おにぎり (original) (raw)
朝ドラ『おむすび』の第一週目でしたか、ギャルに”おむすび“をすすめるシーンがありました。
橋本環奈さんが取り出したのは、サランラップで包まれた三つの”おむすび“であったことに、少なからず落胆した私は、今のところ上滑りの視聴に留まっています。
というのは、やっぱり「おにぎり」は手結びに限ると思っているからです。
手塩のきいたお握りは、時間と共にいい塩梅の味わいになります。田舎から送ってもらった新米を掌を真っ赤にしながら、何百回握ったことでしょう。
お誕生会など子どもが集まる時の一番人気はおにぎりでした。
「おばちゃん、もうないの?」とリクエストされて、あわてて炊き足した日々が懐かしいこと。1升、2升と炊きながら、お握り屋さんを始めようと考えたのも一度や二度ではありませんでした。
今の若者が、お米を食べなくなったと言われるのは、美味しいお握りを知らないからかもしれません。
その証拠に、今でも、コンビニの売り上げ一位は“おにぎり”と聞きます。本当は、みんなお米が好きなんです。
蛇足ながら、あのお握りは、炊き上げる段階で塩を加えていますから、塩ご飯を結んだものです。正統お握りではありません。
ところで、サランラップは旭化成の大発明!私も日々その恩恵に浴している一人です。
それでも、お握りはサランラップに包まないで欲しいというのは、私のわがままです。しぜんに水分を逃がしたお握りが美味しいからです。
コロナ禍のあと、感染予防もあってラップでお握りを作ることが推奨されるようになりました。仕方ないことは承知していますが、出来ることなら、手結びのお握りを食べてほしいという老婆の独り言を誰が聞いてくれるでしょう。
ラップで包んだお握り独特の匂いが、美味しさを半減させているといったら、ますます笑われそうです。
きのうの朝のこと。用事を済ませてやれやれと、テレビの前に座ったら、『こころ旅』が始まっているではありませんか。
しまった!見逃した!と思ったら、なんと道長さまのお父様がお手紙を読んでおられるところでした。
訥々とした読み方にまず一安心というか、このお父様がお育てになったから、柄本佑という人が出来上がったんだなと納得できました。
火野正平さんと同い年の75歳。正平のことを、「彼はかっこいいじゃないですか」とリスペクトしてくださる心遣いもうれしいことで、耳には、彼から貰ったというピアスをさりげなくつけておられるところも好ましく思いました。
当の正平さんは、チャリオで日本全国の坂道を走り回って、ついに腰を疲労骨折されてしまいました。
彼自身に再開の気持ちがあっても、ドクターストップがかかっているとなれば、どうか、これ以上ご無理なさいませんようにと祈るばかりです。
素晴らしい番組ですから続けたいNHKの思惑も理解できますが、二人目の労災者を出さないように十分の配慮をいただきますよう、心からお願いしたく存じます。