不妊治療はしんどい。 (original) (raw)
■不妊治療はしんどい。
30代なかば。
重度の男性不妊が判明したため最初から顕微授精を行っているが、
これに気をよくした私は、二人目、三人目も
治療さえすれば授かることができると考えていた。
一人目が2才になったころ、二人目の治療を始めた。
一人目の治療のときに採卵し、顕微授精させ凍結させた杯がまだ3個あった。
1個目の移植は着床。
成功にも、出産にもなんの疑問も持たなかったが10週ごろ初期流産した。
歩いていると、ぬるっと血の塊が出てくるのがわかった。異様な感触だった。
まだ凍結杯が残っているし、
2個目の杯は、着床しなかった。
そろそろ着床しなくてもおかしくないと納得した。
3個目の杯も、着床しなかった。
このときはさすがにショックだった。
結果を告げられた瞬間、体温が上がり、
動機と赤面が抑えられなくなった事を覚えている。
採卵はその非ではないほどお金がかかる。
40万~50万かけて採卵する。
年月がたち、
年齢こそが大きな不妊の原因となっている事は明らかだ。
年齢は30代後半になっていたが、
幸いにも複数採卵ができ、
うち4つが受精卵となった。
そして移植。着床した。順調に育った。
不妊治療のクリニックから産婦人科に転院し、母子手帳ももらった。
そして、母子手帳を持って受けた最初の検診で、胎児の死亡が確認された。
二人目の子供は、おなかの中で死んでいた。
がんばったね、ありがとう、と泣きなが検診の二日後に死産した。
二度目の採卵ののち2回目となる移植は、着床しなかった。
着床しなかったことそのものについては
あきらめがついたものの、
焦りは加速した。
つまり、一度失敗すると、その周期をあわせ4ヶ月がたってしまう。
30代の終わりがせまっていた。
通算6回目の移植は、着床まではこぎつけたものの、2回目と同じく初期流産となった。
一度妊娠判定が出て、
今度こそと喜んだ直後の事だ。
下着についた大量の血を見たときは、
顔から血の気が引き、目の前が真っ暗になった。
これが、つい先日の話だ。
恐ろしいのは、ここまでしてまだ
あきらめがつかないという事だ。
なんと欲深い事だろう。
今日も私は、
自分よりも長く、
ネットで探しながら
精神的にも金銭的にもきついが、
何より治療のきつさがふきとぶような喜びを、
傍らにいる子供は与えてくれる。
ただひとつ後悔があるとすれば、
それは子供を作ろうと思った30代前半のころ、
原因は私にあると考えさらに1年近くが過ぎた。
どちらのせいだという話ではなく、
あの無駄にすごした3年がなければ、
治療を3年早くすませていれば、
もう一人子供を授かることは
ここまで難しくなかったかもしれない、と思う。
女性手帳が話題となっているが、
男女二人の問題である。
若いうちにしっかり知っていて欲しいと思う。
気持ちを落ち着かせるつもりが
しかし気持ちは少し落ち着いた。
そしてもしここまで読んでくださった方がいらっしゃるなら、