進撃ミュの感想 エルヴィン・とても・スミス (original) (raw)

みなさん、

幻覚が現実になったこと、ありますか?

わたしはあります。

2023/1/07~24 上演の進撃の巨人 the musical @オリックス劇場/青年館大ホール

にて、絶賛具現化中です。

※大好評!大喝采で終演しました

もうちょっと何言ってるかわかんないと思うんですね。私も思いました。

自己紹介します。

実は8年以上も友達と_「進撃の巨人2.5次元ミュージカルになったら、エルヴィンはどんな感じかな」_と集団夢幻覚をこねくりまわしてきた人間です。

撃ミュと私 pic.twitter.com/xZpHy5TRWW

— 二個 (@izumi2co) September 5, 2022

(こわ……)

そして……ついに……進撃の巨人 the musical が上演されました!!

もちろん「幻覚でみた2.5次元エルヴィン・スミス」も2023年ならではの形で具現化しました。

想像の五億倍よかったです!

このブログは、この興奮を!残しておかねば!とねちねちかいた記録です。

ちなみにとても長いので読むのだるい人にこれだけはお伝えしたい

エルヴィン・スミス2.5は、

心(白夜後のエルヴィンへの理解と情熱)

技(激うま歌と演劇的表現力)

体(美ーーーー!!!!!!)

以上、心・技・体そろい踏みのエルヴィンが、俳優さんそしてスタッフさんの努力により受肉しております

2023年1月ならではの奇跡のようなエルヴィン

劇場、もしくは配信で目撃してください


注意

撃ミュのエルヴィンが大好きな理由 目次

アフター白夜ならではのエルヴィン・スミスの感情表現

連載終了後に、満を持して上演される進撃ミュくん

舞台ではシガンシナ陥落~トロスト区奪還作戦がテーマです。

進撃のオタクはアニメ、ゲーム、イベント、広告、テーマパーク…いろいろなメディア展開でここらへんのストーリーを何度も履修(させられてきま)した。

親より見たシガンシナ陥落編。

しかし、エルヴィンに関しては、当時諫山先生もそこまで言語化されておらず、
どのメディアミックスでもミステリアスなものとして描かれてきています。

アニメで演じられた小野Dさんも「何もわからない」というところから組み立ててくれていたように思います。

御存知の通り、物語の後半にエルヴィンの過酷な運命や内情が明らかになり、
物語当初からは想定できなかった生涯をたどります。

エルヴィンの白夜にいたるまでの苦悩は、

彼のキャラクター像を深めてくれました。

白夜のエルヴィンの苦悩の参考資料

進撃ミュは

白夜あとのエルヴィンの情報をとりこんで作られた、

初めての公式展開のエルヴィン・スミス像というのが非常に大きなポイントです。

レア!!!

しかも脚本には諫山先生の監修もはいってる!!

アスミス!!

アフター白夜で再解釈されたエルヴィン、感情表現がなかなか新鮮です。

例えば、冒頭に幼いエレンが調査兵団の凱旋を見に行き、エルヴィンと目が合うシーン。

アニオリのエルヴィンはどちらかというと「申し訳なさ・悲しさ」から目を逸らしていたようにみえます。

一方、今回の舞台版ではより険しい表情で表現されていました。

個人的には現状への怒りや、「夢に手がかからないもどかしさ」もあったように感じました!

また、アルミンの敬礼を称えるシーンでは、可能性を捨てようとする駐屯兵に険しい表情(憤りかな?)をみせ、
「エレンが巨人になれる」「地下室に鍵がある」と知った時には、
舞台の奥の方を眺め、「夢の取っ掛かりをつかんだ」ことに思いを巡らせています。
わたしの感想ですが、明らかに高揚しているようにみえました。

こうした「(利己部分)」にひもづく青々しい感情表現もみどころだったなーと想います。

白夜ポイントが高すぎるストーリー構成

すでに多くの人が語られてますが、

2時間におさめるために、物語の改変が行われています。

幹部組が兵団の大人の立場を一手に引き受けました。

私から見た最も大きい変更は、ピクシス司令の役割をエルヴィンとリヴァイに振り分けたことだと言えます。

出番が増えたやったー!って話だけでなく、(ごめんピク爺!)

