2024年5月2~4日 奥秩父主脈縦走 (2/4) (original) (raw)

前回の続き。

4:30起床。

5月頭の標高2400m、流石にAir280とULダウンでも冷え込んだ。

Guten Morgen。

日の出を眺めながら小屋前デッキで焙じ茶を沸かす。

今日も良い一日となりそう。

ほうじ茶飲んで出発。

5:30 出発。巻き道から破風山への分岐へ。

巻き道は硬い雪。これ以降雪はない。

この区間以降残雪は消える。軽快な足取りで降りよう。

Japan!

樹林が切れれば雪冠る富士を携えて、ご機嫌な稜線歩きが始まる。

朝の山並みって本当に気持ちがよい。

わざわざ近くもない奥秩父まで、年に数度来ているのは何故だろう。

「日本の山」を感じながら歩けるのが嬉しいからか。

どうしても北アルプスのような高山帯を歩く場合、

山と麓が繋がっていない感覚に陥ってしまうのだが

秩父は人里・森・絶巓が渾然一体と結びついている。

一度泊まってみたい破風山避難小屋。

実際地続きな以上、アルプスにも人里との繋がりはあるに決まっているが

どこかその非日常じみた景観には、見えない隔たりがある。

秩父はどこか「人臭い」ところが親しみ深い。

景観のみならず文化・伝承としても垣根の無い柔かな雰囲気が好きなのかもしれない。

登り返し。はひ~。

そんな起結のない思案を独り言ちながら急登を登り返し、

振り返ると朝発った甲武信が丸頭を覗かせる。

ここから暫く歩いたことのある道。

ここから**雁坂峠**までは2年前歩いた、小気味良いアップダウン。

小屋泊りの方と幾度か挨拶。逆周回も面白そうだな。

ピラミダルな黒金山。

あの三角屋根は黒金山、周りの山と見比べても黒々とした針葉樹林であることが判る。

カメラを忘れた**乾徳山**、また登りに行く際には黒金山まで延ばしてみようか。

ここまで3時間くらい。

峠で暫し荷降ろしして、進む道に心躍らせる。

ここから雁峠まで暫く樹林と共にするが、味のある清々しい区間だ。

富士山がセットです。

富士の裾野の青が濃くなる頃、雁峠の手前に着く。

本当に絵に描いたような「日本」って景色だ…。

笠取山。あの廃道は、昔あの辺に笠取小屋があった頃の名残かな。

その頃には昼前、**笠取山**が見える。

昔住んでいた矢口渡と川崎を分つ多摩川の、最初の一滴があそこで生れるんだ。

雁峠はピクニックに好適な広場。

お子様と一緒に東京の水源地へのピクニックなんて、どうでしょ。

「水のはじまり」を親子で訪れるのなんて、とっても良いと思うんだけどな。

よく写真で見る笠取山。いざ。

いやしかし、笠取山の急登は凄まじい。

距離はさほどでもないが、低頭平身の懺悔坂。

厳暑には御勘弁願いたい。

11:00 笠取山

笠取山で大きく休憩。

この山を境として、遭う人の多さも増えた気がする。

そういう意味でも分水嶺なのかな。

広場。

暫し雁峠と三境を眺め、春日向の頂で寝転ぶ。

さて、予定よりは早いが目的地へ急ごうか。

あまり人のいない笠取山唐松尾山

あまり目立たないと言えば失礼かもしれない、

今日ラストの**唐松尾山**へと歩みを進めよう。

しかしこの黒槐のコルまでの道も滋味深いのだ。こういうのが大好きなんだ。

いぶし銀っすな。

自然体な道、とでも呼べばいいのだろうか…。

「歩く」という行為を幾万人も繋げて、私もその一員となる。

秩父には旅の原初的体験が眠っているのだ。

将監峠までの水平道は意外と長い。

景色の乏しい唐松尾山を後にし、今日の幕営地へと向かう。

意外にもこの「目立たない」ピークを目指し、幾人もすれ違う。

大学サークルだろう、若い子達も。過去りし青春を羨ましく思う。

和名倉山への分岐 山の神土。

意外と長いダラダラ道を過ぎれば山の神土と着く。

ここから将監峠は綺麗な散歩道で、間もなく到着。

14:00前に到着したが、この日は満員御礼で最終的に45張くらいで

小屋前にテントが溢れる始末。

前回は悠々自適と使えたが、みっしりと埋まったテン場。

とりあえずストレッチとラーメンを食べて明日の行程に備え、明るいうちに就寝した。

次回へ続く。