals with ADHD or ASD.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39070652
Internalizing psychological symptoms in children and adolescents with
fructose malabsorption
- Fructose malabsorption can lead to decreased serotonin synthesis,
potentially causing internalizing mental disorders like depression and
anxiety.
- Study involved 24 children with fructose malabsorption, 12 with
fructose and lactose malabsorption, and 19 healthy participants.
- Parents reported higher levels of depression in children with
fructose malabsorption compared to ADHD and ODD/CD symptoms.
- Patients with fructose malabsorption showed higher levels of
depression and anxiety compared to healthy controls.
- Increased fruit sugar consumption in those with fructose and lactose
malabsorption was associated with higher levels of anxiety and
OCD/Tics.
要約：
- フルクトース吸収不良の子供と思春期に、内向的心理症状が見られる可能性がある。
- 24人のフルクトース吸収不良患者、12人のフルクトースと乳糖吸収不良患者、19人の健康被験者について調査。
- フルクトース吸収不良の子供では、うつ病と不安症状が他の症状よりも高かった。
- フルクトース吸収不良患者は、健康被験者よりもうつ病と不安症状が高かった。
- フルクトースと乳糖吸収不良患者において、果糖摂取の増加が不安や強迫観念障害/チック症状の高い関連があることが示唆された。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39070588
Inflammatory Hematological Ratios in Adolescents with Mental
Disorders: A Scoping Review.
- 要約：炎症性血液学の比率（IHRs）は、好中球／リンパ球、単球／リンパ球、血小板／リンパ球比率などの比率であり、精神障害、症状の重症度、および疾患の段階と関連しています。成人患者の研究からのエビデンスは、システマティックレビューやメタアナリシスで要約されていますが、若年期患者の研究の結果は整理されていません。
- 目的：十代の患者で、IHRsと精神障害との関係を調査した研究の結果を要約すること。
- 方法：10〜19歳の精神障害を持つ患者（過食症以外）のIHRsに関する研究を含むこのスコーピングレビューは、2023年12月31日までに英語で発表された論文を対象としています。関連する論文を探すために、MEDLINEで検索を実施しました。研究は2つのグループに分類されました：外部コントロール（健康な十代）のある研究と、内部コントロール（異なる段階の精神障害を持つ患者、自傷/自殺行動の有無）のある研究。
- 結果：合計11の研究がレビューに含まれており（すべて横断的なもの）、これらの研究の結果は、1)
精神障害を持つ十代（重度のうつ病、精神病性障害、強迫性障害、注意欠陥多動性障害、物質使用障害）は、対応する障害を持たない同じ年齢の個人よりも高いIHR値を持つことを示しています（5つの研究）；2)
IHR値は、心理病症状の重症度と正の相関があります（1つの研究）；3)
より高いIHR値は、精神障害の段階と関連しており、双極性障害の躁病症の場合（1つの研究）や精神病性障害の悪化の場合（1つの研究）；4)
より高いIHR値は、自傷/自殺行動と関連しており、自殺未遂（1つの研究）や非自殺的自傷（1つの研究）があります。
- 結論：IHRsは十代の精神障害と関連しており、高いIHR値はより重度/急性の臨床的発症（症状の重症度、躁状態、急性精神病、自傷/自殺行動）と関連しています。若年期の精神障害のバイオマーカーとしてのIHRsの診断的および予後的価値を評価するために、より高い方法論的品質の研究が必要です。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39071999
Prevalence of attention deficit hyperactivity disorder in
school-going children in rural Konkan region of Maharashtra.
- ADHD is a neurodevelopmental disorder characterized by attention
deficit, hyperactivity, and impulsiveness.
- The study aimed to determine the prevalence of ADHD and its
association with demographic variables in school-going children aged
6-12 in rural Konkan.
- Vanderbilt's scale D4 was used to identify ADHD symptoms in children
through a questionnaire filled out by their teachers.
- Out of 133 participants, 1.5% were found to have ADHD, with one
having predominantly inattentive subtype and another having a combined
subtype with hyperactivity.
- Early diagnosis and treatment of ADHD is crucial for improving the
quality of life in affected children.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39071027
Post-term Birth and Developmental Coordination Disorder: A Narrative
Review of Motor Impairments in Children
- Developmental coordination disorder (DCD) is a prevalent condition
in children that is often not recognized in educational settings.
- DCD is associated with abnormalities in muscle tone, posture,
movement, and motor skill learning.
- Early detection of developmental abnormalities is crucial as delayed
motor milestones can indicate delays in physical and neurological
development.
- Studies have shown a relationship between DCD and preterm children,
but the impact of post-term birth has not been thoroughly studied.
- Post-term birth may increase the risk of cognitive impairments,
mental diseases, ADHD, autism, and behavioral and emotional issues in
children.
- This review aims to provide an overview of the link between
post-term birth and motor impairment, specifically focusing on DCD.
- More research on post-term cohorts is needed to fully understand the
long-term health concerns and develop therapies for post-term
deliveries.