エルヴィン・スミスの運命を知る者にとっては、

非常に「白夜ポイント」が高いものとなったと個人的には思っています。

一流の詐欺師ような方便とはこのことか…

ピクシス指令の演説とは同じセリフのようで全く異なる着地点になったと思います

「どうかここで!ここで死んでくれ!」

ここにいたる途中まで本当に同じ事を言っているのですが、

お歌のなかで分岐していくのが鳥肌モノです。

ピクシス指令は駐屯兵団の長なので壁内の安寧を重視

=「人類同士の争うことで滅亡すること避けたい」が主眼でした。

エルヴィンとリヴァイは調査兵団のTOPなのでもう少し攻めています。

「誰かの犠牲を前提とする世界の構造の理不尽からの脱却」を重視したように思います。

歌詞の「死の物狂いに満ち足りたい」(?違うかも?)の意味がわからなかったんですが、怒り、憤り……安寧よりも戦う意志を持て……

家畜の安寧♪虚偽の繁栄♪死せる飢狼の自由を~♪を地で行くボディーブローソングです。

最初はこの違いがわからなかったのですが、

このピクシスとエルヴィンの違いは、原作のクーデーター編にもつながる構図です。

劇場特典が幹部組の14巻の表紙になったのもわかりみしかないですね。

しかし、この演説がどちゃくそかっこいい…

俳優さんの表情や声出し方で、エルヴィンの”夢に至る道の障壁/理不尽な世界への憤り”が伝わってきます。

最初、言ってることがよくわかんなかったにもかかわらず、

_「なんかよくわからんけど、殿(エルヴィンの概念)がめっちゃかっこいいし進撃しちゃおっかな♪」_的にメロメロになってしまうのがやばい。

いやかっこいいんだけど、危なくもあるな!?

というのも、この「かっこよさ」「正しさ」のために死地に投じられる兵士の危なっかしさを原作では指摘していたように思うからです。

エルヴィンは白夜に至る前、大きな葛藤に苦しみます。

「仲間を騙し 自分を騙し 築きあげた屍の上に立っている」

「一流の詐欺師のように体のいい方便を並べなくてはならない」

(エルヴィン自身の評価より、人類のためっていうのも嘘ではないと思いますが)

確かに、いつの間にか理不尽な世界へ抗うモチベが着火させられてるのがやばいんだよな~~~~~

諫山先生のコメントで、エルヴィンのことを「一流の詐欺師のように」って言及されることが多いんですが、

これが一流の詐欺師レベルの人心掌握~~~~~!?

俳優・大野拓朗さんのばかうまド迫力ソングが、

そうした”人心掌握し、鼓舞し、死地に兵を追いやる業”を見事に表していて、

白夜を知る我々にとっては地獄ポイントが課される結果となりました。

かっこいい!辛い!

余談ですが、最初エルヴィンがピクシスのセリフの「(巨人の恐怖を)愛する者にも味合わせたい者は〜」を話すんですが、「愛って言った!?!?!」「いまエルヴィンが愛っていった?!」って気がちっちゃっててな…愛の概念…そりゃあ…ナイルの選択を尊重できるのなら愛する者がいるひとの理解はあるよね…しかし推しの口からでる「愛」、めっちゃびっくりします。アドレナリンダバッとでて背中にすっごい汗かいた…

ちなみに、撃ミュのエルヴィンが「抗いたい」というエレン的な心情になっているのは、この前半からのジャブもあると思っていて…

開拓地で追憶ソングを歌うシーンがありますが、

あれは一般民衆としてエルヴィン・リヴァイ・ハンジの俳優さんが歌唱しています。

※彼らがそこにいた、というよりは本当に一般民衆としてかな

ここのシーンの意義は、奪還作戦後に生き残った民衆がもつ、

「理不尽への怒り・あきらめ」の表現だったと思います

この歌の中では民衆は怒りも疲弊してしまい諦めの境地にいたります。

エルヴィンとリヴァイが壁上演説でおこなったのは、

こういった「抗いたい」というモチベを再喚起させる…という構図になるので、

このシーンを幹部組の俳優が歌うことは演劇的に無関係じゃないのかな~なんて勝手にこじつけてます

(このシーンの大野さんはロッキンな歌い方で、最後まで抗ってましたね。注目ポイントです。)

エルヴィンの鎮魂歌……白夜のイントロすぎる

前項の「業」の表現に加え、中盤のコミックス3巻特別編「リヴァイ 兵士長」のシーンが本当に最高でした。

皆さんが言われていますが、
エルヴィンファンとしてはありがたすぎて「幻覚か?」となるレベルでした。

歌詞の内容はどこまで書いて良いかわからんので省略しますが、本当は全文伝えたい!!

