塾長の資産運用 (original) (raw)
塾長です。
昨日(米国11/18)はトランプ政権人事が進む中、株高。10年債金利は一服。
S&P500、5,893(+0.39%)
Nasdaq、18,791(+0.60%)
【米国市況】円一時155円台前半、植田総裁発言で軟調-S&P500反発 - Bloomberg
債券・為替・コモ:
原油、69.10
10年債、4.4140
ドル円、154.6330
Bitcoin、91,327
経済指標:
米家賃インフレ、26年まで収まらず-クリーブランド連銀のモデル示唆 - Bloomberg
金融政策:
なし。
財政政策:
なし。
地政学:
なし。
個別株:
■注目決算なし。
■弱気派マイク・ウィルソンが完全に強気転換;
ウォール街きっての弱気派ウィルソン氏、S&P500種の目標6500に - Bloomberg
「米国の株価は割高だが、同国のマクロ経済改善、米国以外の世界の成長によりネガティブな影響を与えるであろう米国の関税政策、そしてアニマルスピリットによる上昇セクターの広がりによって支えられている」と指摘。第2次トランプ政権下での規制緩和も米企業に恩恵をもたらすだろうと予想した。
:
「FRBが来年に入っても利下げを継続し、景気循環指標が改善を続ける限り、収益成長の拡大は継続するだろう」と、ウィルソン氏はモルガン・スタンレーの25年見通しの中で予測した。
以前紹介したように(↓)、彼はトランプが大統領になったことで、経済・株に強気になっていて、S&P500目標引上げを検討していると言っていました;
彼の予想を鵜呑みにして良いのでしょうか?
特にDOGE(政府効率化省)が心配。イーロン・マスクがTwitterで行ったような人員削減はできなかったとしても、政府雇用の凍結をすれば・・・、10月 Non-Farm Payrollのデータによると、全体の雇用者数は165,000人増加しており、その中で政府は+67,000。これが健全であるとは思わないし、持続可能だとも思わないが、少なくとも数字の上では雇用者の増加数が4割がなくなってしまう。
そうなれば、米国経済の7割を支えている個人消費が打撃を受ける→企業の売り上げが減少→・・・、という負のスパイラルに?
■〆は強気派トム・リー;
ーBitcoinについては後で触れるとして、まず市場全体について伺いたい。Thanksgivingに向けて市場では速度の遅い出血があった。あなたはそれが継続しないだろうと思っているのですね?複数の理由から、前向きなのだとか?その一つは、今朝大きな話題になっている財務省長官だとか。あなたはPolymarketを注視していますね。バッセンが70%を超えていたのに、マスクがラトニックだとツイートしてから、彼の勝率が上がり、今はどうなっていますか?
・どちらも40%を切っている。その理由の一つは、ケビン・ウォルシュやマーク・ローワンが上昇してきたからだ。
ー賭け市場が財務長官を決めるのですかね。
・奇妙な事が起きるものです。
ー今週、決まるでしょうか?それが[市場から]不確実性を取り除く?
・来週までアナウンスは無いかも知れないが、不確実性は取り除かれる。私はそれをclearing eventを呼んでいる。トランプ・トレードは未だ生きている(in tact)。
ーFEDは素早く利下げしないかも知れないが、FEDがハト派的であれば、あなたは良いポジションにいると思うのですね?
・そうだ。先週、パウエルが利下げ速度を遅くするような事を言って※、市場は驚いたが、1年後である2025年12月の金利予想を見れば変わっていない。FEDはハト派的であり、単にタイミングの問題である。
※:パウエルFRB議長、利下げ急ぐ必要ない-経済は目覚ましく良好 - Bloomberg
ーClearing eventと言えば、nVidia決算ですが、強気のclearing eventになりそうですか?
・市場は強気になるのを躊躇している。なので、決算を過ぎて、強い需要が確認されれば、安堵の溜息をつくだろう。
ー市場全体の株価はサポートレベルに落ちたので、強気になっている?
