山口太郎の『HiTTaTeeeeeeei !!!!』 (original) (raw)
お蔭様で英国各紙より「4つ星」の評価をいただきました~っ
そして次の日より、軌道に乗った生活リズムの中、僕の本格的な観光も始まった
俳優は「見聞を広める事も大切な財産」…
という事でいろいろな所を廻ってみたよっ
「ナショナル・ギャラリー」&「ダイエー」…いや「大英博物館」。
この国の凄い所は、本物のダ・ヴィンチ、モネ、ホルバイン、ゴッホ等が展示されている美術館、また博物館にしても基本的に入場はタダなのだっ
だから小学校の生徒達が先生に連れられて授業をやっていたよっ
「これは何の絵かな~」
「かわぁ」
「そうだね、川だね~。じゃあこの絵はいつ頃かな~」
「ふゆ~っ」
「う~ん、秋ぐらいかな…。」
なんてな感じの授業を、実物のモネの絵を前にして行っているのだっ
日本では考えられない光景…。
この国は「芸術」に対するハードルが異常に低い…
素晴らしい意味で「精神的に贅沢な国」だと思った…
そしてもちろん舞台っ
いかんせん「自分に関わりのありそうなもの」「ストーリーがある程度解ってるもの(もちろん全部英語だから)」を中心に探してたんだけど…
正直あまりの完成度の高さを聞く限り、他にもイッパイ観たいステージあったなぁ…。
そんな中、僕が行けた舞台はこの2つ
「MOUSE TRAP」と…
「PHANTOM」
アガサ・クリスティの「MOUSE TRAP」はミュージカルではないし、正直地味だけど、役作りという意味で相当刺激になりました
そして定番だけど、「PHANTOM(オペラ座の怪人)」は劇団四季版で遥か昔に観て好きになった作品
今回は「British original」という事で多少演出が変わっている事もあり、どうしても本場のも観たかったんだよね~っ
正直、今回は主役の怪人よりもヒロイン「クリスティーヌ」と、その恋人「ラウル」の方が遥かに素晴らしかったんだけど…
全体的にはやっぱり感動的で最高でしたっ
ただカーテンコール時の二人に対する爆発的な喝采に比べて、主役PHANTOMに対する拍手は…まぁ普通な感じ。
本人も調子悪かったのか、自覚してるみたいで
「(ハイハイハイですよね、ですよね~っ)」みたいな感じがちょっと笑えましたわっ
この国の舞台環境のスゴい所は、本当に観客としては観に行きやすい環境ができあがっているという事っ
「ピカデリー・サーカス」という駅の周りに劇場がけっこう集まってるんだけど、
その様子はまるで新宿歌舞伎町の映画館街のようでしたっ
そしてその周りには多くの「大黒屋」的なディスカウントチケットの店
ハシゴも気軽にできる状況だったよ
しかも舞台の評価は、初日の幕が開いて、遅くとも二日目には各新聞上で星の数が出ちゃうもんだから、初めての内容の舞台でも選びやすいんだよねっ
もちろんその評価だけを意識する事が「もの作り」としていいとは言えないけど…
エンターティメントとしてお客さんからお金をもらう以上、それぐらいのものがあってもいい気がする…。
そのせいか、「やりたいからやった」みたいなエゴな舞台が少なく、結果的にはやはり完成度の高いものが多いように思えた…
そう考えると、自分の芝居に対する考え方もまた少し変わってきた気がする。
「芸術」と「エンターティメント」…。
料金を「いただくべきもの」と「いただくべきでないもの」…。
皆さんはどう思います
ちなみに全っ然関係ないけど…
劇場内はもちろんっイギリスでは室内は基本的に全面禁煙っ
これは一見、喫煙者にはキツそうだけど…
反面、外は歩行喫煙も含めて全然OK
また喫煙エリアとか特に定められていないけど、その代わりに街の至る所に鉄板が上に付いたゴミ箱があるんだよね…。
それはつまり、吸殻を上の鉄板で消して、中に捨てるようになってるらしいんだけど…
結果、歩行喫煙者も子供や妊婦が側を通る時はもちろん意識するし
驚くべき事に、日本以上に道路に吸殻がほとんど落ちていないっ
「規制」する方がいいのか…
「良心」に任せる方がいいのか…
これもまた、久し振りに考えてしまった…
(④に続く…。)