内容は、死にゆく兵士を想い

意思をついでいこうとする鎮魂歌です。

ここのシーンは、来たる「白夜」の対比となっていると思うのでまた白夜の話してしまうのですが、諫山先生がインタビューで述べたとおり、

「利己(夢)」と「利他(人類・組織)」との間で苦しみます。

※前述の画像参照

ただ、この過程がわりとミルフィーユのごとく多重な心理構造なので、「エルヴィンが利他的な部分を土台として持っている」ということが忘れられがちです。

なので、「非情」「冷徹」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

ミュージカルでは大事な心情を歌うものと理解していますが、
その大事なエルヴィンの表現として「鎮魂」…「利他」の部分を歌唱してくれたのは本当に嬉しくありがたいことです。

加えて…エルヴィンがこんなふうに兵士の魂が安らかに旅することを祈っていたことをおもうと…来たる白夜の際に、リヴァイが「休ませてやらねえと」と送りだしてくれたことが想起されてしまい……胸が勝手に苦しくなってしまいます。
ここの歌詞、めっちゃいいんですよ……

白夜ポイント倍率ドン!!

うっウウウッ 助けてくれ…っ

しかしながら…

リヴァイ兵長が舞う下で、

エルヴィンに安らかな眠りをうたわれる

このシチュ、羨ましすぎません?!

私の葬式にかけたい曲 ナンバーワンです。

進撃ミュ製作委員会のみなさま、音源化お願いします

エルヴィン・スミスはウォール・オリックスゲキジョウにて受肉されました

と、いろいろ小難しいこと書いてきましたが、

劇場でみた瞬間の記憶をとどめたメモをご覧ください。

冒頭。

何が始まるのだと不安と期待が渦巻く劇場内。

巨人と調査兵の戦いが始まり…

下手から悠然と登場した瞬間に息を呑む

日本人男性にこんなに金髪七三似合っていいの!?

マントの下の鍛えられた胸筋がつくる逆三角形のふもとに

何メートルありますの?というスラリとした脚が伸びる二次元スタイル。

ちょっと硬質な表情の作り方

強めに対象に向ける視線運び…

推しが具現化した瞬間!!

幻覚ではなく、1人の人間としてそこに「いる」

役者さんではなく、「エルヴィンがいる!!」

2.5次元にハマった女が五億回は言ったであろう表現~~~

もうそうとしかいえないのだなら仕方ない~~~~

はーーービジュアルつっよ…こんなことあっていいの?

エルヴィン・すごく・スミスやん…

左2つ隣、そして後方からも「ヒッ」と声にならない声が聴こえる~~

わかるよ

わかる~~~~~

そんなことを考えているのと並行して進行する舞台を支障なく認識できるッ

全集中力をもってすると時間の感覚が狂うッ

オタクが人生で数度は経験する「ゾーン状態」これ!!

初めての出番は、原作と同様の1話の一言。

「目標との距離400!」

完璧な第一声。

ものすごく研究された声だ!

子音に息をたっぷり入れた低音!

アニメ進撃の巨人season 1 (WIT STUDIO)の前期のころの小野大輔(エルヴィンの声優)の声をリスペクトだ!!!

アニメ化した時に友達と喜んで真似っこしたあの低音ボイス!

もちろん声質は小野Dさんではないんだけど、

声のだし方、息の入れ方、抑揚…エルヴィンだ…

きちんとアニメも履修されてるかただ…ありがてぇ…

声一発で“理解”ってしまったな…これはエルヴィンだ…

余韻をひきずりたくも情報の濁流にのまれてしまって…

デンッ (カッ)デンッ (ッ)デ デンッ(カッ) デ デンッ ドゥーン ↑

デンッ (カッ)デンッ (ッ)デ デンッ(カッ) デ デンッ ドゥーン →

(イントロのモノマネ)

やや陽気な重低音ナンバーとともに、立体機動を駆るリヴァイ!