・そうだ。ほとんどの主要指数はテクニカル的なサポートレベルまで下がった。Nasdaqのサポートライン上にあり、S&P500は直近の値上がりの60%を失った。小型株の高値は以前の高値を上回っている。これら全ては強気なサポートレベルである。
ー株高は行き過ぎではないか?WSJはメルトアップかも知れないと言っている。トランプ・トレードが始まってからしばらく経ちますが、あなたは始まったばかりだと言うのでしょうか?トランプ・ラリーは2週間で終わるようなものではない、と?
・そうだ。市場は方向性を修正するかも知れない。政府効率化省、DOGEがヘルスケア、防衛支出をカットするかも知れない。投資家は規制緩和、アニマル・スピリッツにフォーカスするようになるかも知れない。すなわち、金融と小型株だ。
ーヘルスケアについては、歳出削減だけでなく、RFK Jrが厚生長官になるという話もある。
・ヘルスケアの視界がクリアになるのは難しい。例えば、ヘルスケア業界が広告費に占める割合が大きいというコメントがあった。ある種のワクチンに対する安全性の懸念など。不確実性は機会でもあるが、厳しいと思う。
ということで、補足しつつまとめると・・・、
・現在の市場は強気相場。下がれば、買われる。FEDはハト派的であり、タイミング的に遅れるかも知れないが、利下げ方向だ。不確実性が取り除かれるたびに(clearing eventが発生するごとに)、買われる。
Nasdaq、S&P500、Russell2000はテクニカル的にも良い位置にいて、短期的にも値上がり方向。
・Clearing eventとして考えられるのは、財務長官人事やnVidia決算である。
財務長官が誰になろうとも、不確実性が無くなるという意味でclearing eventだ。
市場はnVidiaを強気に織り込むのに尻込みしている。決算でnVidiaのGPU需要が確認され、市場を押し上げるだろう。
・トランプ・ラリーは短期的に終わるものではない。但し、政府効率化省(DOGE)がヘルスケア(医療)、防衛支出を減らすかも知れないので、トランプ・トレードだと思われていたヘルスケア・セクター、工業セクターは厳しい。規制緩和、アニマル・スピリッツ(=事業拡大のための投資が増えたり、起業家が増えたりする)に注目が移り、金融、小型株が良いだろう。
ヘルスケアはワクチンに懐疑的なRFK Jr.が厚生長官になるのも視界を悪くしている。
だ、そうです。
ーー
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塾長です。
昨日(米国11/15)の米株は大幅下落。Bloombergは利下げ確率が減少したとか書いているが、単にトランプ・ラリーで大きく上げた(買われ過ぎた)から下げた、というだけでしょう。
S&P500、5,870(-1.32%)
Nasdaq、18,680(-2.24%)
【米国市況】トランプ氏当選の熱狂冷め、株が下落、ドル一時153円台 - Bloomberg
S&P500種はこの日の安値からやや戻して引けた。ハイテク株の下げが目立った。週間では2.1%安となり、同指数は米大統領選挙後に上昇した分の半分以上を失った。12月連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが決定するのは、五分五分よりやや高い確率と市場ではみられている。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げを急ぐ必要はないとの見方を示したほか、この日発表された10月の米小売売上高統計では、前月の数字が大きく上方修正された。
債券・為替・コモ:
原油、66.95
10年債、4.4280
ドル円、154.3090
Bitcoin、91,334
経済指標:
11月 ニューヨーク連銀製造業景気指数、31.2(予想0.0)
10月 小売売上高[前月比]、0.4%(予想0.3%)
10月 小売売上高コア[前月比]、0.1%(0.3%)
10月 鉱工業生産指数[前月比]、-0.3%(-0.3%)
10月 設備稼働率、77.1%(77.3%)
10月 企業在庫[前月比]、0.1%(0.2%)
NY連銀製造業指数が急上昇、景気先行きを楽観-関税見越し受注増加 - Bloomberg
米小売売上高、10月は市場予想を上回る伸び-自動車が押し上げ - Bloomberg
・前月比0.4%増加、市場予想0.3%増-9月分は0.8%増に上方修正
・13分野のうち8分野で増加、自動車販売は3カ月ぶり大幅増
:
小売売上高で唯一のサービス項目である飲食店の売上高は0.7%増となった。
金融政策:
■グールズビーがハト派発言、コリンズは中立的;
シカゴ連銀総裁、金利は向こう12-18カ月で「大幅に低下」へ - Bloomberg
ボストン連銀総裁、12月の利下げなお選択肢-インフレは顕著に鈍化 - Bloomberg
財政政策:
なし。
地政学:
なし。
個別株:
■注目決算なし。
■〆はリー・マンソン;
ー今日の『Three Stock Lunch』ではトレーダーに最も成績の悪い3セクターである医薬品、防衛、半導体の中から、それぞれ推奨をしてもらいます。
まず医薬品から行きましょう。あなたはEli Lillyを選びましたが、それには少し驚きました。今週10%下落している。一部では、R.F.K.はGLP-1(注:やせ薬)のファンではないと伝えられている※。あなたは買うのですね?
