日記:十月十一日 胎界主三部おもしろすぎる (original) (raw)

・今日のおもしろ漫画

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水の泡ってお前かよ。

これまで純子と人魚姫が重ねて描かれたことあったかな、と「サッキュバス」「人でなしの夢」を読み返したが、人魚姫をモチーフにしているのはやはり純子ではなくて純子が好きになる人の方だ。一貫性の漫画であるところの胎界主でこういうキャラの根源の変化というか回転が起こるの珍しくない?こいつ「愛されて存在承認を得ようとしてる人格」から「愛する人の為に自分を投げ打てる人格」になっていないか。繰り返すに水の泡ってお前かよ。お前が人の為に水の泡になるのかよ。ちょっと純子の評価の上がり方が自分の中で凄い。

正直アスちん堕落で水の泡だと予想してたけど、単に青年に成長しただけだった。思い返してみれば大惨事の時代から子供の姿のまま肉体的に成長していないのがそもそもおかしかった訳で、これはソロモンが成長を阻害していたから(だから干渉出来なかったこの数年で経年に沿う成長をした)という理解でいいのだろうが、何故わざわざそんなことをしていたのだろうか。生成世界破壊爆弾であるところのアスの老衰死を避けるため……にしては心の底からマジで嫌そうに泣いているように見える。

現時点での個人的な解釈だが、ソロモンは何でも出来るようになった代わりに何をやっても意味がないどん詰まりに陥ってああなったから、未熟で出来ることも多くないけれど何かをやれる可能性が無限に残っている子供の状態に器としてのアスを留めておきたかったのではないだろうか。目を離してる隙にアスが秩序の信奉者時代のソロモンと同じような感じになってしまっていたらいざ中に戻っても苦しいだろう。先がどん詰まりなのは誰よりも知っているのだし。なのであの頃の自分に近づくのが泣くほど嫌なのではないか。行間でルーサーに八つ当たりしちゃうくらいに。

レックス再登場の話の〆でソロモンが子供の成長に絶望するくだりが入るのは(たぶん)意図して配置された展開なのだろうが、純子がいとおしさの残滓から明らかに変化しているのは人間って堕落していくだけじゃないよ、と示して……いたらいいな。

おわり