オタクが大好き3巻特別編「リヴァイ兵士長」エピだ!!!やたー!!

立体機動かっこいい!名シーン!

リヴァイも最高~~~~~

アッ エルヴィン!中央にたってるいつの間に!?

あ、息を吸うモーションっ!

え? いま、歌うの??

え??? 待って

歌うっま!!!!!

声量でっか!!!!

ビブラートなっっっが!!!!!

ちょっとまってよ、こちとら先ほど具現化されたビジュアルの余韻から立ち直れてない!!声の、声の、圧!

ミュージカル歌唱を鍛錬してきた者の歌唱法!

恥ずかしながら拙者、「エルヴィンの心臓を捧げよというクソデカボイスが大好き侍」!

声の圧を全開にするとこんなに素晴らしいものなのですねっ

歌い上げ…ながら階段を…?????

リヴァイが手を握り意思を注ぎ、華麗に舞い上がりながら戦うのを背景に

エルヴィンが死を悼む鎮魂歌をうたい階段を降りる…?

夢か?

わたし死んだ?

ここは桃源郷か??????

一週間、このメモのように出会ったときのことを反芻している……

すごいたいけんだった……

どんなに感情を揺さぶられたかわかりますか?!!?
あの瞬間を、みんな……あじわってほしい……

中の人がオタクをぶっちぎってくる~心・技・体揃ったエルスミの中の人~

そんなこんな情熱と冷静の間を反復横跳びしてきた1週間ですが、

やはり中の人が本当なエルヴィンにフィットしていたなあという印象です。

これまで書いてきた大好きポイントを、演じ切った大野さんの技量は想像以上でした。

キャリアとしても、朝ドラや一般のミュージカル舞台で研鑽された方ときいてはいましたが、技術の説得力がすごかった……
声のまろやかなロングトーン……素晴らしかったです。
「お歌がうまいエルヴィン・スミス!」爆誕

立ち方・歩き方とかも研究されたんだろうな~
カテコとかで出入りするときが軍人感あってよかった~!

あとあと、最後のリヴァイと歌うところが英語歌詞だったんだけど、
発音もぶっちぎっててよかった!
英語留学されてたんでしたっけ……(●⁰౪⁰●)

また、2.5次元の評価軸のひとつに、技術以外にも、
「見たいものを見せてくれる」があると思います。

また、そのために努力をしてきてくれたとおもいます。

そ、そんなことある!?

特に、直接小野Dさんにお話を聴いただけあって、理解と解釈の鮮度とスピードが想定を越えていました……すっご……役作りそんな真摯にしてくれることある……?

流石に幻覚では?!

2.5に「推しは見た目のイメージに近く顔とスタイルがよく演技・歌・ダンスも巧みで(もしくは伸び代があり)、キャラの研究をしてくれる情熱と愛があり、人格優れていて欲しい」などと高望みな我ですが、
大人なので「叶うわけがない」と知って…

え、叶うんですか、撃ミュは!?
流石に幻覚では!?

— 二個 (@izumi2co) 2023年1月12日

ネルケのキャスティング担当さまぁ~~~どうやって交渉したんです!?

今度お酒を奢らせてください (?)

エルヴィンへの熱意と、ファンからの期待を受け止め、さらに超えていっていただいたことに大きな感謝しかありません……

大野拓朗さん、才能とお力とお時間をエルヴィンに注いでくださりありがとうございます。この恩義は末代まで語り継ぎます。

心(白夜後のエルヴィンへの理解と情熱)

技(激うま歌と演劇的表現力)

体(美ーーーー!!!!!!)

のエルヴィン・スミス。本当に一見の価値ありです!

以上、取止めもない感想でした。

2023年1月の奇跡もあと10日間……

舞台はまたいろんな変化があると思うのでできるだけ追いかけていきたいな~

ここまで読んでくださりありがとうございました!