・私は、RFKがファンかどうかなんて気にしない。人々は[GLP-1]を何があろうとも買うのだ。Lillyはピークから約20%下げている。これは買うのに良い機会だ。値下げの影響が分からなかったので※2、私はLillyを今年初めに売った。Wall Streetは大きく間違っている。誰もが処方箋がどれくらい書かれるのか心配しているが、これは長く続くゲームの1イニング目に過ぎない。減量薬だけの話ではない。アルツハイマー薬や、中毒薬についてだ。Lillyは経口の減量薬に取り組んでいる。そこに金脈がある。Lilly以外には見ることができない。Pfizerは計画を持っているだろうか?いや、彼らは水中で死んでいる。Novoは嫌いだ。なのでLillyが医薬品で唯一買える株である。もしそれ以外が欲しいなら、[医薬]セクターのファンドを買って、先に進むべきだ。
※1:ケネディ氏の米厚生長官起用に警戒広がる、ワクチンメーカー株下落 - Bloomberg
※2:
Novo Nordisk, Lilly must cut US prices of weight-loss drugs, Biden says
Zepbound price cut: Eli Lilly lowers cost of weight loss drug
ーあなたは防衛セクターから、航空(aerospace)分野のTransdigmを選びました。今週7%下落しています。なぜ買いなのですか?
・私はこの会社を愛している。決算が出たとき、人々はここそこでの減速を心配して、6,7%下げた。この会社はミニBerkshire[Hathaway]である。私が防衛で唯一注目するのは航空分野だ。ハイパーソニック・プロジェクトやUAVs(=ドローン)をやらなければならない。それが未来だ。巨大な防衛企業が数ビリオンの契約を取って、無駄に終わる時代ではない。この会社は様々な会社からパーツを買って、搾り取って、使い切る。とても利益の良い取引だ。private equityのようにレバレッジをかけてバランスシートを管理している。だからマルチプルは30倍を超えている。私はこの会社に確信を持っている。
ーBerkshireのようだと言いましたか?
・そうだ。彼らは小さな企業をたくさん買っている。40社くらい買った。
ー半導体ではnVidiaを選びましたね?今日は4%下がっていますが、年初来3倍だ。なぜnVidiaですか?
・なぜならほかに無いからだ。DRAMのMicronを買うか?相対的なバリュエーションでQualcommを買うというのか?彼らにあるのは、既に存在しているものだ。私は集中するのは嫌いだ。2002年のように小型割安株を漁りたい。しかし、半導体の中から選ぶなら、800ポンドのゴリラを買って、帰宅すべきだ。今日は金曜日なのだから。
ー10秒しかありませんが、あなたなら今日、市場全体(S&P500)を買いますか?
・私は今の市場が大好きだ。多分来週になったら、少しばかり買い増すだろう。トランプ買いが起きた。私の予想よりも1か月早く、それが萎んでいる。もしあなたが投資資金を持っているなら、これは機会だ。全てのポートフォリオ・マネージャは年末にかけて全ての値下がり(dips)を買うだろう。今がそれだ。
Eli Lillyの年初来チャートを貼っておきます;
Eli Lilly YTD 2024/11/15 - Yahoo Finance
減量薬(GLP-1)推しで、買いそびれていた人には丁度良いタイミングかも知れません。
ーー
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塾長です。
昨日(米国11/14)は株安。トランプ・共和党の勝利が織り込まれての、利確?
