孤高の前進────『ロンゲスト・ヤード』感想 (original) (raw)
『ロンゲスト・ヤード』をみたので感想。
かつてNFLでならした名クォーターバック、クルーは、愛人と揉めた末、監獄にぶち込まれてしまう。看守のアメリカンフットボールチームのコーチの役目を断ったクルーは壮絶な嫌がらせを受けるが、ひょんなきっかけから囚人チームを率いて看守チームと戦うことに。だんだんとチームを鍛え、卑劣な手で仲間を喪うも、決戦の日を迎えたのだった。
1974年公開、ロバート・アルドリッチ監督作品。主演はバート・レイノルズ。『ゴッドファーザー』制作の舞台裏を描いたドラマ『ジ・オファー』の結末で、プロデューサーのアルバート・S・ラディが『ゴッドファーザー』続編を蹴ってこの作品の制作に乗り出すという結末ときいて気になったので鑑賞。
アメリカンフットボールは村田雄介・稲垣理一郎の『アイシールド21』でおおまかなルールを知ったわたくしだが、その程度のことがわかれば(いや、その程度のことすらわからなくても)理解できる親切設計。アメリカンフットボールはとにかく前にボールを運ぶ競技らしいことがわかれば問題ないという気すらしてくる。
バート・レイノルズ演じるかつての名選手は冒頭のめちゃくちゃぶりで度肝を抜くが、しかし刑務所という無法が跋扈する空間のなかにおさまるとまともなスポーツマンにみえてしまうのがおもしろい。とはいえ看守との試合では相手をケガさせる前提の仕込みを平然と行うので、清廉潔白なスポーツマンとは程遠いのだが…。
しかし看守チームもかつて話題になった悪質タックルまんまのラフプレーで囚人たちを攻撃するので五十歩百歩ではある。一度は八百長を受け入れて利敵行為を繰り返したクルーが、老囚人との会話で誇りを取り戻し、味方の援護もなく前に無謀な突進を続けるシークエンスはシンプルに胸が熱くなる。
全体としておもしろくみました。しかしアダム・サンドラー主演でリメイクされてるとは、にわかに信じがたい気もするのだけど…。
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