マット・ゲイツが指標長官とか・・・、大阪人でもないのに「なんでやねん!」と突っ込んでしまうようなサプライズもあり。トランプ政権での閣僚人事が進んでおり、メディアを賑わせている。
S&P500、5,949(-0.60%)
Nasdaq、19,107(-0.64%)
【米国市況】パウエル議長発言で株が一段安、ドル156円台前半に上昇 - Bloomberg
14日の米金融市場では株式相場が下落。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は経済が好調に推移していると述べ、利下げを急ぐ必要がない考えを示唆し、株式相場は一段安となった。市場では12月利下げの織り込み具合が確率55%強に低下。前日は約80%だった。
債券・為替・コモ:
原油、68.62
10年債、4.4180
ドル円、156.2610
Bitcoin、87,870
経済指標:
10月 PPI[前月比]、0.2%(予想0.1%)
同[前年同月比]、2.4%
10月 PPIコア[前月比]、0.3%(0.3%)
同[前年同月比]、3.1%
米PPIは伸び加速、PCE価格指数に反映される項目が押し上げ - Bloomberg
サービスコストは0.3%上昇。伸びは前月の0.2%上昇から拡大した。機械および車両の卸売マージンの改善に加え、ケーブルおよび衛星放送の加入者サービスが押し上げ要因となった。
財価格(食品・エネルギー除く)は前月比0.3%上昇と、前月からやや加速した。発表元の労働省労働統計局(BLS)は、炭素鋼スクラップの価格が8.4%上昇したことが「主因」だと説明した。
一方、食品・エネルギーの卸売価格が下がり、PPI全体の下押し要因となった。
米新規失業保険申請は減少、5月以来の低水準-労働需要なお健全 - Bloomberg
・新規失業保険申請件数は前週比4000件減の21万7000件-予想下回る
・より変動少ない4週移動平均は22万1000件に減少-5月以来の低水準
金融政策:
パウエルFRB議長、利下げ急ぐ必要ない-経済は目覚ましく良好 - Bloomberg
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、最近の米経済が「目覚ましく良好」に推移しているとし、慎重なペースで政策金利を引き下げる余地が生じていると述べた。
ダラスでの講演テキストでパウエル議長は「経済は、利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」とし、「現在、われわれが目にしている経済の強さにより、慎重な決定を行うことが可能になっている」との見解を示した。
リッチモンド連銀総裁、大きな進展を遂げたが勝利宣言はできない - Bloomberg
■12月に0.25%幅利下げするかどうかより、こちらの方が影響が大きいかも?
バーゼル銀行規制の気候変動リスク開示案が暗礁に、FRBが支持せず - Bloomberg
銀行規制における気候変動の扱いに関して、米国とユーロ圏の立場には大きな隔たりがある。欧州中央銀行(ECB)は気候変動リスクへの対応で基準を満たさない限り、罰金が科せられると、域内の金融機関に繰り返し伝えている。一方、パウエル氏は銀行規制当局が気候変動対策を主導すると期待するのは「大きな間違い」だと述べている。
財政政策:
リビアンやテスラの株価下落、トランプ氏がEV税控除廃止計画と報道 - Bloomberg
14日の米株式市場で電気自動車(EV)メーカーの株価が下落。トランプ次期米大統領はEV購入に対する7500ドル(約117万円)相当の税額控除を廃止する計画だと、ロイター通信が報じた。
:
テスラも廃止を支持しているという。
Tesla-5.77%
地政学:
個別株:
■注目決算なし。
■〆は弱気派マイク・ウィルソン;
・我々の強気なケースで6,350だ。これは我々が前回番組に出演したとき、話したことだ。もし共和党が全てを取れば、どうやらそうなりそうだが、年末のS&P500は6,100となるだろう。その近辺にいる。直近、それより高くなるか?それは難しいだろうが、市場は値上がりし続けている。4,5か月前には[この選挙の]結果は予測できなかった。いつも通り、市場は理解しようとしている。9月、そのような理由から我々は景気循環に傾き、インデックスに対して建設的となった。アニマル・スピリッツ的活動だ。マイクがCPI、PPIについて述べたことに戻るが、1年前にも同じ問題があった。経済が活性化し、金利が上がれば、我々(=株)を押しとどめるだろう。もしくはFEDがこれ以上利下げをできないとなれば、マルチプルは下がる。階段のようなものである。今は少しユーフォリアがある。値下がり(consolidation)があるだろう。
ー決算シーズンも終わりに近づき、S&P500は6,000だ。この状況を好意的に見ているか?来年の金利の期待値は上がっている。リスクはどこにある?
・リスクではない。機会である。機会が広がっている。ようやくだ。2年間待って、ようやく経済に広がりがでてきた。これは平均的な株の値上がりにつながる。市場は声高に語っている。多分あなた方が見ていないチャートがある。強気の確認ができるものだ。足元で変化が起きている。ゴールドが株式市場にアンダーパフォームしている。ゴールドは、昨年、株式市場をアウトパフォームした。すなわち、[株の]実際のリターンは押しとどめられていたことになる。先週、S&P500をゴールドで割った比率が約12%上昇した。それは興味深い動きである。これは、私が述べてきたことを暗に示しているのかも知れない。それは、政府が民間経済(private economy)をクラウド・アウトしていた。政府が縮小すれば、民間経済が活性化(blossom)するかも知れない。市場はそれを嗅ぎ取ろうとしている。しかし、これはスムースに進まないだろう。完結的な動作(fits and starts)となるだろう。それが我々の考えていることだ。
ー政府が縮小し、民間経済が活性化するというのは、ベースケースなのか?もうそれに投資して良いのか?
・あなたはそれを考え始めなくてはならない。市場は既に動き始めている。問題は、それに参加するか?だ。私は、少なくとも足を踏み入れるべきだと思う。我々は9月にそれを行った。品質の良い金融を勧めた。工業もだ。そして一部の小型株。まだ金利が高すぎるので、中小型株に全てを賭けられない。今も金利が本当に下がるかどうか疑問があり、均一に中小型株を勧めることができない。それは小企業がより良いものになれない事を意味しない。よりidiosyncraticとなる(注:ある企業はうまくやれるが、そうでない企業もある。個別の企業によって異なる、という意味)。
ー6,350が強気ケースなのですか?もっと高くはない?
・6,350は我々の来年5月の強気ケースだ。
ーそれを基本ケースとして、さらに強気なケースを作らないのか?
・今、我々はそれを行っている。今は公に話すことができないが、待っていてほしい。しかし、方向性でいえば、市場は既にその方向に動いてしまっている。我々がそのcallに同調してから数か月が経つ。明確にしておきたいのだが、より重要なcallはインデックスではない。これは前から述べてきたことだが、市場の正しい場所にいることが大切だ。今年、我々はうまく運航できたと思う。例えば、夏に防衛的になり、経済成長が心配され(growth scare)、景気循環に転換した、といったように。全てがうまく行ったというわけではないが、このような事をポートフォリオ・マネージャは現在行っているのだ。正しい場所に居ようする。単にS&Pを持てばよいというものではない。我々はS&Pを超えなければならないのだ。
ーあなたが4月、『Surveillance』に出演したとき、そのように言っていましたね。
・そうだ。
今のところ出ている閣僚の任命が、最も興味深い、上値を提供している。トランプ大統領は移民に対してタフな政策を取ることで知られている。その部分での閣僚任命は誰にも驚きを与えなかった。関税についても厳しいことで知られている。これらは新たなニュースではない。新たなニュースは、彼らがどれほど本気で政府を効率化するか?だ。イーロン・マスクやヴィヴェック・ラムスワミを連れてきて、政府効率化のプログラムを主導させる。彼らは本気のビジネスを行う人間だ。これは興奮する。難しい道のりになるだろう。議会にとっては、歳出削減は難しい。では、歳出を凍結してはどうか?小さい勝利から始めてはどうか?それが、現在私の注目しているところである。株の観点で、より多くの上値余地がるからだ。再度になるが、インデックスではない。平均的な企業にとって・・・、もし政府がアメリカの起業家を煩わせるのをやめれば、それはある種の興奮できるストーリーだ。潜在的には。
ーその仮定で話をしましょう。DOGEが成功し、歳出を凍結し、歳出を削減し、効率を改善できたとする。それが経済、株に意味するのは何か?
・それはトリッキーな部分である。これはヘラクレスが行うような仕事である。かつても試みられてきて、障害にぶちあたった。トランプ1期目でもこの道を進み、最終的には、ある意味あきらめ、政府は拡大し続けた。これは大変な仕事である。時間もかかる。今から政府効率化が達成されるまでの間、短期間の低成長となるだろう。経済成長の最大のドライバーを縮小するのだから、短期的にそれが全経済にどのような影響を及ぼすのか?という話である。多くの回答されていない疑問がある。いつものように、初めの頃は詳細に欠けている。再度になるが、我々はこのエリアに注目している。キーとなるアナウンスが出た、来年前半に成果が出るのか?後半になるのか?実施するまでにどれくらい時間がかかるのか?多くの疑問があるが、私にとっては、潜在的に最も大きなサプライズであり、人々は心を開いておくべきだ。
ードナルド・トランプは長期のレガシーのために、彼の短期の評判を落として良いと思うか?ですね。
現在、株と国債がパリティーとなったというチャートを見ている(注:12か月先の10年債利回りとS&P500のEPS Yieldが一致)。政策の不確実性があるなか、あなたはトランプ2.0の株を買いますか?それとも安全な国債を買う?
・選挙に入る前、我々はこのような結果になると感じていた。もし共和党が上・下院を取り、トランプが勝てば、株は債券を上回ると。それが実現した。そこでの疑問が、完全に織り込まれたのか?である。多分、短期的には、そうだと言えるだろう。簡単なトレードは行われてしまい、過去のものとなった。今は個別株レベルで考えなければならない。我々の顧客は、何をしなければ分からないので、先物を買っていた。今はそのポジションを取り崩している(tappin off)。混雑したポジションを見てみれば、そのトレードにモメンタムがある間は、うまく行く。しかし、12月になれば、人々は来年について考えだす。そこで我々は休みを取る。新しいテーマ、新しいアイディアを探す。政治とは離れたものだ。市場には新しいアイディア、新しいテーマが必要である。ちなみに、我々が投機的な領域においてキチガイのような動きを見ているのは、それが理由である。例えば、暗号資産で人々はカネ儲けしている。そしてインターネットで仕入れた、もしくは友達から聞いた次のホットなストーリーに移行するのだ。そこには熱狂がある。
ー来年のストーリーを考えるうえで、税金は?債務のGDP比率は2016年と同じではない(注:2016年時点よりも債務の比率が(とても)大きいので、簡単に現在は実現できない、という意味)。減税や、少なくとも2017年に行われた減税の継続案があるわけだが、共和党が両院を取ったので、これらが確実なものになったと考えるか?
もしくは、キャップをしておいて、来年になれば、遡って[減税を]執行するとか?
・さかのぼっての執行はやらないで欲しいと思うが、あなたは正しいと思う。今は2016年と違い、バランスシートもしくは経済そのものに緩み(slack)は無い。特に移民を追放するなら、労働市場に緩みはない。もし彼らが財政支出の限界を超えようとすれば、再膨張させれば、インフレがすぐに再度問題となる。バランスに注意が必要だ。コストカットは素晴らしい。もしかしたら少しの減税はできるかもしれないが、私はもっと多くの事をする必要があると思う。私なら税金を凍結する。TCJA(Tax Cuts and Jobs Act)を延長し、やめにするかも知れない。しかし、私は政府にいるわけではない。しかし、税金と歳出において財政規律がとれた状態において、起業家にとって良い政策が取られれば、市場はより良く反応するだろう。
長々と翻訳してしまいましたが、ポイントは
・トランプ政権のもと、普通に考えれば、大幅減税や歳出拡大はできない。
・そこで注目すべきは、歳出削減であり、イーロン・マスクとヴィヴェック・ラムスワミが率いる政府効率化省(DOGE)である。
組織の詳細、いつどのように政府効率化を実現できるのか?まるで分っていないが、もしクラウド・アウトをやめさせ、起業家の妨害を取り除き、民間経済を活性化することができれば、それは株における最大のサプライズ、機会となるだろう。我々はどこにそれがあるのか探している。
・ただし、GDPや雇用の最大の押し上げ要因であった政府部門を縮小しようとするのだから、短期的には低成長となる。
と言っている部分だと思いました。
前回のインタビューと併せて、彼は(インデックスレベルでは弱気かも知れないが)強気転換したと言って良いでしょう。
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塾長です。
昨日(米国11/13)の米国市場は株ヨコ、10年債利回り上昇。注目された10月CPIにサプライズなし。
S&P500、5,985(+0.02%)
Nasdaq、19,230(-0.26%)
【米国市況】ドル上昇155円台半ば、日本の出方に注目-CPI予想通り - Bloomberg
債券・為替・コモ:
原油、68.04
10年債、4.4510
ドル円、155.3650
Bitcoin、89,404
経済指標:
10月 CPI[前月比]、0.2%(予想0.2%)
同[前年同月比]、2.6%(2.6%)
10月 CPIコア[前月比]、0.3%(0.3%)
同[前年同月比]、3.3%(3.3%)
【米CPI】12月利下げ「まだ生きている」-市場関係者の見方 - Bloomberg
金融政策:
■カシュカリ、ムサレム、ローガン;
ミネアポリス連銀総裁、インフレのデータは正しい方向に進んでいる - Bloomberg
セントルイス連銀総裁、緩やかな利下げ想定-インフレ鈍化が続くなら - Bloomberg
ダラス連銀総裁、追加利下げ必要も慎重なペースで進める必要がある - Bloomberg
財政政策:
なし。
地政学:
米共和党、下院多数派を維持-ホワイトハウスと議会を支配 - Bloomberg
個別株:
■Ciscoなどが決算;
シスコ、通期売上高に慎重な見通し-8~10月期業績は予想上回る - Bloomberg
時間外-2.30%
■〆は強気派エド・ヤーディーニ;
ー今日の主要株価指数は緑で終わりそうです。次のゲストはアニマルスピリッツの復活で、今後数か月のステージが整ったと言っている。
ゴールポストが動いたということですね?
・そうだ。ジョン・メイナード・ケインズがアニマル・スピリッツという言葉を発明した。自然発生的な楽観主義(spontaneous optimism)である。2016年、トランプ1.0の時に見られ、トランプ2.0でも見ることができるだろう。市場は減税に興奮している。企業や低所得者層もそうだ。消費者セクターの助けになる。規制緩和に対する興奮もある。トランプが介入して、地政学危機が早く終結するという期待もある。それら全てを総合すれば、楽観的(upbeat)である。私はトランプが大統領選で勝つ前から楽観的であった。大幅な生産性向上のリバウンドがあり、それが今10年期の経済を駆動するからだ。
ーあなたは以前ユーフォリア(多幸感)があると言っていた。10段階評価で9だ、と。手に負えなくなる、と。そのメーターがこの政権で下がったのですか?今日、ネルソン・ペレツはユーフォリアがあると言っていた。
・私はメルト・アップのシナリオについて語ってきた。熱狂の2020年代になる確率が55%、メルト・アップになる確率が25%(注:残りの20%は1970年代のような地政学危機・財政赤字危機)。良いことが起こり過ぎて、FEDが不要な利下げをし、それが株のメルト・アップを引き起こすというシナリオだ。バリュエーション倍率は、誰もが同意するように、引き伸ばされている。思い出してほしいのは、過去3年間、酷いリセッションが予想され、それが起きなかったことだ。FEDが利上げしたのだから、リセッションが来ると思ったのは当然だったわけだが、最も予期されていたリセッションは起きなかった。この3年間でリセッションが起きなかったのだから、今10年期の残りでリセッションが起きないと思ってはいけない理由は無いだろう。より長く経済成長が続けば、人々はより高いバリュエーションを喜んで支払うようになる。それが今起きていることだ。しかし、メルト・アップ・シナリオの可能性を排除してはいない。
ーあなたは来年、再来年の企業利益予想を引き上げた。そのうえで、マルチプルも高まると予想するのか?
・そうだ。私は強気派だが、強気が不足していた。2022年10月、市場は底を付けた。我々は2週間で、それが底だと気づいたが、多くの人々は「forward PEが15なのだから、これが底だというのはあり得ない」と言っていた。結果的に、その時が底だった。私はその時、PEが20倍になると言った。人々は妄想だと言っていた。しかし、私の妄想は不十分だった。PEは21、22倍となった。そうだ、私は利益予想を引き上げた。リセッションにならない限り、このマルチプルは継続する可能性がある。
ー12月に利下げはありますか?
・私には分からない。9月FOMCでの利下げは0.25%幅で十分だと思ったが、彼らは0.50%幅利下げしてしまった。その後は不要だと思ったが、彼らは[11月FOMCで]利下げしてしまった。彼らは私の言う事など聞いていない(笑)。彼らは自身の意見を持っている。現実は、0.25%幅利下げした。どうやら[12月も]0.25%幅利下げしそうだ。データはそれをまったく支持していない。ところで、債券市場は[利下げを]遅らせてくれと懇願している。FEDは0.75%幅利下げしたのに、債券利回りは0.75%幅上昇している。私の友人である債券自警団は「もうFEDの利下げは必要ない」とシグナルを送っている。
ートリッキーだ。今日出たCPIはFEDが利下げするドアを開けたままにしたと言えるだろう。FEDは12月、もう1回利下げして、それで打ち止め。それでよいのでは?あと1回利下げしたところで、大きな違いはないのでは?
・CPIのどこを見るかによって違う。CPIは問題を抱えている。私はディスインフレ派で、CPIは2%に下がると思っていきたが、その一方で、Core Service CPIから住居費を除いたSuper Coreは4.5%、4.6%辺りで粘着的だ。Super Coreのコンセプトはパウエルが作りだしたものだが、急に重要ではなくなったようだ。
あなたの質問に答えると、0.25%幅利下げしようが、しまいが、大きな違いはない。私は、今10年期の残りの期間、ナイスで喜ばしい強気相場が続いてほしいと望んでいるだけだ。私が望んでいるからといって、それが起きることにはならない。メルト・アップが起きるかも知れない。FEDはメルト・アップを感じ取るかも知れない。債券自警団は「刺激的な財政政策があり、さらなる財政刺激策があるかも知れない。FEDは金融刺激策を出す必要はない。2021年のリスク再来となるかも知れない。2022、2023年にFEDが戦う羽目になった巨大なインフレ問題が起きるかもしれないぞ」と。
ーあなたの今10年期の終わり時点(2029年末)、S&P500目標は10,000ですね?
・そうだ。
ー次回の出演を楽しみにしています。
まとめると・・・、
・今10年期(2020年代)は、熱狂20年代再来、1999年のようなメルト・アップ、1970年のような地政学・財政危機となるシナリオが考えられる。それぞれの確率は55%、25%、20%。
・過去3年間、ほとんど誰もがリセッションが来ると予想していたが、来なかった(=「逆イールドが発生したからリセッション」といった経験則を基にした景気予測はまったく当てにならない)。今後5年間(2020年代の終わりまで)、リセッションが無いと考えてはいけない理由は無い。
・リセッションが無ければ企業利益は上振れするし、経済成長が続けば高いマルチプルも受け入れることができる。2029年末(2020年代の終わり)、S&P500は10,000となる。
・FEDが必要以上の利下げを行い、既に刺激的な財政政策に追加があれば、メルト・アップのシナリオとなる。債券自警団はすでに警告を発しているが、FEDは独自の考えを持って動いているようだ。物価高が再燃しても、俺は知らないぞ!
だ、そうです。
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